サービス開始/キャラメイク
※本作は執筆過程においてAIを補助的に使用しています。
物語構成・設定・最終調整は作者によるものです。
午前9時30分
わたし、府川小綿はベッドの上で最新のVR機器を見つめていた。
サイドテーブルのスマホに通知が来る。
3人のグループチャットだ。
『キャラクリ出来たら初期スポーンで待ち合わせで』
『時間かかってもいい?』
『いいよ』
『プレイヤー名は決まってる?うちは「セイカ」』
『オレは「ソラマ」にする』
『小綿は?どんなキャラ名にする?』
『「ふわわ」にする』
『了解!くれぐれも本名で呼んじゃダメだからね!特に空馬!!』
『オレかよ!!晴海も本名言うんじゃねーぞ!』
『あんたじゃないんだから言わないよ』
わたしはそのやり取りを見て苦笑した。
話が早すぎて入り込む余地がない。
『小綿もゆっくりでいいからね!』
晴海がわたしに気を使ってチャットを送ってきた。
わたしはスタンプで『了解』と返信した。
まだ、二人はいろいろと言い合っている。
(……また、二人に引っ張って貰ってるなぁ)
チャットのやり取りを横目に、サイドテーブルのソフトパッケージを手に取った。
【Parva Vita Online (パルヴァ・ウィータ・オンライン)~小さな生活の、その先へ~】
今日の午前10時から正式サービスが始まるVRMMORPGだ。
幼馴染である芳賀空馬と芳賀晴海兄妹が一緒にやろうと誘ってくれたのだ。
パッケージの説明文を指でなぞった。
多種族が暮らす世界で、冒険や生活を楽しめるらしい。
……どんなことしようかなぁ
……二人が冒険に行くなら、わたしは町でのんびりしようかなぁ
……人が少ないところでのんびりしたいなぁ
そんなことを考えながらパッケージを眺めていると電話がかかった。
着信画面を見ると晴海だった。
「小綿!大丈夫?」
「大丈夫…だよ?」
「ならいいけど、全然既読付かなかったから少し心配した」
「ご、ごめんね?」
「別にいいわ、それよりそろそろ始まるからダイブする準備しときなさいよ」
「う、うん……わ、わざわざありがと」
「じゃあ、あっちでまた会いましょ?」
そうすると通話が切れた。
時計を見ると午前9時57分となっていた。
わたしはベッドに横になり、VR機器を被る。
目の前にはデジタル時計が表示されている。
数字が切り替わる。
午前10時00分。
わたしは深呼吸をした。
「……スタート」
そう呟くとわたしの意識は、ゆっくりと沈んでいった。
◇◇◇◇
目を開けると白い空間に立っていた。
目の前にはシステムウィンドウが浮かんでいる。
【ようこそ、Parva Vita Onlineへ】
【種族を選択してください】
種族の一覧がシステムウィンドウに表示された。
一覧にはそれぞれの種族と特性が記載されている。
【人間】
初心者向け、レベルアップごとにステータス補正は無いが、ステータスポイントが10付与される
【エルフ】
レベルアップごとにMP、魔攻、魔防に+1補正、HP、物攻、物防に−1補正、ステータスポイントが5付与される
【ドワーフ】
レベルアップごとにHP、物攻、物防に+1補正、MP、魔攻、俊敏に−1補正、ステータスポイントが5付与される
【獣人】
レベルアップごとに物攻、俊敏に+1補正、MP、魔攻に−1補正、ステータスポイントが5付与される
種族レベルは1〜99まであり、レベルが上がるごとにステータスポイントが加算されるらしい。
それぞれの種族を選択するとホログラムで各種族のデフォルトの容姿が表示される。
わたしは【エルフ】を選択した。
【容姿を決めてください】
次に進もうとすると【オート設定】があった。
迷わずそれを押す。
現れたエルフの姿はショートの白髪で肌は白かった。
目が前髪で隠れており、覗き込むと青い目が確認できた。
わたしは目の前のアバターに手を伸ばした。
「……よろしくね?ふわわ」
(……このわたしもわたしらしく居られるかな?)
