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急速成長~♪

街に帰ってきて、ひとまず宿の店主に話しをつけて、植木鉢は庭に置かせてもらう事になった。


中庭なので誰も盗む事は無いだろうとのこと。洗濯物を干している所が日当たりがいいはずなので、その近くに植木鉢を設置し、


魔法を使って水を出し、マンドレイクの頭に直接水をかけないように、ゆっくりと土に染み込ませていく。


「ほんとに生えてくるのかなぁ……」


しっかりと水を与えた所で、相変わらず目を閉じたまま沈黙しているマンドレイクをじっと見る。


……、ラノベだとこういうの、魔力を与えたりっていうの結構あったよなぁ……。


ふとそう思い、その頭に軽く手を乗せて、ゆっくりと魔力を送り込んでみる。


「おお?」


そうするとゆっくりと魔力を吸われる感覚があるため、どうやら正解らしい。


「大きくなれよー」


今日はもうやることも無いため、そのままどんどん送り込むと……


やっぱり俺が魔力を使うといろんなもんが減っていくんだよなぁ……。


どうせ今日はあとメシ食って寝るだけ、と、更に供給を続ける。


一度寝る前の訓練中に実験してみたが、MPは0になっても気絶する事は無いようなので遠慮なく注ぎ込む。と……。


「んん!?」


上限値が減った……。そう言えば腹が減ると上限が減るってジャンさんが言ってたっけ? 無理くりつかっても減るのか……。


スタミナが減ってきたからか、キツくなってきた気がする。


スタミナ0状態の体感は、全力疾走したあとにもう動きたくねぇ、っていう状態に近い。


━━━━━STATUS━━━━━━


名前 イチノセ サトル


LV:48


HP:95%/100%

MP:0%/50%

SP:0%/72%

LP:30%/84%


━━━━━━━━━━━


LPは0になる前に上限値が減るのか……。って、ちょ!? HPまで減り始めた!?


慌ててマンドレイクから手を離す。


魔力操作とステータスに集中していたせいか、そこまで感じなかったが、それをやめた瞬間一気に疲労が押し寄せてきて、立ちくらみを起こしたようにふらつく。


転ばないようにすぐにしゃがみこみ、大きく深呼吸して息を整えれば、SPが徐々に回復してきて体が楽になってくる。


SPは減った上限値までしか回復せず、体がだるい、重い、どうにも徹夜明けのようなしんどい感じになっている。


「ちょっと早いけどメシ食って寝よ……。あ、クリーン分のMP残ってねぇ……」


ため息をつき、俺は宿に併設された酒場に向かってトボトボとあるき始めた。


その時、マンドレイクが目を開き、こちらをじっと見ている事に俺が気づく事はなかった。


翌朝ステータスを確認すると元に戻ってました。メシ食ってしっかり寝たら上限値はちゃんと元に戻るらしい。


━━━━━━━━━━━


異世界生活8日目。


「は?」


マンドレイクの様子を見にヘレンと一緒に宿の庭に出た俺は目を剥いた。


いやまって、昨日フッカフカの腐葉土だったじゃん……。


なんで栄養吸い尽くしたかのようなパッサパサの灰みたいな土になってるんですかね。


実際もう栄養吸いつくされてるんだろうなぁ……。


「これ植え替えしないとダメな奴か……」


「そうみたい……?」


ここで引っこ抜くわけにもいかないしなぁ。叫ばれたら大惨事だし。


起きてくんないかね?


コンコンと、樽をハンマーで叩いてみると……。


……起きたわ。ぱっちりと目を開いてこっちをしっかり見てる。やっぱり虹彩も緑なんですね。


「植え替え、っていうか土をかえたいんだけど、引っこ抜いてもいい? 叫ばない?」


問いかけると、頷くように身動ぎするので、土に手をつっこんで、首を下から持ち上げるように……。


ズボっと。


「きゃー!」


悲鳴じゃなくて黄色い声をあげたのはヘレン。首から下にちっこい胴体が既に生えてました。


胴体の大きさは頭に比べて小さいけど。何ていうか、スーパーデフォルメ?


二頭身とか三頭身ぐらいのえらい可愛い感じになってる。頭でっかちでバランスものっそい悪そうだなぁ……。


で、ヘレンがそれがすごく気に入ったらしく、きゃーきゃーいってる。


「ヘレンさんや、その子をちょっと持っててくれるかな? 樽の土とっかえちゃうから」


身体強化を発動して、樽を持ち上げ、逆さまにしてザラザラと中身の土を放り出して、デカイ袋から腐葉土をドサドサと放り込んで……。


あとはマンドレイクの身体がすっぽり入るぐらいの穴を真ん中にあけて、ヘレンからマンドレイクをうけとり、その穴にそっと置く。


するとマンドレイクがしばしもぞもぞと動き……。


いい感じに座りが良くなったのだろうか。動きを止めると、こっちをじっと見てなにか物言いたげな様子。


まぁ植え替え直後といったら水だろう。


「水かけるぞー」


頷くので、魔法で昨日と同じように頭に直接水をかけないように、土を湿らせていく。


「土を取りに行かなきゃだなぁ……。多分明日も植え替えしなきゃだろうし」


まさかこんな、とんでもない勢いで土が死ぬとは思わなかった。


ていうか、樽に入らなくなるのも時間の問題だぞこれ……。うーん、入らなくなったらどこに植えよう……


ミーナさんに泣きついてみるか……。


━━━━━━━━━━━


異世界生活9日目


え? ヘレンと二人で森にでかけてキャッキャウフフ?


