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Femto Boy  作者: 弘田宜蒼
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想い

『仕事の方は順調ですか? お父さんが4月から嘱託社員として会社に復帰する事になりました』

 3月中旬の水曜日。『東チャンリーフ』の打合せ中、小枝子からメールが入っていた。


『会社を辞めた時、正直離婚しようか思い悩んだけど、何とか落着いたわ。秋久も臨床心理士の資格を取る為に猛勉強してる。来年は大学院に進みたいって言ってるわ。我が家はそんな感じです』

「そうですか……」

 と、少し冷めた? 素っ気ない感じで返信。小枝子も、夫の退社と息子の進路の事で、随分葛藤があったと思う。息子を応援したくても、進む道は不安定な職業。親を苛ませ、親不孝な息子だ。一人呵責に耽っていると、

「どうしたの? 深刻なメール?」

 大谷ディレクターに声を掛けられた。


「いえ、母親からの近況報告です」

「そう。私2年前に母親亡くしたんだけど、あんまり親孝行出来なかった。早く売れっ子になって親孝行しなさいよ」

 大谷ディレクターは右腕でオレの上体を揺蕩させた。

「これまで両親には、苦労や心配を人一倍以上掛けて来ました」

「この業界に進んだ子は大体そうよ。でもね、人を泣かせた子は、その反面笑顔にさせる事も出来るからさ」

 「はい」と照れ笑いをして返した。


 救いの言葉、又は自己弁護の言葉かもしれないが、早く両親を安心させたいと切に思う。


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