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狩りの結果!

「これで最後かの? ……最後の叫びでさらに敵が増えなければ、じゃが。相当魔力がこもっとったみたいだし、弱いのは逃げるかの」


「とりあえず周囲に気配は無いですね。しかし、この戦利品の量だと、一度ギルドに戻って荷馬車を手配したほうが良さそうですね。


耳の良い獣系が中心なので、捨てるには惜しい素材も多いです。狼系は毛皮が売れますし、オークは肉が売れます。


手数料を支払えば解体はギルドがやってくれるので、丸投げするのがオススメですね。数が多いので」


確かに、担いで帰るにはどう考えても無理があるなぁ……。俺の空間収納じゃ絶対入り切らないし。


100匹超えてるんじゃないかこれ……。


それと、解体をやってくれるシステムなら遠慮なく頼るとしよう。正直俺がやってもうまくいくとも思えないし。


「ヘレン、行ってきてもらってもいい?」


「ワシもついていくぞ?」


「はーい! えっと……手配の仕方はフローラさん教えてくれる?」


「これでもベテランだからの、ワシに任せとくとよいぞ」


ヘレンとフローラが走って行くのを見送ると、俺は空間収納を使って少しずつ獲物を森の外へと運び出す作業に入る。


せめて馬車をつけられる位置まで放り出しておけばいいだろう。


「あと、オークは血抜きをやってしまうのがいいですね。肉の値段が変わってきます。余裕があればウサギもですね」


「えーっと、逆さ吊りにして首を切ればいいのかな?」


「それで十分ですね。血の臭いにしても……、追加の魔物はしばらく来ないでしょうし、ここでやっても問題無いかと」


ミーナさんの言葉に従い、森から少し出た所の木に仕留めたオークを吊るし、首をナイフで切る。


こんなクソ重いもんどうやって吊るすんだよ、って思ったけど身体強化を使えば余裕でした。


オークをソロで狩れるレベルの冒険者ならだいたいこんなもんらしい。


ミーナさんなんか、手伝います、とかって涼しい顔して片手でオーク持ち上げるんだもんなぁ……。


さて、オークの血抜きなんぞしつつ、集積した分をカウントした結果……。


ゴブリン24、角ウサギ30、グレイウルフ42、オーク13、トロール1


やはり臭いと音に敏感な動物系が多い。


ゴブリンは魔石ぐらいしか売る所が無いらしく、討伐証明の片耳だけ削いで持っていく冒険者が多いとか。


もっとも、丙級以上になると、ゴブリンでの稼ぎははした金になってくるので、殺して焼却処分で終了にする人も居るらしいけど。


これが上位種なんかになると話しも変わってくるらしいんだけど、今回上位種は無し。


ていうか角ウサギ、お前頭の真ん中に一本角じゃなかったのな……。


ネットでみたコラ画像みたいに、鹿みたいな立派な角が二本。なんという『これじゃない』感


「魔石はだいたい胸の中心にありますね。取らないならこのゴブリン一山は焼こうと思います。放置すると色々と問題が出ますので」


まぁそうだろうなぁ……。ゴブリンは魔石を取ったりしてる暇が無いので、耳だけ取って焼却処分に決定。


火は魔法の練習がてら俺がつけました。


うん、こう……。微妙になんか火のつきかたがおかしかったけど、ちゃんと燃やすに足る火力は出せたからよしとしよう。


トロールは血抜きも無しでまるごとでいいとのことなので頭にぶっ刺さったボルトだけ引っこ抜いて回収し、放置。


他のモンスターに刺さったボルトも全部引っこ抜いて回収し、クリーンをかけてきれいにしてから空間収納へ。


矢代も馬鹿になんないんだよなぁ……。再利用できそうな奴は回収しないと。


まぁ、踏んづけて引っこ抜いたから、微妙に足型がついたのはご愛嬌ってことで……


さて、こうして後処理をしている間に、ヘレンは無事に馬車を連れて帰ってきてくれた。


多分ヘレン一人だったら新人がバカいってるぜって思われるたんだろうけど、フローラさんがついていってくれたおかげで、滞りなくつれてこれたらしい。


