幕間:魔王城出立前
魔王城 王座の間より
魔都 魔王城
魔王は書斎を出た後、王座の間で各地から送られてくる転移してきた異世界人達の情報を集めていた。この2時間で43人も転移し、奇襲をかけようとしてきたのが明らかになった。
その事に驚く事は無く、別の事で思考を巡らせていた。
「(『女神』、か)」
『女神』と名乗る存在。その目的はハッキリとしないが、確実に言えるのは魔族にとって敵であるという事だ。人族のみに味方し、それ以外を邪悪と考える短絡的な思考の持ち主なのか、はたまた別に考えがあるのか、確定できない推測が飛び交う。
「(……女神とやらに関しては後で考察するとしよう。今は目の前の問題だ)」
捕えた異世界人から得た情報だとまだ4人残っている。こちらで転移を掌握しているため攻め込めないが、放っておけば害になるのは明確だろう。
「(十二魔将の皆はよくやってくれた。後は我の仕事だ)」
玉座から立ち上がり王座の間を後にしようと歩き始める。
「お出かけですか、魔王様」
傍に立っていた魔王の『秘書』が声を掛けた。
「少し出る。後の事は任せたぞ」
「仰せのままに、魔王様」
王座の間の扉を開け放ち、転移門の大部屋へ向かう。大部屋には魔王城の執事と侍女達が周辺機器を繋げ直したり操作していたりしていた。
執事と侍女達は魔王が入室したのに気付き一斉に姿勢を正そうとしたが、魔王は手をかざして制する。
「構わん。作業を続けよ」
全員作業に戻り、執事長で中年男性エルフの『ベロニカ・グリトニル・マーガレット』が魔王の前に跪いた。
「現在転移門の準備が8割程完了しております。あと数分で目的地と接続できます」
「ご苦労、準備出来次第すぐに立つ。巻き込まれないよう離れていろ」
「仰せの通りに」
ベロニカは下がって転移門の最終調整の作業に戻った。魔王は転移門の前に立ち開くのを待つ。
「『身体強化』、『防御強化』、『武攻上昇』、『武防上昇』、『魔攻上昇』、『魔防上昇』、『回避ノ加護』、『無敵ノ加護』、『状態異常無効』、『見切りノ極』、『斬撃強化』、『高速詠唱』、『外法解放』、『自動鑑定』、『魔導開門』、『絶対解析』、『覇者ノ威圧』、『並列思考』、『幻影分身』、『超加速』……」
自身にスキルを重ね掛けし臨戦態勢を整える。
「魔王様、転移の準備完了しました」
ベロニカが忠誠の姿勢で魔王に伝える。
「では、行ってくる」
「「「「「「「行ってらっしゃいませ、魔王様」」」」」」」
執事と侍女達が一斉にお辞儀をして魔王を送り出す。
魔王は転移し、今回の騒動の決着を付けに向かった。
お読みいただきありがとうございました。
次回から本格的に魔王戦です!
お楽しみに。
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