合体!
つ…釣○バカ…?
口咲さんとは昔から同じやり取りしてるみたいです。
「お久しぶりです…口咲さん…」
「そうね、目咲の葬式以来かしら?」
口咲さん…
今会っているこの人は妻、目咲の妹で祈祷師みたいな事をしている。
依頼を受けてお祓いなんかもしている人なのだが…
「口咲さんは相変わらず…前衛的な格好ですね…」
そう。
髪は真っ白
服装は所謂黒のテラテラした身体にピッタリフィットしたラバーの膝上位のミニのワンピース
アミタイツに15センチはあろうかと言うピンヒールだ。
「芳一郎さんは相変わらずつまんない格好だね。姉さんの趣味は謎だわ」
「今は髪は真っ白なんですね…前はミドリでしたが…」
「なーんか、野菜みたいって言われたからやめたの。失礼しちゃうわ。」
こんな格好をした野菜を俺は知らない…
「そんな事より、叔母さん」
「おばさんって呼び方やめてくれる?口咲さんかお姐さんって言えって言ってるでしょうが。」
「だって事実関係じゃん。母さんの妹なら叔母さんでしょうが。」
「ホント可愛くない子だよね。相変わらず。誰に似たんだか…」
と、俺を睨んでいる…
俺じゃない。妻でもない。
強いて言えば口咲さんだ…
「大体話は聞いてるよ。佳奈って子の事だろう?」
「そう。こまが今佳奈が彷徨ってるって言ってる」
「じゃあ、悪霊になる前に一丁やりますか。佳奈、こまにあっちの佳奈を引っ張って来る様に言いな」
「うん」
そう言って佳奈は復刻梨香ちゃんを握りしめた。
「佳奈、その人形握ったままだよ」
「うん」
そう言って口咲さんは両手を大きく開いて空中をまるで網に魚を捕らえる様に振り回し出した。
「あなたを幸せにする自信はありません!でも、佳奈が幸せになる自信はあります!」
「?」
「スーさんがこまを餌に釣り上がったよー!」
「??」
「合体!」
「???」
「こうして鈴木佳奈は原田佳奈と結ばれました…」
何か分からないが、終わったらしい。
「佳奈、どう?」
「うーん、これと言って何とも無い」
「やっぱり根は良い子だね。仲良くね」
「うん」
「あのー…」
「なあに?芳一郎さん」
「何が何やらさっぱりなんですが…」
「そうだったね。全て終わったから説明してやるか」
「お願いします…」
○○○○○○○○○○
「そもそも、そのネコ人形は化け猫が乗り移ってたんだよ」
「ふむ」
「で、元を辿れば鍋島騒動の化け猫からだね」
「肥前国の龍造寺氏の話ですね。確か祀られてますよね」
「そう。あの話の顛末は知ってるかい?」
「ええ、確か化け猫は鍋島の側近に倒されて祀られたかと」
「そうだね。飼い猫のこまは鍋島に殺された息子の母親が恨みを残して自害した血を飲んで化け猫となった」
「ふむ」
「結局こまは敵討ちはできず形だけ祀られて彷徨っていた」
「ふむ」
「で途中、猫又と合わさってしまった。猫又の力で同じ輪廻のループを繰り返していた」
「ふむ」
「鈴木佳奈と出会ってこまは猫又の自我を取り戻した。猫又の力で鈴木佳奈が20歳で非業の死を遂げる事が見えてしまった。」
「ふむ」
「このままでは恨みを残した鈴木佳奈もこまと同じ事になると思い、引き寄せ体質の芳一郎さんに近づいて目咲と出会い、目咲の力を持つ佳奈を産んだ」
「ふむ」
「こまは佳奈に鈴木佳奈の器にして閉じ込めて悪霊になるのを食い止めさせたかった」
「ふむ」
「目咲は永遠に成仏出来ないこまも救う為、こまに提案した」
「何を?」
「目咲がこまの家族になるって」
「それは…」
「目咲が現行梨香に入って、こまを復刻梨香に入れてずっと側にいてあげるって…」
「そんな…」
「馬鹿な姉貴だよね。私ならごめん被るけどね」
「…」
「でもね」
「何だ?佳奈…」
「お母さんは肉体は失ったけど…魂はずっと私達の側にいるんだよ」
「でも…」
「ちゃんと私に話しかけてくるよ」
「でも…俺には…」
「今年でお母さん満6年目の祥月命日、丁度7回忌だから…喪が明ける。大手を振って来れるよ」
「どう言う事?」
「お母さん言ってたよ。夏には帰って来るって。」
「それは…」
「そう。お盆の時はちゃんと帰って来るから」
この頃は田所達と出会った後みたいですね。
ミドリ頭も評判悪かったみたいです。




