えぴそーどごじゅうさん
「レオンハルト様、おかえりなさい。」
「ん?ああ、ただいま、ティアナ。」
「先ほどの勝利は、やはり無効に?」
「ああ。この戦いの意味を考えろといわれたよ。ほかの生徒の手本になる戦い方をしろとね。俺の魔法は特殊すぎるからこの戦いでは使うなとさ。」
「そんな…。それではレオンハルト様に不利ではありませんか。」
「その通りだ。頭の痛い話だよ。」
「でもまあ、レオンハルトなら大丈夫だろ。」
「根拠のない励ましは嬉しいが……なぜここにいる?」
「え?護衛だろ?」
今俺がいるのは、俺のためにあたえられた観覧席件控室だ。本来なら俺と婚約者の2人で使用する。
現在、ティアナと婚約関係ではないが、特例で認められ部屋にいてくれている。
だが!
なぜアレスがいるっ!!!
プリメラはわかる。俺がメイドとして雇ったから。
だが、アレス含めハーレムズが何でいる!!
しかも、しかもだ!!
ちゃんとテーブルが用意され、菓子や茶まで提供されている。姦しくワイワイキャッキャと楽しそうに歓談している。
「妾も人が多いのは楽しい。従兄弟殿、感謝するぞ。」
しっかりアイシャもいた。まあ、学生だしね。アイシャはいいよ。従姉妹だし。
「だから、お兄様は天才なのです!!」
そして、ハーレムズを前にお立ち台が作られ、その壇上で演説するのはウチの天使、リアーナちゃん!
いやもうね、しっかり勢揃いでびっくりするよね。
この会場、4カ所の特別観覧席がある。東西南北に用意されており、北側にオヤジ殿達が西側に俺達、反対側の東側にはクデール一行が、南側は今回使われていない。
ということはだ、こちらからクデール側の観覧席は丸見えなんだが、逆に向こうからもがっつりこちらが見えていたりする。
賑やかと言えば聞こえはいいが、それぞれが好きな事をしているカオスな空間。
見られてる意識を少しは持って欲しいもんだよ。
「にしても、クデールの奴らミディさんが嫌がってるのわかんねーのかよ。めちゃくちゃ困った顔してんじゃねーか。」
て、見られてる意識とか思ったけど、アイツら、ミティさん以外見えてないな。こっちに全く関心なさそうだわ。つか、全校生徒やウチのオヤジ殿からも見えてるってのによくやるよ。
「なぁ、レオンハルト。ミティさんこっちに呼んで来ちゃダメか?可哀想すぎないか?。」
「馬鹿を言うな。そんな事を出来るわけがないだろう。そんな事をすれば、丸ごと奴らもついてくるぞ?」
「うげぇ、それは勘弁してほしいな。でも、確かにレオンハルトの言うとおり…。
って、あれ?
アイツらいなくなってないか?」
アレスに言われて見てみれば、いるべき場所にいるはずの奴らがいないじゃないか!
いや、どこいった?!
つか、なんか嫌な予感しかしないんだけど…。
「居ないな…」
必死に探してみるが、それらしき人物すら見つけられない。
いや、ほんとどこいったよ?
とか思ってたらいきなり後方の扉が明け放たれ、部屋の前に侍らせていたメイドの制止も効かず、クデールを先頭に飛び込んできた。
「レオンハルトきさ……」
はい、一瞬でした。クデールが侵入した瞬間にウチのエルザさんがせいあ……エルザじゃない?!
え?!クデールの上に乗り、彼の意識を刈り取ったのは水色の髪……。
プリメラが瞬間で制圧してくれていました。
なんとまぁ、エルザさん、満足そうな顔をして。プリメラが思うように成長してくれて嬉しいんだろうな。
「レオンハルト様、スパッとやっちゃいますか?スパァーっと」
いやいや、おいおい。そんな嬉しそうに首を刈るポーズはやめてくれ。これでも一国の王太子だからな。それ以上はダメだぞ?つか、猛犬すぎて恐ろしいわっ!!
てか、エルザ!そこでウンウンと頷くのはやめなさい!!
それにしても、アレスもクリスも瞬時にガード固めてくれてたな。アレスがハーレムズとリアーナの前に立ち盾役になり、ティアナとアイシャをクリスが守る感じで、なんつか護衛として素晴らしい動きで俺は感動だよ。
だが、1つ疑問がある。
なぜ誰も俺のガードに入ってないんだ?
