戦闘狂の選択
その人は、入口で立ち止まったまま固まった。目が合って、一分か二分はそのままでいた。初めに動いたのは瞼だった。何度も何度も高速で瞬きをする。その次は眉間を揉んだり、目をこすったり、顔を叩いてから見るということを繰り返した。
人を幻の動物か何かと勘違いしているのかとおもうほど、徹底した確認をしていた。
だから、その時間観察できたのはありがたかった。
背が高い。父よりもずっと縦に長い。服のせいか、筋肉もりもりといった印象はない。呼吸音もうるさくないし、足音すらしない。褐色の肌に黒髪は確かに、軍人といった言葉がしっくりくる。貴族らしいというより、軍人らしいと評されるだろう。鼻筋は通り、彫の深い顔のつくりをしているが、垂れ目のせいか父より厳しい印象はない。なんだか、狼みたいだと感じる。
「本当に・・・」
それが彼の初めの声だった。父よりもやはり若い声でいて、しっかりと戦場でも聞き取れるだろうと想像できる明朗な声をしている。しかしそれは、無意識のひとりごとのようだった。そのつぶやきには何も説明なく、彼は自己紹介を始める。
「俺はオッグス侯爵家次男トダイだ。あんたの護衛兼婚約者の要請を受けた」
「はじめましてトダイさま。ラナンキュラス家のラーナと申します。護衛の件引き受けていただけるのでしょうか?」
難しそうに眉間にしわを寄せるトダイは、口をぱくぱくと動かして、首を振る。
言ってくれなきゃわからない。
「・・・お嬢さま、まずはお茶をお出ししてよろしいですか?」
カリンの助け舟に、立ったままする話ではないと気づき、ソファに座るよう促した。
「失礼する」
座る前にそう律義に断る彼が戦闘狂のイメージとはずれる。カリンは少しだけ彼の左腕に注視したけれど、彼女はいつも通りおいしい紅茶をいれてくれる。
カリンの淹れる紅茶はおいしく、緊張をほぐす。だから、どんどんなくなる。
父とお茶を飲むときと同じくらいの沈黙。何か話をしたいと思うが、父以外の初めての男性ということもあり、先ほどの質問以外することもなく、何も思いつかない。
トダイも何か言い出すことなく、おかわりをもらう度にカリンに礼を言い紅茶をすする。
でもなぜか、気まずいとは思わなかった。
ポットはもう、おかわりできないほどに減っている。
「カリン、おかわり作ってもらえる?」
「少しお時間ください」
カリンはポットをもって下の厨房へ行く。
紅茶がなくなってしまっては、もうトダイは帰るかもしれないと思ってとっさに頼んでしまった。
「さっきの質問だが」
空になったカップを置いて、トダイが口火を切った。
「護衛だけじゃない。護衛兼婚約者だ。ここにいて長いと聞くが、婚約者が何を意味するのか知っているのか?」
「結婚する相手のことですよね?」
当然だと思い応えるも、塔暮らしではわからない、暗黙の了解的意味合いがあったらどうしようと内心はらはらしてしまう。
「・・・・・わかっているのか」
答はあっていた。どうやら、杞憂だった。よかった。しかし、衝撃を受けたような顔をするトダイは何を言えばいいか必死な様子だ。
「俺が護衛兼婚約者に指名された経緯は聞いているのか?」
「はい。わたしを外に出すには護衛できるくらいの力のある方がよいと、戦場でも有名な方に縁組されたと聞きました」
それも合っているようで、トダイは信じられないといった顔でラーナを見つめる。
「あの、受けてもらえないのでしょうか?」
「その前に、あんたはいいのか、俺で」
「どういう意味ですか?」
