呻吟
2人が帰った後、気を引き締めて企画の練直しに取り掛かった。
『笑ウ犯罪者』。企画意図――古今東西起こる、社会を震撼、冷笑させる犯罪。その度に人々は、犯罪者に対して冷淡な目を向ける。
しかし、その冷淡な目を向けていた人が、犯罪者の立場となってしまうのも、昨今の社会。
この番組は、視聴者に「あなたは犯罪者にならない自信がありますか?」と問題提起をし、自身や家族、身辺の人達を顧みて貰おうという番組である。
『この世に埋もれた殿方』。企画意図――いつの時代にも、どんな分野にもいる脇役達。脇役が光る事により、主役の輝きは増す。夜の桜、スカイツリー、ライトに照らされる事で、昼間とは一味違う魅力を醸出す。
この番組は、ライト(脇役)がどのように主役を照らしているのかを多角的に分析しつつ、視野を広く持つ事の大切さを再認識しようという番組である。
他、クイズを一本。オムニバスドラマを二本考え、放送時間とキャストも決めた。
4日後、再び夕起さんが陣内さんを連れて来た。この前と同じように、集団待機室に入る。
陣内さんが目を通している間、また沈黙が流れる。今日は幾分落着いていられた。
「うん。ちょっとはましになったね。特に『笑ウ犯罪者』は可能性ありそうだし、ドラマはユニークだね」
「ありがとうございます」
と、安堵のこもった礼を言う。
「もう少し言うなら、ドラマにも具体例を入れて煮詰めると良いんだけど……それと、司会が売れっ子過ぎる。今は掴まえ難い人達だから」
ミーハーだったと素直に反省した。
「……分かった。社長に話してみる」
その言葉に、夕起さんも安堵の笑みを見せ、オレの左肩に手を乗せて「良かったね」と言った。
「宜しくお願いします」
「2、3日したら連絡するね」
「ユウ君、これにて監禁終了です!」
夕起さんが宣言し、一週間で無事「解放」された……が、スタートはこれからである。