馬車は3台。こちらに来てくれた馬車に次々に仕留めた獲物を投げ込んでいく。


御者さんも手伝ってくれたので作業はすぐに終了し、本日の狩りは終えて冒険者ギルドに帰還する運びとなった。


━━━━━━━━━━━


さて、冒険者ギルドに帰ってきました。


持って帰ってきたモンスターの売却と、常設依頼で事後受注出来る討伐と納品依頼を完了として報告する。


この常設依頼系は各5匹が1回分なので、ゴブリン討伐(戊級)4回 角うさぎ納品(戊級)が6回、グレイウルフ討伐(丁級)が8回完了した事になる。


オークとトロールについては常設はなかったので売却のみだ。


オークとトロールの売却だけで金貨20枚行きました。


あとは依頼が、ゴブリン討伐が1回銀貨20枚、角うさぎも獲物の状態よしで1回銀貨20枚、


グレイウルフは脳天に穴が開いてるぐらいだったんで毛皮の状態が良く、一匹銀貨30枚で売れてかける42の1260枚で、金貨12枚+依頼が1回銀貨40枚で320枚。金貨64枚と銀貨60枚か。ボロ儲け。まぁ当然ヘレンとキッチリ山分けです。


っていっても、普通の習級、戊級冒険者なら、ゴブリン討伐1回2万円か……。そう考えるとやっすいなぁ……。


手続き中に、どうやって狩ったんだ、ってギルマスが出てきたけど。


実演しましょうか?って俺が言って、それに合わせてヘレンが息を吸い込むと、すぐ理解したらしく、すごい勢いで止められた。


まぁ、大騒ぎになったばっかりだもんなぁ……。ギルマスの慌てっぷりはなかなかに面白かったです。


これで、依頼達成の実績と、討伐実績でヘレンと揃って丁級に昇格。戊級、あっという間に終わったなぁ……。


丙級になるのは割とすぐかもしれない。ミーナさんに聞く所によると、依頼を受けなくても、トロールクラスの奴を10体も納品すれば上がるらしいし。今回のはカウントされるだろうから、あと9体が目安か。


普通はなかなか大変らしいけどね。なにせヘレン様が居るからなぁ……。


よくあるテンプレだと、ギルマス出てきた後にすごい目立ったりっていうのはあったりするんだけど……。


俺はオマケ扱いでヘレンが注目されまくってるっていうね。


パーティの勧誘も、ヘレンちゃんウチのパーティこない!? っていう声かけはあるけどヘレンが首を横に振ればそこまで止まり。


ナンパ男が強引に行って大惨事になったのが原因だろうけど、強引な勧誘は一切なし。


強引に行こうとした勇者も居たが事情を知る冒険者に止められ、話しを聞いて青ざめて引き返す。話しを聞いてなおゴリ押ししようとする真の勇者は居なかったらしい。


『バンシーを刺激しない』は、鉄則らしいからなぁ……。


さて、今日ついてきてくれたミーナさんとフローラには……。


「フローラさん、ミーナさん、今日はお世話になりましたし、晩飯と酒の一杯ぐらい奢らせてください」


「お、ワシらはほとんど遊んどっただけだが良いのかの?」


「そうはいっても、獲物の処理とか、馬車の手配とか手伝ってもらいましたし、メシぐらいは奢らせてください」


「ふふ、そうですね。フローラさんは暇つぶし名目ですし、私もそれについていっただけ。それぐらいが妥当かと思います。


お言葉に甘えてごちそうになりますね?」


どこで食べるかを問いかけると、2人ともギルドの酒場で良いとのことなので、そのまま酒場で酒盛りすることに。


俺は定食とエール。他の3人も同様。一杯ならいい酒頼んでも良かったのになぁ。むしろそのつもりで酒の一杯ぐらいって言ったんだけど……。


「クロスボウはだいぶ使い慣れたようだの」


「ええまぁ……。やっぱりレベル補正って偉大ですねぇ」


「そう言えば、ヘレンさんのレベルはどうなりました?」


「えっと……、31まで上がってます」


マジかよ、随分あがったな。まぁ、討伐合計100匹近くに、オークやトロールまで混じってるから俺と分配されて半分とはいえ、そのレベルまで上がるのも当然といえば当然なのかも。


