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芳一郎奇談-人形棲家  作者: 水嶋


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猫踏んじゃった

こまの過去の話です。


動物虐待が含まれますので閲覧注意

ネコ踏んじゃった

踏んづけちゃったら引っ掻いた

ビックリして引っ掻いた




「ほら、こま、こっち来い。」


「フー!」


「ホント全然懐かないし可愛くねえ猫だなー」


「直重様、お父様がお呼びですよ」


「あー、また叱られるのか。面倒くせえなあ!イライラする」



「ギニャッ!」



「懐きもしねえ可愛くねえお前は俺の憂さ晴らしに猫踏みマットとして使ってやる!有り難く思え」



「フー!」



「イテッ!コイツ引っ掻きやがった!





悪いネコめ爪を切れ

屋根を降りて髭を剃れ




バチンバチン


「凶器の爪は切ってやる。ついでに…」


「ギニャー!ギニャー!」


「その生意気な髭も切ってやったからな。これで少しは可愛げが出たろ?有り難く思えよ」


「フー!」





猫撫で声甘えてる

脅かしちゃって御免なさい

鰹節やるから寄っといで




「ほらほら、鰹節だぞー。この間は悪かったなー。」


「ニャッ」


「こっち来いこま。ほらほら。」


「ニャー」





踏んづけちゃったら飛んでった

お空へ飛んじゃった




「やっぱ猫頭、頭がちっさいだけあって馬鹿だよな」



「ギニャ!」



「ほーれ、山寺の!和尚さんが!鞠は蹴りたし鞠は無し!」


「ギニャーギニャー」


「ボールは友達!いつか決めるぜ稲妻シュート!」


「ギャッ」


「ほれ、ポンと蹴りゃ、ニャンと鳴け」






「ギニャ…」




「あーあ、ニャンと鳴かなかったか。見つかると面倒くせえから夜中に庭にでも埋めとくか。」





ふわり雲の上

ゴロニャーゴないている

ネコ飛んじゃったもう見えない

グッバイバイ




ゴロゴロ…


「直重、今度龍三組の若頭、政弥さんが跡を継ぐ事になったがまだ子供で病弱だからお前が補佐に入る事になった」


「はい。」


「その先は…分かってるだろうな。」


「はい。」


「上手くやれよ。」


「お父さんのご期待に添えて見せますよ。」


「所で最近こまを見かけないがどうした?」


「さあ、猫なんでフラッと何処かへ行ってしまってそのまま帰って来ません」


「そうか。まあアイツらは自由気ままで羨ましいな。俺ら人間みたいに権威も欲も無く目先の事だけ考えられて。」


「全くですね。」



「雷がうるさいな。荒れそうだな」


「この先の…龍三組を暗示してるんでしょう」


「確かにな。」






明日の朝降りといで





○○○○○○○○○○




「約束が違うぞ直重!」


「さて、何の約束でしたかな?」


「政弥様が成人したら組を任せると!」


「はて…その様な文章でも交わしましたか?何か証拠でも有るならばお見せ下さい」


「貴様…」


「政弥様はお身体も病弱、今まで表にも出て無く組を纏める力も人望も権威も無いと思いますが。」


「この組の隆伸様から代々仕えてる連中がそんな事許さんぞ!」


「果たしてそうでしょうか?」


「貴様ら、何を!」


「今ではすっかり俺の兵隊になってますよ。」


「貴様!」


「安心して下さい。この組は俺が責任持って取り仕切って名前も変えて今よりずっと盛り上げて行きますよ。」


「そんな事!許さんぞ!」


「貴方に許される必要は無いですよ。せいぜいあの世で隆伸様に心ゆく迄お仕え下さい」


「いつか…この報いが…必ず…」



「お別れの言葉は終わりましたか?では、ごきげんよう」




バンっ




「コレ、適当に処分しといて。」


「ハイ、頭」


「今度から…そうだなあ。この組は『八代興業』にしよう。」


「はあ…」



「俺の終着駅…そこに居たのは八代アキ…」





「お好きなんですね…」


「歌良し顔良し絵も描ける…理想の女だ」



「はあ…」





「政弥はどうしますか?」


「そうだなあ…アイツに何か出来るとは思えないが…」


「まあ…そうですが…」


「後々ごねられても面倒だから始末しとくか」


「はい」


「じゃあ、組を継げなかった実力不足の不甲斐なさに絶望して、今まで龍三組に仕えてた人々への落とし前に自殺って事で。」




「分かりました。」




高木組の敵対勢力、八代組の成り立ちはこんな感じだったみたいです。


チラッと会話に出ただけですが、八代組については「深海」を参照下さい。


まあヤクザの争いに綺麗も汚いも無いって事で

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