彼女の事情
一言でいえば私は面食いだ。
続いて二言目で言い訳をする。
面食いだけどそれは芸能人を追いかける小学生と同じ、ミーハーというやつにすぎないのです。
流行にのってアイドルグループのコンサートにいったり、サッカー部の先輩に手紙を出したりする。
それと同じ、その程度。
だけどおかしなことに、どんなにかっこいい人から告白されても私は首を縦に振らなかった。
え、私? 嘘でしょ? なに言ってんの?
現実味がない、そんな感じ。分かってもらえるだろうか。
もし例えば、あなたの前に突然芸能人が現れたとしよう。
「いやぁ、君。かわいいね。あ、僕のこと知ってる? アイドルやってんだけどさ、テレビの中から出てきて君のこと好きになっちゃって」
萎えるってか、もはや笑い話。
面食いだからといって困ったことはないし、むしろ得だと思う。
かっこいい男の子ばかり見ていたおかげで美的感覚が高くなり、自分さえも磨くようになった。
口には出さないけど、私は自他共に認める美人だ。
目指すは美男美女カップル!
私は絶対、男らしさのあるイケメンとしか結婚しないと心に強く決めていた。
だから彼に対するこの想いはきっと、本物なのだ。