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Femto Boy  作者: 弘田宜蒼
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再会

「誠心誠意謝れば良いんでしょ!」

「だから責めた訳じゃないって!」

 2月下旬の日曜日。ミドと約2年ぶりに再会した。             電話を掛けて出てくれるか迷ったが、先週の日曜に、多分彼女が休みだろうと狙って掛けたら繋がった。


 ミドは横浜に住んでいる為、一本で来れる渋谷で待合せる事にした。電話の時には言わなかったけど、逢うなり「連絡着いて奇跡だね」と冗談で言ってしまった。

 ファストフード店に入ってお茶をする。学生時代、ミドに彼氏が出来るまでは、2人でファストフードでお茶したり、オレの洋服選びに下北沢までミドが付き合ってくれたりした。懐かしき良い思い出。


「気にはしてたんだよ。ずっと」

「あの頃は唯々人が恋しかった。相手の事も考えないで、構って欲しい気持ちが暴走してたんだよ。オレ、自己顕示欲が強過ぎるから。木を見て森を見なくなってたんだ」

「そこがユースケのかわいいとこだし、面白くもあるんだけどね。中々一発で解って貰えないだろうけどさ。あの頃ね、うちの博物館で催物があったの。ほら、3年前に明智光秀のお城のスケッチ画が見付かったってニュースあったじゃん」

「光秀の城?……ああ、そういえば」

「そう。そのスケッチ画が、期間限定でうちの博物館に展示される事になって。その準備でごたごたしてたの」


 明智光秀。主君、織田信長に反旗を翻し、日本史史上最大の謎といわれる本能寺の変を起こした人物。光秀の本拠、坂本城は現在の滋賀県大津市内にあった。ポルトガル人宣教師が、絢爛で、信長の安土城に次ぐ名城だと絶賛した。け・ど・も! ……、今は殆ど痕跡を残していない。


 1979年に実施された発掘調査などによって、徐々に詳細は明確になって来た。け・ど・も! ……、その姿形はベールに包まれていた。所が3年前の夏、城を絶賛した宣教師とは別の宣教師が描いたとされる城のスケッチ画が、滋賀県内の民家の蔵から発見され、メディアでも大きく取り上げられた。


「そんな歴史的発見もあったねえ……って本題なんだけど、いつなんだよ、結婚?」

「っあ! そうそう、7月の予定なんだ。忙しくて披露宴には無理だろうけど、その後のパーティには来れない?」

「うん。何とかなるとは思う」

 けど……今の所はの段階。「出席させて頂きます」と言いたかったけど、期待させてがっかりさせたら申し訳ないと思った。

「旦那は何やってる人?」

「公務員。市役所に勤めてるの」

「そんな人と何処で知り合うの?」

「合コン」

 あっさりした答え。


「そう……舞田もそうだったけど、出逢いにも機動力が必要なんだね」

「ユースケに誰か紹介出来れば良いんだけど、でも絶対出逢えるから!」

「そんなもんかねえ……」

 パーティの場所はまだ決まっていないそうだが、招待状を郵送して貰う為、住所を教えて今日は別れた。


 駅の改札で彼女は笑顔で手を振り、オレも笑顔で振り返した。これで数少ない友達3人と、新たに関係を培って行ける。何気ない事が、今とても嬉しい。


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