翼(二編詩)
掲載日:2026/09/03
(蝋の翼)
翼がみえたよ
目覚めたあなたはあなただった
打ち明けた淡い記憶
わたしには無力さだけがある
無力さだけだけれど
あなたの翼がこんなに嬉しいだなんて
あなたがあなたで嬉しいだなんて
芯が燃えてとけるような
蝋の翼をみたんだ
わたしにもあるの?
あなたはわたしに何をみたの
何をみたの
あなたの瞳が私を射ったまま
まだ少し芯のように燃えているの
とかした肌はその翼に重ねてゆく
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(月魚)
窓枠には花
水輪のひと
生まれし
目覚め
心の何処かでつながりひとつの海となる
夏の終わり
月照らす入道雲は白龍の翼
少しずつ散りゆく鱗雲に
つまづくように眠った
雨の空気に包まれて
深く落ちては 浮き上がる言葉
目覚めに
月
纏う空気少し冴えて
少しまろやかに
光
消えて
光
満ちて
掬われし月
あなたがいた




