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芳一郎奇談-人形棲家  作者: 水嶋


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家族でしょ

芳一郎の能力についての経緯は「芳一郎奇談-四谷怪談」を参照下さい。


「お父さんは耳あり芳一郎になっちゃったね。」



俺は奇妙な経緯で聞きたくもないものが聴こえる様になってしまった。



「佳奈!また何か聞こえる!」


「私には聞こえてない。」



佳奈は相変わらず塩対応だ…


俺はこんなに日々怯えて暮らしているってのに



子供の頃の佳奈の箱庭療法予言のウサギ人形の俺はこの耳の能力だったのだろうか。


他は目咲さんはあの後割とすぐに現行梨香ちゃんに入ってその後はお盆に胡瓜に乗って出掛けて茄子に乗って帰って来ている。

この予言も当たっていた。

佳奈は将来占い師にでもなるのだろうか?


しかし、やはりウンチの置物だけは解せない。

俺は意外と根に持つタイプのようだ。



変な小指と共に半ば押し付けられたようなこの能力、当初何の役にも立っていないと思っていたが…




「目咲!その服寄越せ!」


「こまには似合わないわよ」




目咲さんとこまの会話が聞こえるようになっていた。


パッと見はお人形同士の可愛らしい光景にも思えるが…



「目咲ばっかりズルいぞ!私は何でこんな時代錯誤のサイケデリックゴーゴーファッションばっかなんだよ!」


「だって見た目が昭和なんだから仕方ないでしょ。こまにはお似合いよ」


「私だってフリフリやらカッコいいの着たい!」


「こまには着こなせないわよ。だって関節だって思うように曲がらないでしょうが。無理に曲げてると中の針金折れちゃうわよ」


「なんで目咲はそんな身体なんだよ!元は同じ筈だろ!?」


「お生憎様、私はオビシボディにカスタム済みなのよ。関節だって自由自在、ボディラインだって人間に近いわよ。臍だってあるんだから。胸の大きさは梨香ちゃんに合わせてちっパイだけどね。」


「くう…」


「こまは私の子供なんだから親には逆らえないわね。ふふふ」


「うっさい、うっさい!見た目は私の方が年上だ!」


「年齢設定は同い年、小5だけどね」


「こんな見た目の小5居るかよ…」


「私も常々それは思ってたけどね。まあ、60年代レトロファッションの新作出たら買ってあげるから」


「どうせ買うのは芳一郎だろうが。レトロじゃなくて最新が良い!ついでに猫耳カチューシャも欲しい!」


「こまには白い薔薇の髪飾りがお似合いよ。プラスチックのでっかいヤツね」


「芳一郎!この女何とかしろ!」


「プップップー、屁がプップー」




目咲さんとこまのほのぼのお人形ファンタジー劇場を想像していたけど…


熾烈なバトルが繰り広げられている


何か負けられない戦いがそこにあった…




まあ色々思う所も無きにしも非ずだが、お盆を待たなくても目咲さんと会話が出来る様になっていた。


オマケでこまとも会話出来る様になってしまったが…



「これで私もお盆に出入りしなくて済むわ」


「あ!成る程、そうか」


「あれ、結構面倒なのよね。一回黄泉の国に言って手続きして…行き先とか理由とか毎回聞かれるし」


「何か空港の入国審査みたいだな…」


「正にそれよ。お盆は混んでて大変よ。お年寄りも多いしキレ老人が大騒ぎよ」


「うわあ…何か想像つくなあ」



「まあ、その人外レストランのお土産にも感謝ね」


「確かになあ。やっぱり分かっててこの能力を渡して来たのかな?」


「さあね。人外の考える事なんて分かんないわ。まあ、私も今はお仲間だけどね」



「でもさ…」


「なあに?」


「目咲さんは…俺が死んだ後もそのままなんだよね?」


「まあ、そうね」


「その後どうなるの?」


「そうねえ…魂が浄化するまでこま共々お寺にでも預けてもらう事になるかな。多分相当長い年月かかるかもだけど」


「そうなんだ…」


「まあ、少なくとも芳一郎さんと佳奈が生きてる間はずっと側に居られるわ」


「そうだね…」


「芳一郎さんもお人形に入ってずっと一緒に側に居るってのも有りよ。ボーイフレンドのハルトくんに」


「うーん…それは最終手段で…まだ俺は研究やら佳奈の将来やらやる事が色々あるから…」


「ふふふ。分かってるわよ」



「あと…あの人外レストラン…もう現れないのかな?」


「あら、また行きたいの?」


「いや、そう言う訳でもないけど…ちょっと気になって…」


「他の味覚も取り戻したいのかしら?」


「まあ、それも無きにしも非ず…」


「そうね…また芳一郎さんが人外が楽しめそうな話が出来たら現れるかもね」


「成る程ね…ってもう、怖い思いはしたくないからね!」


「そうね。まあ嫌でも寄せ付けそうだけどね、芳一郎さんは」


「やっぱりそうなるのかなあ…一生…」


「まあ、佳奈も口咲も居るし何とかなるでしょ」



「そんな殺生な…」



「私も愚痴位なら聞いてあげるわよ」





「助けてよ。家族でしょ?」


前回が重量級のヘビーな話だったんで、今回は軽めの話を…

と割とコミカルに書けるキャラ芳一郎の話にしましたが…


今回は過去話、芳一郎の妻で口咲の妹、佳奈と同じ見える能力設定の目咲の話をと思い書き出しましたが、中々難航しました。


と言うのも、「7つ星」の佳奈を絡めた事が要因なんですが


この話を書いてる途中でうっかり岩見の彼女と同じにしてしまったと後から気付いてもう訂正するのもアレだしなあと書き上げたんですが、折角だから今回絡めてついでに色々解決させよう!と姑息な事を思いついたのが苦難の始まりでした。


年齢がもっと離れてれば生まれ変わりとして書きやすかったんですが、微妙に近い…

しかもホラーにする為化け猫まで絡んで来る始末。


辻褄が合うように周りの登場人物やら設定やらでもかなり苦労しました。


色々怪談話やら年齢やら数字やら意味合いとかスピリチュアルな事など調べまくってたら広告に占い関係ばかり表示されるようになってしまいました。


しかし「7つ星」のその後が書けたり「イヌネコ幻想曲」のノラの人間の頃の話も書けたりと割と色々乗っかれたかなとも思います。

後はルルか…これもまたいずれ何処かで


またいつか芳一郎の話は書くかもですが、怪談話を絡めるとかなり頭使うのでもう少し先に…したい所です。


高木組の敵対勢力も今回登場しましたのでまた何処かで出てくるかも知れません。


それではここまでお読み下さり有難うございました!


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