「俺は、戦闘狂と噂されるような奴だ。次男だから十五から軍に入った。軍人は向いていたおかげで、一年の大半をどっかの戦場で過ごすような生活をしてきた。貴族らしさだって、・・・もう、ない。そんじょそこらのやつらに武力で負けることはないが、男としてあんたに釣り合うとは言えない。あんたはここから出ていないから、世の中にどんな男がいるか知らないからそんなに平然としてられるんだ。社交界にでている良家の令嬢なら、俺の名を聞かされた時に泣いて拒否するくらいだ」
そして彼は自分の左ほおを指し示す。
「こんな傷も、ここだけじゃない。結婚するなら傷も全部見ることになる」
「痛そうですけど、今も痛むのですか?」
「・・・・いま痛むのは、ない」
「でしたら良かったです」
「・・・・それに、見えているだろ?俺は左手首から先がない。こんな形でも、戦闘では負ける気はしないが、夫としては見劣りするものだろう!」
なんだか、さっさとわかれよと言外に言われているようだが、まったくわからない。
「わたしには、傷も、手首から先がないのも、痛くなければ良いとしかおもえません。まだお会いしたばかりで、それ以外、思い当たらないのですけれど」
脱力したように、トダイは長々と息を吐く。
「ったく、ふつーの女はこんなの拒否するもんだろうが・・・」
やはり自分が普通の感覚をもっていないことに地味にショックを受けるも、彼の傷や手首から先がないことを理由に彼を嫌がるというのが『普通』ならば、そんな『普通』はもっていなくていい。
トダイは、礼儀正しい人に思えるし、さっきからラーナのことばかり気遣っているように思える。
それは、彼が誠実で優しいからだと、ラーナには思える。
だから、彼を拒否する理由がひとつもでてきていない。
「わたしは確かにこの塔以外知りません。トダイさまが父以外の男性では、初めてお会いする方です。結婚相手には恋愛感情を持つ方になるのが普通だと話では聞くのですが、お会いする方がいなかったのでそもそも恋愛感情をもつことが可能かわかりません。それでトダイさまにご迷惑かけることは多いと思います。護衛の役も担っていただくことになりますし・・・もし、トダイさまがこのお話をお受けにならなくても、護衛なしでも外に出られるように父と話しますので、お気になさらないでください。父は護衛が必須と言うのですが、それはどうかと思っていますし」
「いや、間違いなく事件になるな。ここに来るまで疑っていたが、断言できる。あんたは街にひとりででたら誘拐されたり乱暴されたりするだろう。屋敷内でも自由にさせないのはさすがに伯爵の過保護だと思うが、ま、屋敷内にも男はいるからな。がっちがちに安全策とったんだろ。よほどあんたのこと大事なんだな」
大事にされている、と言われてほっとした。父と話した時もおもったが、どこか父のことを信じ切れていなかったのだろう。子供を鎖でつなぎ塔に軟禁しているなんて、やはりいきすぎの過保護で、どうしてそうするのか心底納得はできてなくて。大切なら、毎月一回程度の様子見ではすくないのではないかと疑っていて。
「こんな過保護にしていたあんたを俺の婚約者にするってのは、狂気の沙汰だ」
「そうですか?」
「だから、言ったろ。俺みたいのは、ふつー避けるんだ。いくら血筋は良くても、戦闘狂の血を自分とこと混ぜたい親なんて貴族社会にはいねぇよ」
「戦闘狂というのは、実際見てないのでわかりませんが、先ほどからトダイさまを拒否する理由はみつからないです」
沈黙さえ、気にならないくらいに。
前髪の隙間から灰色の瞳がラーナを射抜く。短い髪に反して前髪だけが目を覆うくらいに伸ばしているのはその鋭い眼光を隠すためかもしれない。
トダイが腰を浮かせる。
「俺が婚約者兼護衛を受けるとなると、あんたは屋敷も領内も歩けるようになる」
「はい、ありがたいです」
