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卍荒罹崇卍のきゅーと&てくにかる配信ちゃんねる!  作者: hikoyuki
12章 peace 不安定な世界の狭間で

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第480話 りんご

 メグさんの【カード】杯への挑戦を支援するべく、強力な【ネームド】をいくつかお貸しする。今後の環境でも活躍できるかは不明だけど……。


「【フォールダウン】の練習は別日にするとして、これからどうしますか?もっと【『アイテール』】について検証してみましょうか」


「うーん、猫姫さんに会いに行くのはどうです?」


「あっ……」


 【『アイテール』】が実は優れた【黄金の才】であったことを自慢しに行くんですね。わかります。


----

>性格悪くて草


>マジかよメグさん最低だな、卍さんのチャンネル登録外します


>アイテール最強!アイテール最強!


>猫姫さんかわいそう


>かわいそうはかわいい

----


「ち、違うのです!【ダブル】本戦に向けて、料理アイテムを選定しようと……」


「はいはい、わかってますよー。【『アイテール』】のことで煽りに行くついでに、料理アイテムを選定するんですよねー?」


 ボクならまだしも、心優しいメグさんにそんな意図がないことは明白だが、あえていじり倒していく。ボクだって配信者ですから。仕方ないですよね。


 そもそも【『ディオニューソス』】だってかなり強い。いまさら【『アイテール』】の強さがわかったところで意味はないのだが、猫姫さんならきっとおいしい反応をしてくれるだろう。


 ボクは【フレンドリスト】から猫姫さんに連絡を取って場所を確認する。どうやら【ノーグッド】にいるみたいですね。


 さっそく«テレポート»を使って転移すると、そこは【輪廻の館】だった。


「猫姫さん、おはこんばんにちはー!遊びに来ましたよー」


 しかしそこに猫姫さんの姿はなかった。代わりにいたのはきゅーとなうり坊だった。きらきらと輝く青白い翼がついていて、ぱたぱたとはためかせている。


「卍さん、メグさん、ごきげんよう。ちょうど【転生】をしたところですわ」


「【転生】です?見たところ、【ネームド】みたいなのです」


 たしかにボクの知る限りではこんなモンスターは見たことがない。うり坊の部分だけで言えば似たようなモンスターを見たことがある気がするけれど……おそらくは青白い翼が【ネームド】の要素なのだろう。


「【氷結の天駆けるワイルドボア】ですの!水属性魔法を変容させる性質を持ちますのよ」


「水属性魔法を変容ですか!氷属性みたいになるんですね?」


 それは面白そうだ。耐性も含めてどういう処理になるのか非常に気になる。


 試しに翼に触れてみると、なんだかひんやりしている。夏になったら猫姫さんを抱きしめて眠りたいくらいだ。


「『天駆ける』の方は飛行ができるだけですか?」


「風属性のELMも加算されることに加え、【空神の加護】と同等の受動(パッシブ)スキルが追加されますの」


 なかなか悪くないですね。多重【ネームド】としてのシナジーはあまりないけれど、あって損はない。


 ……もしかしてこのゲーム、【ネームド】に【転生】して特殊能力で殴るだけのゲームに向かってません?


「そういえば、お二人はなんのご用ですの?ダンジョン攻略やクエスト攻略でしたらお付き合いしますわよ」


「あれ、猫姫さん聞いてないですか?最近【『アイテール』】付きの装備をゲットしたんですよ。それを自慢しようと思って——」


「りょ、料理を購入しに来たのです!」


「お料理ですの?基本的な料理でしたら【ダスター都市】で販売しておりますけど、オーダーメイドがご希望かしら?」


 ボクの発言は軽く流され、話題は料理へ。どうやら【『アイテール』】のことは聞きたくもないらしい。


 猫姫さんは【ストレージ】からりんごを引き抜いた。


「話は変わるのですけど、これが私の新作料理ですわ。お一ついかがですの?」


「え、料理……?」


 焼きりんごかと思ったのだが、見た感じではそういうわけではなさそうだ。見た目は普通のりんごと何ひとつ変わらない。強いて言えば……と考え込んでも、特筆できる要素がひとつも浮かばないくらいに、なんの変哲もないりんごだった。おいしそうではあるけれど……。


「効果は——え?……す、すごいのです!」


 メグさんがりんごを【ストレージ】にしまいこんで効果を確認すると、あまりの性能にびっくりしたのか軽くのけぞってみせた。それから感嘆符の感情表現(エモート)を連打してその衝撃を表現し始める。


「そんなにすごいんですか?どんな効果なんです?」


「このりんご——【パインサラダ】と同じ効果なのです」


「——え?」


 たしかにとてつもない性能だ。あり得ないと言っても過言ではない。なにせ【パインサラダ】はメインクエストを特殊な条件で攻略したプレイヤーにのみ報酬として提供される特殊な料理だ。同じ効果の料理はレジーナさんにしか作れない——そう思っていたのに。


「ち、ちなみに料理名はなんですか?」


 一体どんな加工をしたらそんな料理が作成できるというのか。ボクは恐る恐る尋ねると、メグさんはほんの一瞬だけ逡巡して——一言だけぽつりと漏らした。


「——【りんご】」


「【りんご】!?」


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