2 産まれる想い
「アナタハドコノコ?」
とどめさす。を完了した所で、さっきのうるさい青毛の生き物が、付いて来て欲しい、という感じの感情を発しながら、こちらに向けて音を出して来た。
「〜〜〜〜……」
続けて、何か長い音を出して来る青毛。
何かを伝えたいのは分かるのだが、長過ぎて音の感じが理解できないし、感情が複雑過ぎて分からない。
敵意ではないみたいだけどどうしたものか、小首を傾げて考えた。
○こうげきしてこない
○てきじゃない
○うるさい ←now
○とどめさす。
なにか前脚を振り回しながら青毛が音を出し続けているが、結論が出たので実行……
しようとした所で、青毛が「コノハ」という音をやたらと出している事に気が付く。
攻撃して来る感じではなく、すぐにとどめさす必要もないので、なんとなく興味を惹かれ予定を変更した。
「このは」
青毛の動きを真似しながら音を出してみる
「チガウチガウコノハワワタシ」
青毛が、前脚を別な感じに振り回すのを見て、それも真似してみる。
真似するたびに何か音を出しながら別の動きをする青い毛の生き物。
それも、それも。つぎは?、つぎは?
からっぽのココロのなか、産まれた想いは〔好奇心〕
森の中の奇妙な 即興劇は、しばらく続く。
side:コノハ
どうやって帰るか、考えた結果
普段なら1人で帰れる自信もあったけど、逃げ回り過ぎて普段野草を採る場所からはかなり離れているし、若干自信がない。
そしてまたクマが出たら、あの距離をもう一度逃げ切れる自信は全くない。
となれば、できればこの黒い髪の女の子の手を借りたいなぁ〜 と思い、とりあえず話し掛けてみる事にした。
「あなたは何処の子?」
村のみんななら余裕で瞬殺できる微笑みを浮かべながら、クマに座った女の子へ話し掛けたが、女の子はぼーっとした目でこちらを見るだけで特に反応は示さない、困った。
「わたしはコノハ、南のマツリの村に住んでる11才、好きなタイプはお金持ちのイケメンで2才くらい年上でわたしだけに優しくて…」
わたしの好みのタイプまで語ってみせたのに反応がない。
これに反応を示さないとなると、もしかすると言葉が通じないのかな?
「あなたのお名前は何て言うのかな〜?
わたしはコノハって言うの、コノハよ、コーノーハ」
首を傾げながらこちらを見ている女の子に自分を指差しながら名前を教えてみる。
「このは?」
自分を指差しながらオウム返しに喋る女の子、なんでそうなるー!
「ちがうちがう、コノハはわたし!」
ちがう、のジェスチャーで手を振りながら
否定するわたしを見て、また真似をする女の子。
……かわいいかも。
どうやら女の子はわたしの真似をするのが気に入ったらしく、色々なポーズを取るわたしに続けて色々なポーズを取って来る。
そうなるとこちらも楽しくなって……なんだかさっきまで死を覚悟していたのが遠い過去みたいに思い始めた頃
「ニャン♪」
ネコのポーズを取るわたし
「にゃん」
ネコのポーズを真似る女の子
「何をやってるんだお前は…」
クマの向こうから聞こえた呆れ声に、30センチほど飛び上がった。
タイトル部は一章の最後あたりの予定になります。