「外の世界で、俺以外の男に惚れたとしたら、その男は勝てるとは思えない戦闘狂と戦うことになる。俺もただじゃ婚約者を譲れないからな。理解しているか?あんたが惚れた男がいても、俺に勝たない限り一緒にはなれない。あんたはそれを承知で俺に婚約者兼護衛を願うか?」
トダイは噛んで含めるように、窮状を訴えるような切ない目をしてそう問うた。
トダイと婚約をしなければ、トダイの護衛は得られない。トダイの護衛がなければ、外にはいけない。
外に行って、誰かに恋するなど、想定していない。
誰かをもし、好きになってもトダイに不誠実な対応はできない。婚約者兼護衛をお願いしているのに、好きな人ができたからと一方的に破棄するのはおかしいとわかる。トダイが勝負を望むことは道理にかなっている。
まったく無理難題ではなく、当然のことしか言われていない。
「はい。きちんとわかっています。トダイさまに婚約者兼護衛をお願いしているのに、トダイさま以外を好きになるなんてそもそも不誠実ですし」
「・・・・・・・そうか、わかっているならいい」
すっとトダイが剣を抜く。ラーナの目の前まで歩み寄るとおもむろに剣を前に掲げる。
「なにをなさっているのですかっ!」
甲高いカリンの悲鳴と同時に、トダイの剣が振り下ろされる。
ガチャンと、ひどく大きな音が響く。
その瞬間を待ち望んでいた。もう、ずっと。ずっと、ずっと。
「鎖を切っただけだ。騒ぐ必要ない」
足首をつないでいた鎖が切れている。
「・・・これ、金属なのですが」
「切りたいから切ったまでだ。伯爵には婚約兼護衛を引き受けるなら切っていいと了承は得ている」
剣を鞘に納めたトダイは手を差し出す。
目の前に差し出された手を見て、何を求められているのかわからず、トダイの目を見上げる。
「ん」
トダイは手をアピールするようにラーナの顔に手を近づける。
確か絵本に似た絵があった。
恐る恐るトダイの手にラーナのそれを乗せてみる。
トダイがラーナを引っ張り立ち上がらせる。どうやら正解のようで、ほっとする。
「紅茶、悪いがあとでもらう」
「えっあ、はい!え、どちらへ⁈」
急に話しかけられたカリンは驚きつつも、トダイに道を譲る。トダイは出入口へとずんずん進む。
「婚約者兼護衛を引き受けたから、もうここに閉じこもってる必要ないだろ。あんたも、さっさと出てみたいだろ?」
外へ。
胸を打つような高揚感におもわず頬が緩む。念願の、星見の塔の外にでられることに心臓が高鳴りうまく返事ができなかった。
トダイはラーナの顔を見ただけで、だろうなと笑った。
歯を見せて笑ったトダイは軍人には見えなかった。
星見の塔の出口、警護兵、屋敷内、すべてがはじめてでラーナはゆっくり見て回りたいが、手を引くトダイの足はとても早く、ほとんど駆け足で必死についていく。足がつりそうになりながらたどりついたのは領主室、父のいる部屋だ。
「婚約者兼護衛、引き受けます。ラナンキュラス伯爵、改めてよろしく願います」
領主室に入り、トダイはいきなり切り出す。父は、ややひきつるような笑みで頷く。
「ああ、すんなり話が通ったようで良かった。ラーナもこれで、屋敷で暮らせる。だが、ラーナ、すぐに屋敷外に出るのはまだ待ちなさい。いいね?」
「・・・・はい」
わかっていたことだが、やはり街は難易度が高い。
しばらくは屋敷探検に力を注ごう。まだ、ということは、できないわけではない。大丈夫。
「それから、トダイ君、除籍手続きはもう進んでいるのかな?」
「ええ、俺にこの話が来た時にはすでに親から軍へ申し入れがありましたから」
トダイはどうやら不意打ちで除隊をさせられたらしい。不本意そうなのが言葉の端々から感じられる。
「そうか、なら問題ないな。では正式な手続きは私が行うから、二人とも夕食まで自室で寛ぐといい」
「トダイさまもこちらにお住まいになるのですか?」
