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水の家  作者: t72
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曾祖母の家

「疲れたー」

 オレたちは2時間半ほどのドライブを経て曾おばあさんの家についた。

 大きなお城みたいな石垣や壁、蔵がある。村の中の山奥の家だとしてもかなり大きなお屋敷だ。

 

「いっちゃん、いらっしゃい」

 迎えてくれたのは、この家のお嫁さん、正確にいうと曾おばあさんの息子の奥さんである。

 お嫁さんといっても50歳くらいだろうか。


「久しぶりー

「よろしくお願いします」

「お世話になります」

 おれたちは、それぞれにあいさつした。


 3000坪くらいの敷地の中に大きな建物が二つ、その他に蔵や小さな小屋のようなものがいくつかある。おれたちは西側にある屋敷の中に案内された。

 長い廊下を5分ほど歩いた。途中にははく製や、壁には日本刀や槍のようなアンティークが飾られている。

 

「この部屋を使ってね」

 おれたちは男女それぞれに10畳の部屋をあてがえられた。畳の部屋で大きな床の間がある。隣の部屋といえ、ふすまでつながっているのでいつでも出入りできる。他にもいくつか部屋がつながっていて、全部の部屋をつなげれば、100畳ほどになりそうだ。


「夕飯は18時くらいでいかな-」

 お嫁さんはそういうと部屋から出て行った。


「じゃあ、いくか」

 泉が荷物を置いて立ち上がった!


「ちょ、ちょっとー早くない! 少しはのんびりしよーよ」

 ヒカルが畳に猫らがってゴロゴロしながらはしゃいでいる。


「じゃあ、ここでのんびりするグループと俺と一緒に出掛けるグループに分かれよう」

 泉はいつも、こういうやつである。ひかると冴子さんは残ることになり、残りのメンバーは、歩いて近くの沢まで行くことになった。

 もともと、この辺りには神話時代のいろいろな伝承があって、ヤマタノオロチ等の伝説が残る地である。


「気持ちいいねー」

 ミカンが小川に足をつけて、はしゃいでいる。山田君はその横でうろうろしている。


「一休、例の洞窟はこの奥にあるのか」

 泉が食い気味にオレに尋ねてきた。


「ああ、ここから山側に30分ほど歩いたとこだと思う」

 もともと泉がこの田舎に興味を持ったのは、神隠しの伝説があったからだ。

「一応、村のおきてのようなもので、この先には行ってはいけないってことになってるがな

 泉はずぐ勝手な行動するからくぎを刺しておいた。


「ははは、わかってるよー」

 泉は案の定わかっていなかった。いくな、こいつは!オレはそれ以上追求しなかった。


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