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ぐーぱんカタパルト  作者: 焼きモンブラン
一章 ヒトになる
11/46

11 黒 ワタシの音

 青毛に手を引かれて、いくつもある大きい木のカタマリの間を通り抜ける。

 歩きながら、色々なモノに ゆび を向けながら、短い音を出す青毛。

 一緒に歩きながら、真似を返していく。


 なんだろう? モノそれぞれに決まった音があるのかな?

 青毛は、何かを教えたがってる感じ。


「ツルサン」「つるさん」


 青毛より大きい、なんとなく青毛と似た感じの皮を身に付けてる、ワタシと青毛とだいたいおなじカタチの黄色い毛の生き物が、緑のまるい草の生えたところでなにかしてた。


 へんな草。


「ツルサン」という音をしきりに出して来る青毛。

 青毛がしつこいので、もう一度「つるさん」と真似してみると


「ハイ ハジメマシテ〜〜……」ながい音を返して来た、真似してみる。


「アラカワイイ〜〜……」また真似してみると、途中で口を押さえて割り込んで来る青毛に持ち上げられた。


 持ち上げられたワタシに、黄色い毛が緑の丸い草をひとつ渡して来た。


「アリガトウ」「ありがとう」

 どうやらおわりらしい。


 黄色い毛が、て を横に振るので、真似しながら青毛に運ばれる。


「サクヤ」「さくや」「サクヤ」「さくや」

「サクヤ」うるさい

 歩きながら、こちらにサクヤという音を何回も繰り返す青毛。


 次に青毛が向かったのは、ツルサンの黄色い髪がいた、緑の丸い草がいっぱいあったところを通り過ぎてふたつ目の、大きい木のカタマリ


 青毛が、どあの木のカタマリを叩いたので真似をしようとしたら、持ち上げて邪魔された。

 そのまま叩こうとすると、どあの木のカタマリから離れる青毛。

 とどかないー


「アイヨー」「あいよー」


 どあの木のカタマリが開いて、顔から毛がはえた生き物が出てきた。

 おんなじじゃないっぽい生き物だけど、使ってる音はおんなじ。


「コンニチワイワサン」「こんみちまいわさん」


 青毛が毛顔に向けて音を出すので真似をして音を出すと、こんどは何か長い音。


 何を言ってるのかわからないので周りを見回してみると……なにあれ?石?

 真っ黒い石と、水がはいったまるいの、まっすぐの木の枝がついた石、あついあついの穴、近付いただけで火傷しそう。


 石の棒とか、ひらべったい石とかがいっぱい置いてある。

 おろして〜触りたい〜


 結局こちらを下ろしてくれないまま、アイヨーのところを離れる青毛。

 長い音を出してから、ワタシを下ろして手をにぎって、来た道を戻る。


 青毛と茶色毛の巣に戻ったと思ったら、丸い草をこちらから取り上げて、ぱんを食べたひらべったい木に置いて、奥にいる茶色毛に何か長い音。

 そのまますぐに、どあの木のカタマリを出て、こちらを持ち上げて走り出した。


 ゆれる、ゆれる、ゆれる。


 昨日の、ぐるぐるじゃばじゃばがある所の横、流れる水のところに来て、こちらを降ろして来た青毛は、色々な物の方に ゆび を向けて


「草」「くさ」「水」「みず」「サクヤ」「さくや」

「お風呂小屋」「おふろろや」「水車」「すいしゃ」「サクヤ」「さくや」


 これは、物の音を教えてるんだなーと理解する。

 くさ みず おふろろや すいしゃ かわ いし さくや。


 ワタシの音は、さくや。

ぴんくのヒゲ。

たぶんパンチパーマ。

しかも全身。


 でもモフモフではありません。


 モフモフというのは、触った時の、身体の肉質までやわらかくなければならないんです

 そこまでやってこそのモフモフなんです。

 ガチガチのヒゲオヤジが踏み込んで良い領域ではないんです。

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