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作者: ムラカワアオイ

消えてしまえば

アイルトン、

元気かい。憧れて、泪して、

逝く。

祈るよ。

みんな、喧嘩ばかり売ってくる世界。

負けるもんか。

自転車をこぐ俺。

徹夜して、

タバコ吸って、

馬鹿すぎる俺だけど。赤い糸。

言葉を弾ませること。

権利を失わないこと。


拝啓 赤木軍馬様


あなたに導かれ、

例え、

俺が馬鹿でも、

馬鹿でも。

いいか。

レースだ、レースだ。

でも、

傷つけあうことじゃ、ないんだレースは。

俺はエンジンをかけて、

負けるもんかと、チャンプに挑んだ。

サーキットの表彰台。

裏には喫煙所。

走った。

走った。

走った。

日曜日、三宅さんの実況に泪した。

本気で、

本気で、

人を愛したことはある。

今も俺は彼女を想ってる。

とぼとぼ、歩き、

真ん中を知る。

本気で笑ったか。本気で愚痴ったか。

本気で調子はどうだ。

走ることは悪い事じゃない。

俺は絵を描く。

投げ出さない。

背負わない、苦しまない。


アイルトンセナ。

ナイジェルマンセル。

ミハエルシューマッハを世界一愛したのは。


ここは、カントリーロード。

独りぼっちと弱さを勘違いして、俺は生きてきたのかもしれない。

誰かさんのように器用には生きられない。

俺は、アイルトンでもナイジェルでも軍馬でもない。

ムラカワアオイ。

Hのエンブレム。


日曜日、俺は、北条天満宮へ、

自転車を漕ぐ。


健康自転車さんの優しい瞳。

俺は絵を描く、

俺は詩を刻む、

俺は光にシャッターを押す。


前略


赤木軍馬様。

俺は、祈ることさえも忘れていた。

伝言があるんだ。

レース、

レース。

レース。

レッド5、

レッド2、

Hの1。38。

嘘は、もういいから、ええかっこするな。

俺は、

心に刻む、この詩を。


本田宗一郎 様。

俺の答えを出すのは速すぎる。


Hのエンブレムにはカーナンバー1が、

よく似合う。


人を蹴落としてまでチャンピオンは獲りたくない。

俺はここで、

言葉という名の花火を刻む。




arigato

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