紅色
ボクっ娘多いとか言う文句は受け付けないぞぉ?
家族愛とはなんだろう…両親は兄の事を愛していた、私は…私は家族の目にはほとんど映らないから…分からない…
痛い…痛いなぁ…なんで私ばっかりこうなるんだろうなぁ…兄さんみたいになれたら良いんだろうな…男の子なら良かったのかな…………
ダメだなぁ…やっぱり…そこは問題じゃないのかもな…僕は…出来が悪いから…
体中痣だらけだ…これは隠さないと…隠さないとだから夏でも長袖を着るの…
笑ってないと…変に勘づかれても困る…笑わないと…鏡の前で笑顔を作る、大丈夫…今日もちゃんと笑えてる
耐え難い…流石にもう…無理だなぁ…痛いし…苦しいし…心もすり減ってしまう…まだ学校なのに泣き出しそうだ…だめ…帰ってからじゃないと…それなのに…むりだ…とりあえずどこか…人目のつかない所に…
校舎裏の非常階段の所に来た、階段の一番下に座り込んむと涙が止まらなくなる…あぁ…もうキツいなぁ…死んでしまいたい…
誰かのすすり泣く声がした、私はその声の方向へ向かってみる
「っ…ぐすんっ…うぅっ…」
「ど…どうしたんだ?」
「っ?!」
その子は酷く驚いたようで目をまあるくしてワナワナしていた
「ごめんよ?驚かすつもりは無かったんだ…ただ…泣いてる声がしたから…」
「ご…ごめんなさい…ごめん…なさい…」
俯いたまま、何故か謝ってくる
「謝る必要は無いだろ…大丈夫…大丈夫だから」
「っ…ありがとう…ございます…あの…大丈夫なので…帰りまっ…」
「まった…話…聞きたい…」
彼女の腕を掴んだ
「いたっ!…」
「え?あっごめんな?!」
「あ…いや…大丈夫です…大丈夫…」
「怪我…してるのか?」
「……」
私は彼女の腕をそっとさする
「…この時期に長袖なの…おかしいって思ってた…何か…あるんだろ?」
「…あります………色々…」
ぽつぽつと彼女が喋りだす
「切り傷…とか…痣とか…刺傷とか…」
俯く彼女の顔を上に向かせる
「それはきっと…君の家族にされたんだろ?」
「っ……ぁ…」
「大丈夫…誰にも言わないから…だから…せめて…せめて私にだけは何か相談して欲しい…きっと君…このままだと壊れてしまう…」
「…………」
「まだ会ったばかりだけれど、何かあったら呼んで欲しい、私は2年の喜多川芽彩だ」
「…ぼ…くは…1年の…焔紅音…です」
「紅音か…よし!じゃあ今日は一緒に帰ろう帰りながらでも相談があれば聞くぞ!」
「…ありがとうございます」
なんで…話したんだろう…泣いてるのを見られた時は焦ったのに…話せてしまった…もしかしたら僕は…誰かに見つけて欲しかったのかも…しれない…
痛いのは変わらない、辛いのも変わらない…だけど…何だか少しは…苦しくない…かな…