いやいや、別にそんなもんは無かった。


どっちか言えば土の採取が終わったら、先日に引き続き音と血の臭いでの釣り狩りですよ。


ヘレンの絶叫も炸裂してました。レベルが上がったせいか先日よりかなり強烈な感じで。


そのうち耳栓つけてても鼓膜吹っ飛ぶようになるんじゃないかこれ。


クロスボウを追加しないとちょっとキツいなぁ。10本はほしい。……空間収納に入るかなぁ……。


ともあれ、先日とは場所を変えて森の外縁付近でビシバシと。稼ぎはちょっと少なめ金貨40枚なり。


ギルドにまた大量に持ち込んだらギルマスが苦笑してました。


いいじゃないですか、森が安全に近づくんだから。無限湧きしててあんまり変わらない気がしないでもないけど。


ちなみにマンドレイクさんは、樽に入り切らなくなったら、ミーナさんちのお庭に植えても良いって許可いただきました。


どうせお金ができたら土地も家も売り払うから、土が痩せてもしらん、ってさ。


いや、もうちょっと柔らかい言い方してらっしゃいましたけどね。ニュアンス的にはそんな感じ。


「大きくなれよー」


なんて言いながら、昨日の夕方には、ポーションつかってHPが減ってもギリギリまで魔力を与えてみました。


マンドレイクは丁度起きてて、


「がんばる……」


なんてお返事いただきました。可愛い。


でまぁ……一夜あけて今日なんだが……。


やっぱり土はパッサパサのカサカサ。絶対養分吸いきってるよこれ……。


土を替えるって言ったら、今日は自分で出てきてくれました。


ヘレンは今日も一緒に、なんだかワクワクした様子でそれを見てたんだけど。


……うん。成長クッソ早くない? ジャンさん1~2ヶ月はかかるっていってたよね、確か……。


なーんか、昨日はスーパーデフォルメな人形みたいな胴体がついてたけど、今日はすでに6歳前後に見える胴体がついてるんだが?


これ明日にゃ樽に入らんようになるぞ……。


あれだよなぁ、絶対俺が魔力与えたせいだよなぁ。


まぁ、魔力どころか、SPLP、HPまで与えてるもんなぁ……。


「今日は採取だけしに行こうか。お金に余裕あるし。帰ってきたらこの子の服を買ってこにゃならん。ヘレンにお願いしてもいい?」


「はーい。ひとまずミーナさんのお家に移動するまでに着る物だから、あんまりサイズを気にしなくていいローブがあればいいかな?」


えぇ……。いやまぁそうだけど。裸ローブとかまた、難易度高いなぁ……。


いや、デフォルトは素っ裸だから裸ローブでもいいのかね?


そういや、野生のマンドレイクがどんな格好かしらないなぁ。


すっぽんぽんなのか、RPGでよく見るみたいに葉っぱでいい感じに隠れるようになるのか……。ジャンさんに聞いときゃよかった。


「そう言えばヘレンの新しい服は……?」


確か新しい服買ってるハズだけど、いつもの喪服もどきだよなぁ……。ヘレンの服。


「着てみる?」


そういって宿の中へ。


ヘレンがしばらくして戻ってきて、その姿を見た瞬間。


「ぶほっ」


吹きました。


「よし……!」


良し、じゃないが。


これ絶対選んだのフローラさんでしょ……。青い膝丈の短めスカートはまぁ良いとしよう。


胸に大山脈!って書いてある文字T! お前だよ!


……ちなみにヘレンの胸は普通くらいで、小山ぐらいはあるとしても大山脈では無いと思います。


フローラさんから見れば十分大山脈かもしんないけどさ……。


「まぁ、仕事向きの服じゃ無いよなぁ……」


「大丈夫、こうすれば……」


そういうと、ヘレンの服の上に黒いモヤのようなものが漂いはじめ、それが徐々に像を結び、いつもの服に変わっていく。


「新しい服の意味……」


「そもそも精霊化を使うと脱げちゃうから仕事中に普通の服を着るのもどうかなーって……」


そう言いながら、ヘレンが精霊化を使ったらしく、すっと透明になったかと思えば、服がバサリと足元に落ちる。


それをヘレンは畳んで抱える。どうやら着たまま仕事に行く気はないらしい。


「まぁいいか、ヘレンが良ければ採取行こうか」


「はーい」


━━━━━━━━━━━

<<学生さんの会話の一幕>>

「そういや、HPの仕様ってどーなってんだ? 漠然と0になったら死ぬんだろうなーぐらいに考えてたんだが」


「あぁ、それな。結論から言えばHP0になっても死なない」


「マジで?」


「HP0で気絶。HP上限が0になってゲージ全損すると死亡だそうだ」


「そういうシステムになってんのか……」


「っていってもこれ、『HPが0になったら死ぬ』じゃなくて、『死ぬほどの怪我を負って死亡が確定するとHPが0になる』って感じなのよなぁ……。


だから、HP現在値だけが減るって状況は割と少ない。上限値も一緒に減っていく場合が多いそうだ」


「あー、ようは体のコンディションを可視化してるだけと?」


「多分だけどな」


「ということは徹夜明けとかだとSP上限とか減る感じか」


「そうなる。MPやSPのゲージ全損は気絶して、目が覚めるか衰弱死かのパターンがあるらしい。


無理な魔法行使でMPゲージ全損なんていうのが結構あるらしいな」


「そこらへんは気をつけないとなぁ……」


「LPについてはわからん」


「あぁ、そうなの?」


「確定はしてないが、死ぬんじゃないかって説が有力だな。ほれ、男の子の憧れサキュバスたんに搾り殺されるのはLP全損らしいって説が有力だから」


「あぁ……なるほどね」

今回も最後までお読みいただいてありがとうございます。


もしよければ評価、感想等いただけると嬉しいです。

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