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進化先=おっさん

訓練と狩りを終えて、街に帰ってきました。


一応、治療の目処がついたというあたりを侯爵様に報告しておくべき、とのことなので、侯爵家へと向かう事に。


貴族街にしても、侯爵さん家にしても、ほんとに仮面に魔力を通して見せると顔パスでした。いや顔見えないけどさ。


リンゴン侯爵家にやってくると、メイドさんがやってきて俺が寝ていた客室へと案内された。


「お久しぶりです。こんな顔で失礼します、サトルです。最近顔に怪我をしてしまいまして……」


そこにはどっかで見た事あるメイドさん。……多分アリアさんだと思うんだけど……。


なんで耳生えてるんですかね? 前にお城でみた時はそんなもん影も形も無かったと思うんだけど。


人間の耳じゃなくて狐っぽい三角耳がホワイトブリムの前にニョキっと……。


「お久しぶりです、サトル様。城で働いていた時は幻覚系の魔法で隠していました」


視線に気づいたらしいアリアさんが答えてくれる。なるほど。


「しかし、冒険者になるにしても、戊級から上に上がれるとは思っていませんでした」


「あぁー……。そこはめぐり合わせが良くて、かなり良くしてもらえたので、レベルにまかせて押せ押せでやってます」


「スキルが無くともレベルでなんとかなるのものなのですね。あと、一応私も丙級冒険者として登録はしていますので、明日からでも同行できますよ」


マジっすか……。ていうか、お城でメイド業と諜報業やりながら冒険者業もやってたって、すごいですね……。


「えっと、紹介しますね?」


俺がヘレン、リリィを紹介し、ミーナさんとフローラさんは自分で自己紹介。どうやら面識は無いらしい。


「それにしても、見事に女性ばかりのパーティですね?」


「何故か、そうなってますねぇ」


そう、何故か。まぁヘレンは俺が誘ったんだけどさ。なんでか知らないけど、ミーナさんとフローラさんは妙に俺に世話焼いてくれるんだよね。


ミーナさんは、俺が転移者だって知ってるからかもしれないけど、フローラさんについては謎。


まぁ、『面白そうだから』っていう理由が一番ウェイトでかそうだけど。


「これなら夜伽は必要ありませんか?」


「最近なんか性欲わかないんですよねぇ……」


「そりゃお主、知らん間に『吸われ』とるんじゃろ、エナジードレインを食らうとまず性欲から失せるらしいからの」


マジかよ、いつの間に吸われてたんだよ。いや、最近レベルあがった後でも処理しようって気すらおきないなぁとは思ってたんだよ。


思わずヘレンの方を向くと、


「娼館とか行ってほしくなかったから……」


少し頬を赤くしてぷいっと横を向く。


oh……。あれ、俺いつフラグおっ立てた? いつから!?


まさか最初のお菓子で!? もしそうだったらおじさん心配です……。


でもマジでなんでだ? ガチで思い当たるフシが無いんだが?


「仲がよろしいですね?」


「ははは……。っていうかするなら先に言って……。勃たなくなったとおもってマジでどうしようかと思ったんだから……」


「ごめんなさい」


「サトル様! どうなさいました!? やはり傷の具合が……」


バーンとノックも無しに蹴破ったんじゃないかという勢いで扉が開き、イザベルさんが突入してきた。


昨日の今日で帰ってきたから、心配してくれたのかな?


「実は、知り合いの昔エルフが傷を治せるというので、お願いしたんです」


ゆっくりと仮面を外す。アンデットと見紛うほどのひどい状態から、一応傷痕のある人間レベルまで治った顔が確認出来るハズ。


「声が……、それにお顔も……」


「ですが、せっかく他国に使者を出していただいたというのに、勝手に治してしまうのも問題かと思い、報告に来た次第です」


「大丈夫ですわっ! お父様が直接交渉するために通話の魔道具を使者にもたせていますので、それを使えばすぐに撤収させられますので。


でもどうしましょう。何か別のお礼を考えないと。あ、アリアはサトル様のメイドとして雇用契約が済んでいますので、すぐにお連れくださって問題ありません!」


「この面と、カツラで十分なのですが……」


コレを使うと相当魔法の威力あがるし。試運転してみたらとんでもない火力が出て焦ったよ……。


「お父様と相談してみます、食事の用意もさせていますので今日もよろしければ泊まっていってくださいませ」


そういって、イザベルさんはまたすごい勢いで去っていってしまった。


なんていうか、残念なお嬢様だなぁ。


口調というか雰囲気はお嬢様なんだけどなぁ……。こう、来るときとか去ってく時とか、アニメなら地響きみたいな効果音かもしくは、レーシングカーみたいな効果音つけられる感じですよ?