我、王子ぞ?
「特に必要性を感じなかったので。」
いつものようにエルザさんがこそっと教えてくれました。
はぁー、まったく。
クデール以外は部屋の外の護衛にしっかり止められてるみたいだし。
「イリス。頼めるか?」
「主様、もちろんですわ。」
うん。あの戦いで聖女にクラスアップしたイリスの回復魔法は素晴らしかったよ。
完全回復した瞬間に気絶する前の続きを再開しようとしてプリメラに再度意識持ってかれてた。
「スパっとやっちゃいますか?スパァーっと。」
それもういいからね。ステイ!!
「まったく。アレス、何か縛るものはないか?」
「あ、それならアタイの使いなよ。」
さすがです。ブリジットさん。こちらもハーレムズの一人。S級と呼ばれる冒険者ですわ。
ポーチから縄を出してアレスに投げよこしてた。
いやぁ~、アレスを雇う時に丸っと全員雇っておいて良かったよ。というか、雇えて良かった。今後、この国のスペシャリストになってくトップ層の人材だからね。
まさにハーレムズは人材の宝庫なのです!!
「あ。それならこれを使って縄を強化しておいた方が安全ですね。」
おっと?!縄で縛って終わりかと思ったら、ハーレムズのアルケミスト。フィオナさんやないですか。縄強化って何するの?とか思ってたらアイテムボックスらしきカバンからポーションのような瓶を持ち出しドバドバ縄に掛けてました。
「これで、縄自体の強化と魔法を封じる効果を付与できたので、安心です。効果時間は30分程で短いですが大丈夫ですよね?」
えーと、想像以上に凄まじいです。ありがとう。
「あ、ああ。十分すぎるよ。ありがとう。」
て、あれ?!クラス以外のハーレムズの目がまん丸?!
え?どした?!
「レオンハルト様の話し方が普段と違い過ぎて驚かれているのかと」
あ。そうか。こんな感じで話すの初めてだったっけ?すっかり忘れてたよ。つか、自動的に翻訳はいらなかったんだな。驚きです。
でも今はそんなことより
「イリス、頼む」
「はい。ヒーリング」
「レオンハルト!!きさまぁーーー!べぶちっ!!」
簀巻きにされた状態なのに、復活した瞬間、動き出そうとして思いっきりコケてました。
あれは痛い。
つか、それを見て誰も笑わず真顔なのちょっと怖い。
「レオンハルト様のお部屋に無断で押し入るとは良い度胸じゃないですか!!」
グワシとコケたクデールの体を遠慮なく踏みつけるプリメラ。それを見てウンウンと頷いているエルザ…って!!なんだこのカオス空間!!!
がっつり頭踏みつけられて喋れないのか、クデールのやつさっきからフガフガ言ってるよ。
あー、面倒くさい。
「プリメラ、離してやれ。」
「はい♪」
うん、めっちゃ素直。良きことですわ。
で?
クデール君は何用なのかね?
「貴様!!先ほどは卑怯な手を使いよって!!」
「卑怯?我が魔法を行使しただけだが?自らに備わった魔法を行使するのは卑怯なのか?」
「なっ?!あれ程大きな穴を作れる魔法などあるものか!!事前に準備したものだろう!!そうでなければ、なぜ無効試合となる!!」
「無効試合になったのは、我の戦い方では他の者の手本になれぬからだと言われておる。よって、次の戦いでは使わんよ。それでも魔法を疑うのであれば外に出て、そなたが指定した場所に同じ穴を掘ってやってもいい。」
「なっ?!その言葉に嘘はないな!!」
「このような事で嘘などつかぬよ。」
「ならば、見せてみよ!!」
「わかった。プリメラ、縄を解いてやれ。」
「イェス!マイ ロード!」
ぬはっ!!!そこでこれくるんかいっ!!油断してた!
まっ、この後闘技場の外でバッチリ魔法だと証明してやりましたよ。
ポカーンとした顔浮かべたあとになんか喚いて去っていったわ。
つか、お前も試合で魔法使うなとか交換条件出しといたらよかった。やり損だよ、まったく。
まあ、いいけどさ。
暖かくなってきましたね!
鼻水エグいです(ToT)
読んで頂きまありがとうございます。




