表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
13章 Double 決戦のタッグマッチ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

540/540

第527話 シャラップ

 時間になり、ボクたちは競技エリアに転移する。


 眼前に見えるのは三下さんと負け犬さんだ。二人とも全身を未鑑定装備で固めており、ある意味では統一感がある。三下さんは全身鎧なので【ナイト】の可能性が高いだろう。負け犬さんは白地に疑問符がプリントされたTシャツを着ている。


 アバターに関してはまったくと言っていいほど特徴がない。頭上に表示された名前がなければ、どちらが三下さんでどちらが負け犬さんなのか、区別がつかないくらいだ。


 どちらも黒髪の短髪で、顔の造形もまったく同じ。意図的にグラフィックを揃えているらしい。つまり、現実(リアル)アバターが蔓延る現環境では珍しく、ゲーム内のアバター作成機能を使っているのだろう。


 特徴のない造形であることも含めて、そのすべてが意図的に見える。こういうタイプはむしろ最大限に警戒しなければならないだろう。


「むむ……。こんにちはなのです……?」


 いつもなら自然に試合前の会話が始まるのだが、このままでは無言のまま試合が始まってしまいそうだ。そう察したメグさんが月並みな挨拶を投げかけるが、お相手は完全に無言。表情すらまるで変わらない。


 ――〘リアルステーション〙かな?


 バーチャル空間にダイブしてないからこその無反応。人間なら自然と生じる身体の揺らぎが一切存在しない。これはコントローラーでゲームをプレイしているがゆえの現象だ。


 とはいえ、同じように〘リアルステーション〙でプレイしていた灑智は、こんな感じではなかった気がするけど……。


「対戦よろしくおねがいしますね」


 相手から反応が返ってこないと、さすがのボクも無難なことしか言えない。挑発(トラッシュトーク)は相手との信頼関係があってこそ成り立つものだ。コメント欄では『お葬式かな?』『準決勝なのに盛り上がりが無くて草』と好き勝手言われているが、余計なことを言って滑るよりはマシだ。


【5】


「よし、メグさん!がんばりましょう!」


【4】


【3】


「言われずともいつでも頑張ってるのですけど――仕方ない、今回は500%でいくのです!」


【2】


【1】


【0】


「さぁ、いきますよ!」


【START!!】


「〈混沌に仕えし魔の眷属よ、我に〉――」


「【シャラップ】」


 ボクが詠唱を終えるより一手早く、負け犬さんに詠唱を中断される。その瞬間、【サモン・ゴブリン】が再詠唱時間(リキャストタイム)の経過待ちに切り替わる。スキルの説明にはまったく書かれていないが、中断された直後には唱え直せないのだ。


【シャラップ】

[アクティブ][投射][妨害:確定][魔法]

消費MP:8 詠唱時間:5s 再詠唱時間:5m

効果:[キャラクター]の[詠唱]を[中断]させる。


 しかしメグさんはいつもどおり【〈パウダーホーム〉】の散布に成功する。出鼻は挫かれたが、致命打ではない。まだ挽回できる。


 ボクは【フェアリールビーロッド】の妖精さんを相手に向かわせつつ、【フェアリーストームワンド】から牽制として【ゲールウィンド】を射出する。


 すると三下さんが前に出て、【ゲールウィンド】を受け止めた。さらに無防備にも妖精さんへ肉薄したので、ボクはすかさず【ソウルフレア】を発動する。


 途端に白銀の炎が生じ、三下さんを包み込むが、HPは寸分たりとも減っていない。風と炎の両方を無効化できるほどの耐性持ち?


 三下さんはそれらを物ともせず、そのまま疾駆する。メグさんは【アームズスイッチ】で【古式・凍てつく炎の刃】を取り出し、«五月雨飛ばし»で牽制した。無数の衝撃波が放たれ、宙を駆け抜ける。


 三下さんの防御性能がELMに拠るものであれば致命打となるはずだが――彼は«五月雨飛ばし»の衝撃波さえ、まるで意に介さず受け止めた。そのままメグさんに肉薄し、素早い動作で拳を思い切り突きつける。どうやら三下さんは純【モンク】のようだ。


「【正拳突き】」


 メグさんはその打撃を受けてほんの一瞬だけ後方に弾かれそうになるが、【マクロ】で慣性を打ち消してその場に踏みとどまる。再び【アームズスイッチ】で斧を取り出すと、«九字斬り»で一瞬にして格子状の斬撃を繰り出した。


 しかし――。


「これもノーダメージなのです!?」


 炎も効かない、風も効かない、物理も効かない。【ガードジャスト】で無効化した形跡もない。その動揺を突かれ、今度こそメグさんは殴打を受けて大きく後方へ弾かれる。


 その次に三下さんが狙いを定めたのはボクだ。刹那の間に距離を詰め、再び力強く拳を突き出してくる。


 炎も風も効かない以上、迎撃は意味がない。距離をとるべきだ。


 瞬間的にそう判断し、«テレポート»で後方へ飛ぼうとしたのだが――。


「【シャラップ】」


「な――」


 反応する暇もなく、後方にいた負け犬さんに【マクロ】を打ち消された。そのまま三下さんの鋭い拳を受けてしまう。HPは一瞬で『1』まで削り取られ、その衝撃で大きく跳ね飛ばされた。


 HPが『1』になるのはいつものことだが、この挙動は初めて見る――。


 【シャラップ】って、【マクロ】も打ち消せるんですか!?詠唱時間(キャストタイム)なんてないんですけど!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