「本当に丙級になるのはもうすぐになりそうだの。それに今回の報酬を使えば魔法銃に手が届くから楽になるじゃろ」


「確かだいたい金貨20枚からですねぇ……。良いのになると100枚とか平気でするみたいですけど、一番安いのはあんまりおすすめしません」


安物買いの銭失いとは言うしなぁ。まぁ安物っていっても高いけど……。安いのでも200万からなのか……。


「まぁそれよりハンマーを買うのをオススメするがのぉ。ミスリル合金のゴッツイ奴でも買えばかなり楽になるぞ。


特にクロスボウで矢が刺さらんカチコチの奴相手の戦闘は相当楽になる。


総ミスリルは軽すぎるからハンマーには向かんし合金のをオススメするぞ、お財布にも優しいしの」


「このペースで安定して狩れるなら、もう少しお金を貯めていいのを買うのを考えますかねー……。ヘレン次第ですけど。


現状ヘレンの火力に依存してる部分は大きいですし」


「がんばるね!」


胸の前で両手をぐっと握って頑張るポーズ。なんでこんな可愛いんだろうこの子。


思わず頭に手を伸ばしてなでなでと。


「今度甘いお菓子を奢らせていただきます」


「まぁ、お菓子だけなら今回の報酬で病気になるくらい食べられますけどね」


300万円分のお菓子……。うん、一気食いしたら絶対病気なるわ。


「お主の火力もなかなかじゃがの? 丁級冒険者でオーク5匹を一息で殺しきれる奴なんぞおらん。


あのクロスボウの連射はインチキも良いところぞ? 5匹以上なんぞそれこそ、巣の駆除でもしにいくのでなければそうそう会わん」


「ハズさなければ……ですけどねぇ……」


「まぁ何にせよお主らが丙級になるのが楽しみだのー。組めるようになったらどこに遊びにいくかの?」


冒険に出るのをさらっと遊びに行くって言うあたりフローラさんらしい。そして俺とヘレンがすぐ丙級になることを全然疑ってないなぁ、この人。


「んー、ダンジョンでも回るのも良いかもしれないですよ?」


「フローラさん的にいいんですかそれ、のんびり出来そうも無いんですけど」


「最近食っちゃ寝するのも飽きてきた所だからの。軽くダンジョンに行くくらいならいいんじゃないかの。気が向かなきゃ行かんだけだし」


自由だなぁ、フローラさん。


ある意味スローライフといえるのかね、フローラさんの生き方って。


やりたい時にやりたいことをやりたいだけ。


俺もそうありたいものだなぁ……。


「パーティ組んでもそんな感じで行動したいですね、やりたいことをやりたい人だけ」


「随分雑な感じだの」


「別にパーティであっても常に全員で行動しないといけないわけでは無いですからね。


では、例えば私が、家を買いなおすためにお金稼ぎに行きたいと言えば……」


「気が向いたら付き合うかのー」


なんだろうこの、MMOのゆるいギルド感。だがそれが良い。


「それならメンバーは余裕の出来る丙級以上にしないとですね。実力が伴わないと金にも時間にも余裕が無いですから」


「若い衆に教育するのも良い遊びじゃがの」


わかる。多分ノリ的には、MMOの初心者を見つけたら囲んで構い倒すアレだ。あれは楽しい。


初心者が居るぞ囲めええ! って。あれ、この前俺が囲まれたのそんなノリか? ひょっとして。


多分そうだろうなぁ……。


この後も、4人で他愛ない話しをしながらしばし過ごし、解散して宿に戻る流れとなった。

今回も最後までお読みいただいてありがとうございます。


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