「婚約者兼護衛だから、当然だ」
父に聞いたつもりだったけれど、トダイが素早く答えた。
「まさか、日中だけ護衛するとでも?いいか、何よりあんたが気を付けなければならないのは夜だ。気を付ける対象は、男だ。四六時中盛っている野郎もいるが、夜這いなんて言葉もあるくらいだ。大体ことは夜だろ。夜こそ警護しねぇと意味がない。婚約者兼護衛を引き受けるからには手を抜かねぇよ」
「と、トダイ君、娘はそういった知識は縁遠いのでオブラートに包んでくれないか。あまりに直接的なことを覚えてもどうかと思う」
「・・・・・善処します」
善処ができる自信がなさそうだ。
「ジュード、二人に部屋の案内を」
「かしこまりました。若さま、お嬢さま、こちらへどうぞ」
名前は聞き知っている。ジュードはカリンの叔父で執事。ジュードが案内に歩き出す。父は執務室で仕事を続けるようで部屋に残った。
屋敷はラーナの実家とはいえ、見知らない家だから緊張しながら周りを見て歩く。ジュードの先導のおかげで、周りをみる余裕があった。トダイの手にひかれていなければ、絵画を見つけるたびに立ち止まってしまい迷いそうで一度では道順が覚えられない不安はあるが、これから何度も歩けると思うと嬉しさしかない。
濃い藍色の絨毯の廊下を進み、他よりも少し豪華な飾り付けのある扉をジュードが開き、中に入るよう手で促す。トダイは躊躇せず部屋にはいる。
「ああ、これは便利な造りだな」
「便利?」
「続き部屋だ。護衛しやすい。あんたは奥で、俺が前の部屋」
「え、おなじ部屋なのですか?」
「さようでございます。四六時中、お嬢さまを守っていただくためには、そばで休まれるのが一番効率的ですし、続き部屋でも婚約者であることと旦那さまが許可されたことで、問題はありません」
大胆な過保護のやり方として後世に残ってしまいそうな手法だ。
「毛布があれば床でも問題ないが、ベッドがあるほうが俺もありがたい」
「ラナンキュラス家の大事な婿どのに毛布だけで休ませるわけにはまいりません。護衛の務めはあれど、護衛のためにも休んでいただかなければ。お嬢さまの部屋付きには続けてカリンに命じますが、よろしいですか?」
「もちろんカリンがいいわ」
ジュードは微笑し頭を下げた。
「では、カリンに任せますので、若さまもご入用のものはカリンに申し付けてください。」
「ああ」
ジュードは折り目正しい礼をして退室した。
初めてみる造りの部屋に、新しい自室を見回して気づく。ラーナはトダイの手を繋いだままのことも忘れ、窓に駆け寄る。
窓から庭園が見える。ラナンキュラス家の庭園の向こう側は茶色の道を挟んで海が広がっている。
絵本の世界でしか見たことのなかった、青い海が広がっている。
白砂、穏やかな波、太陽に照らされて海が宝石のようにきらきらと輝いている。
「はじめは海に行くか?」
「・・・・海は、屋敷内ではないです」
隣で同じようにして窓を眺めるトダイは、繋いだ手を目の前に持ち上げて見せる。
「こうやって俺が護衛するんだから、問題ないだろ。屋敷内である程度無事な姿を伯爵にみせて安心させれば許可もでるだろ。こんなに近いんだ。屋敷内の次は庭で、その次は海だな」
屋敷内の次は庭で、その次は海。
事も無げに軽やかに紡がれたその言葉を、声を出さずに繰り返す。
トダイがいれば、なんでもできてしまいそうな安心感が既にある。
鎖を断ち切ってくれた。
星見の塔から連れ出してくれた。
どちらも、ずっと、ずっと、ずっと、どうしようもないとおもっていたこと。
トダイは簡単にやってのけた。
「トダイさま」
下ろしてもなお、繋がれたままの手をみて、思わずトダイの名を呼んでしまう。