そうしてわたしの姿が決まった。
【ステータス画面を確認し、職業を選択してください】
ウィンドウに従ってわたしはステータス画面を開いた。
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プレイヤー名:ふわわ
HP:10 MP:12 ST:5
物攻:1
物防:1
魔攻:2
魔防:2
俊敏:1
【種族】
エルフ Lv1
【メイン職】
【サブ職】
【汎用スキル】SP:2
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職業画面を開くと、選択可能な一覧が表示された。
職業ごとに固有スキルを習得できるようだ。
メイン職はスキルを100%使用できるが、サブ職はスキルに何かしらの制限があるようだった。
職業レベルが上がれば新しいスキルを覚えられるらしい。上限はLv20。
「……戦闘はいいかな?」
そう思って、戦闘ではなくサポート系の職業を選ぶ。
(……錬金術師でポーションの制作、付与術師でバフとデバフのサポートをしよう)
メイン職に錬金術師を選択し、サブ職に付与術師を選択した。
付与術師のサブ職制限はバフ・デバフの消費MPが2倍になるという制限があった。
(……倍? ちょっと重い……かな?)
そう思い、初期からあるステータスポイントをMPに振る。
余ったポイントは俊敏に割り振った。
最後の汎用スキルを選択する。
汎用スキルは、ゲーム内の行動で取得できたり、スキルポイントで習得できるものらしい。
(……人に見られたくないし、静かに暮らしたいなぁ)
そう思い、汎用スキルの隠密と採取を初期の2ポイントを使用して取得した。
わたしの最終的なステータスはこうなった。
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プレイヤー名:ふわわ
HP:10 MP:12(+3) ST:0
物攻:1
物防:1
魔攻:2
魔防:2
俊敏:1(+2)
【種族】
エルフ Lv1
【メイン職】
錬金術師 Lv1
スキル:調薬、鑑定
【サブ職】
付与術師 Lv1(制限:消費MP2倍、スキル名(消費MP量))
スキル:パワード(4)、目眩し(4)
【汎用スキル】SP:0
隠密、採取
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すべての設定を終えるとウィンドウにメッセージが表示された。
【こちらの設定でよろしいですか? YES/NO】
わたしはYESを選択した。
【あなたの小さい一歩が大きくなりますように】
そんなメッセージが表示された後、目の前が真っ白になる。
(……)
わたしはメッセージの意味を考えないようにした。
◇◇◇◇
目を開けると、星のような光が浮かぶ、広い待機ロビーだった。
その空間にはプレイヤーがたくさんいた。
スポーン演出の光が消えた瞬間、周囲の視線がこちらに集まった。
思わず肩が跳ね上がる。
足がすくむ。
心臓がうるさい。
……やっぱり、人多いの苦手。
周りを見てみると、受付カウンターのような石造りの台があり、
案内役のNPCが数名立っている。
……どうやらゲーム世界の初期スポーン地点を決めるようだった。
周囲には、同じように初めての入場に緊張した顔のプレイヤーたちがちらほら。
(……あそこから、冒険が始まるのか……)
わたしは下を向きながら、受付カウンターの反対側に小さく走った。
人の流れに飲まれないよう、人のいない壁際へ。
遠くで、誰かの笑い声が小さく聞こえる。
(……う、うるさくはないけど、落ち着かないな……)
わたしは壁際で膝を抱えて、座り込んだ。
(……少し、不安かも……)
……このままずっと、一人だったらどうしよう。
スポーン地点の周辺は、プレイヤーで埋め尽くされていた。
でも、あの光景の向こうに、きっと幼馴染たちがいる。
心の奥で、ほんの少し期待が芽生える。
「……大丈夫、多分、おそらく、きっと……」
わたしは深呼吸をして、立ち上がり、人混みの方へ足を踏み出した。
——その一歩が、わたしの新しい世界への、最初の一歩になることを願って。