背後に砂煙を背負う感じで。


それによくあの動きにくそうなドレスでダッシュするよなぁ……。あと涼しい顔でついていくお付きのメイドさんもすごい。


「ホの字じゃの」


「あ、やっぱりそう思う?」


「命を賭して庇ってもらうなんてそうそう無いですし、ある種憧れのシチュエーションですからね」


「冴えないオジサン捕まえて何を言うやら。俺イケメンでもダンディでも無いよ?」


俺を一言で表すなら『くたびれた』コレ。コレに尽きる。


あー、でも最近日々楽しいし、くたびれ加減はマシになってるかもしれないなぁ。


「サトルさん、まだオジサンなんていう年じゃないよね?」


「小さい子から見ればヒゲがあればオジサンなのだよ?」


「それを言うならワシなんぞババ臭い童女わらわめじゃろうが。……昔は巨乳だったんじゃがのー」


「またまたご冗談を」


「本当じゃ、邪魔じゃし、男どもが鬱陶しいからくれてやった。魔女に頼んで秘術での、ほれ、その乳じゃ」


そういってフローラさんがビシっと指差すのはミーナさんの胸。


「あはは……、おかげでフローラさんに頭が上がらないんですよ。というかフローラさんがババ臭いって言ってしまうと私が困るんですが……」


えぇー……。ってことは昔はミーナさんつるっつるだったの?


ミーナさんって結構いいおっぱいしてらっしゃいますし、コレがフローラさんの体格にくっついてたなら確かに巨乳だなぁ。


ミーナさんだと普通にバランスとれたサイズに見えるけど。


しかしフローラさんがババ臭いって言うと困るって、ミーナさんって一体いくつなんだろう。年齢ネタは危険だからなぁ……


「利害が一致したからの。ワシは邪魔だとおもっとったし、ミーナはほしいと思っとったし、魔女は秘術を試したいと思っとった」


「邪魔かなー?」


こらリリィさん、自分の胸をぐにぐにするのはやめなさい。薄っぺらいワンピースでソレやるとエロいから。


あなた身体は完全に大人で、わがままボディなんだからさ。


そういえば、新しい服を買ってもらったハズのリリィさんは相変わらずうすっぺらいワンピース一丁です。下着はつけてるぽいけど。


しかも足元は裸足。なんでも靴も靴下もどうしても履きたくないとか。植物だからか、文字通り地に足がついてないと落ち着かないらしい。


ヘレンも胸を触ってるんじゃない。アリアさんが呆れてるじゃん!


「あとミーナの歳は確か三桁じゃぞ、エルフじゃし。弓と魔法より、槍と剣が好きな脳筋エルフじゃがの」


「あれ? でも耳……」


「煩わしい勧誘とかあるので、切っちゃったんですよ。地元に帰れば治せる人も居ますし、こだわりも無いので。


幻術だと見破られると面倒なので、物理的に短くしたんです」


そういって苦笑しながら、髪をかきあげて耳を見せてくれる。たしかに、若干違和感ある形だなぁ……。


「楽しいパーティですね?」


「退屈しなくていいです」


「誰が本命ですか?」


「フローラさんかなぁ」


さらっと言ってみると、フローラさんがニヤリと笑う。コレは乗ってくれるな


「ほう、やはりサトルは童女趣味か、ならワシと一晩行ってみるか? ワシは高いぞ?」


左手の人差し指と親指で輪を作って右手の人差し指突っ込むのやめましょうよ……。


「おおこわ。ケツの毛まで毟られそうだ」


思うんだけど、フローラさんって、時々発生する女性のレアな進化先のオッサンだよなぁ。


会話のノリが完全にオッサンだよ。


たまにいるんだよね……。赤子→幼女→少女→女性ときてそこからなぜかオッサンにクラスチェンジする人……。


「はっはっは、翌朝には素寒貧かもしれんのー?」


「サトルさんって童女趣味だったんですか……。胸を他の人に渡さないとだめでしょうか?」


ミーナさんが話題に乗っかる。ノリいいなぁ。


「ミーナ、リリィの首切って。おとーさんの好みに身体作り直すから」


「やめなさい、リリィはそのままでいいから」


再生するとき身体はある程度自由に生成できるのか……。便利だなマンドレイク。再生するとはいえ、首を切るのは怖いのでやめていただきたい。


この子はちゃんとそこんとこ言っとかないと、ほんとに首だけになって帰ってきそうだから怖い。


「楽しいパーティですね?」


ええ、楽しいです。

今回も最後までお読みいただいてありがとうございます。


もしよければ評価、感想等いただけると嬉しいです。

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