「そのさま付け、居心地悪いからやめてくれ。トダイでいい。俺もあんたをあんた呼びしないよう気を付ける。さっきはつい伯爵の前ででちまったし、使い分けるほど器用じゃねぇから」
「トダイ?」
「ああ、それでいい」
満足げにトダイは笑みを見せる。
「それと、伯爵にはああいわれたが、一応言っとく。正式に結婚するまで、手つなぎと抱えるくらいしかしねぇから。キスも、おそ・・よば・・・なんていやいいんだ?とにかく、キス以上のことは正式に結婚するまでしねぇから」
「抱えるって、トダイさ・・トダイは」
「右で剣を使うから、左であんたを、いや、ラーナを抱える。肘先はあるから問題ねぇが・・・そうだな、抱えるときはラーナも俺の首にしっかり手を回せよ」
「想像できないですが・・・」
トダイは頷くと、手を離す。次の瞬間、ラーナの視界が揺れて、トダイの顔が近くにくる。
足と背をトダイの腕が支えている格好で、首に手を回す意味がわかる。トダイの首に抱き着くかたちで手を回す。
「これであっていますか?」
「あっているが、首に息かけんな。くすぐったいだろ」
「息を吐かないと呼吸できないです」
「顔の向き変えればいいことだろうが!それに、緊急時でもねぇのに、そこまで密着すんな!キス以上はしねぇっていってんだろうが!」
「すみません、意味がよくわからないです」
「あんたなぁ!男は女と違ってキス以上を我慢するのが大変なんだよっあんた自分の見た目のせいで過保護に軟禁されてた自覚あんのかっ?あんたみたいな美人にこんなに身体くっつけられて首に口つけられた俺がどれだけ理性総動員して我慢していると思ってんだよっ!」
「ごめんなさい・・・?」
抱えて見せたのはトダイの方なのに、なんだか怒られる事態に発展してしまい、とりあえず謝っておく。トダイの話は正直よくわからないが、首に口を付けない方がいいらしいから、今度抱えられるときがあれば、気を付ければいいだろう。
「あ、いまあんたって仰ってました。ラーナと呼ばれる方がわたしも好きです」
あんたではなく、ラーナとトダイに呼ばれたとき、不思議と嬉しかった。
「あんたはっまたそうっ!俺の理性に喧嘩売ってんのかっ?」
「喧嘩は得意じゃないと思います」
「・・・・・・・あんたは、少し男女の仲がどういうもんか勉強しろ。小説でもいい、同じような伯爵令嬢でも交流すればいい。いままではできなかっただろうが、これからはできるだろ」
「そうですね、トダイのおかげです」
「ま、あんたを社交界デビューさせるのは、結婚してからだろうがな」
「トダイ」
「ラーナ、を、だ」
トダイがラーナをまっすぐみつめて言い直す。
トダイの「ラーナ」と呼ぶ声は不思議と何度も聞きたくなる。トダイにラーナと呼ばれるだけで、頬が緩んでつい笑んでしまう。あまり笑うことはなかったのに、トダイといるこの短時間で何度も笑んでいる。
「トダイ、わたしいま気づきました」
「なにをだ?」
「トダイは、ほかのひとをわたしが好きになる場合のことを話してましたけど、わたしがトダイを好きなら、なにも問題ないですよね?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「わたしトダイに名前呼ばれるの、嬉しいです」
「それは刷り込みだ。親鳥をひな鳥が慕う仕組みとおなじだ。ラーナはまだ俺を知らないからそんなバカが言えるんだ」
「そうですね、トダイの話が聞きたいです。ソファで、お茶の続きにしませんか?」
トダイは気まずいような顔をする。しかし、すぐに頷く。
「そういえば紅茶をおかわりをもらうところだったな。カリンに悪いことをした」
やっぱりトダイは優しい人にラーナには見える。
トダイが戦闘狂だと、周りから避けられると卑下する理由がわからない。
トダイのことを知りたい、と思った。