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語り継ぐ者  作者: 藍本 彩夢


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その心 その思い

 家に帰ったフォルセティはもう一度考えていた。

 彼女もザックも知らないと言っていたし、俺の記憶にもないが 絶対に俺は彼女を知っている筈なんだ。不思議な事だが、それだけは真実なのだと分かる。

 俺には、魔力がない‥だから魔法は使えない‥それは小さい頃から分かっている事‥でも近頃 俺は感じている。隠されている力がある事を‥自分の中に脈々と流れる魔力がある事を‥そして実感している。やっぱり俺は長い時を生きる一族の一人なんだと‥

 既に次世代の語り継ぐ一族の後継者と呼ばれる者達が動き出しているのは聞いている。友人のカイはおそらく中央へ入る一人なのだろう。 

 俺はカイと一緒に動いてみたいと思っている。何故 俺の魔力が隠されているのか‥何故 長い時を生きる一族として認められていないのか‥それは分からない。でもまもなく俺の魔力は解放される。それだけは実感している。だからこそ彼女と会った事があるという事実を俺の心は教えてくれている。そして俺は彼女がエイルが忘れられない。俺と彼女は運命か…フッ こんな考え俺らしくもない‥俺は自嘲する。



 同じ頃 エイルはカイとフローラと話していた。

 「ねえ この頃 魔力の揺らぎを感じる事はない?」

 「ああ ついこの間 フローラと話していたんだ。たまに魔力の揺らぎを感じると‥」

 「そういえば 最近 中央神殿の魔法基盤の修復と再生が終わったわよね。」

 「ええ わたし達 三人はその為に小さい頃から中央に入り中央神殿に入る事が許されていた。そこで魔法の練習もした。その小さな魔法が‥幼い魔法が‥魔法基盤の一つ一つを癒すんだと師匠達が教えてくれた。」

 フローラが言った。

 「そうだな。最近まで三人が当たり前だと思っていたけど、魔法基盤の修復と再生が終わってから気になる事がある。」

 カイが言った。

 「あたしもある。」

 「あたしも…」

 「中央神殿に行きましょ。多分 師匠達が待ってる。」

 あたしが言う。

 

 中央神殿に行くとやはり師匠達が待っていた。

 「来たか…」

 「はい!聞きたい事があります。」

 「分かっている。まずわたし達の話しを最後まで質問せずに聞いてもらおう。」

 中央を統括する 師匠が話し出した。 

 本来 中央は東西南北のそれぞれの統括者…そしてそのパートナー。全ての統括者を総べる総統二人とそのパートナー十二人が最高人数となるようだ。魔法基盤の修復と再生は十五歳になった時、中央に入る者六人で始める事だったようだ。でもあたし達には例外が起きた。北支部と西支部でその豊かさと力を狙った暴動が起きた。将来の力となる幼い子供も襲われたらしい。あたし達の仲間となるべき者達は魔力を深く隠され、何処かへ逃がされた。その暴動は力ある者達によって終結したが、逃がされた子供達の行方はわからなくなったそうだ。隠された魔力が目覚めるのは魔法基盤の修復と再生が終わってから…あたし達はそれを三人でやらなければならなかった。だから幼い頃から中央への出入りが許され、遊びに交えて修復と再生を始めさせられたらしい。

 「君達は素晴らしかった。覚えも早いしその適応能力は優っていた。何より楽しんでやっていた。魔力量も半端なく多い。幼いながら君達が中央に入る者だと分かったのは、君達自身の輝きだった。おそらく君達は仲間が大変な事になっているのを心の奥で知ったのだろう…そしてわたし達に自分の居場所をその光の輝きで教えてくれたんだ。」

 師匠達が言った。

 「今 君達が感じている事を教えてくれないか?」

 「魔力の揺らぎです。」

 あたしが答える。

 「修復と再生が終わってから時々‥」

 フローラが言う。

 「それが少しづつ大きくなっている。」

 カイが補足する。

 「君達の仲間の解放が近づいているって事だな。」

 師匠が言った。

 「やはり そうですか‥全員 揃う日が楽しみです。」

  あたしは言った。

 そして思う‥あたしの運命が、やがて大きく動き出す…

 フッ‥あたしの運命か‥それなら前に進んで行くだけ‥あたしの心は決まった。

 正面を見た。師匠達に挨拶をする。

 「今日はありがとうございました。」

 あたし達は師匠達のいる部屋を後にした。

 「あの目を見たかい?」

 「素晴らしい 決意の眼差しを見せてくれた。」

 「エイルの魔力はまだ大きくなる‥楽しみな娘だ。」

 「温かく柔らかで人を癒す事が出来る輝きと頼りになり人の心を動かす程の強い輝きを放つ事が出来る光を持つ娘‥この国の未来が楽しみだ。」

 師匠達の言葉が紡がれた。


 



 

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