えぴそーどごじゅーいち
はい、皆さんこんにちわ。レオンハルトです。
今回は修行回……ではなく、武芸大会当日です。
そう!!武芸大会当日です!!!
いやね、もうね、ほんとね、大変な日々だったよ。
毎日、毎日、毎日毎日!!!!
えいっえん、魔法ぶつけられるの!!!
その度にスケープドールが爆散するから、身体には傷がつかないよ?無傷。
でもね、目の前で爆発するの!!
手元で爆発するの!!!
火の玉も、氷の槍も、土の弾丸も、風の刃も、雷の矢も!!全部!!
弾くつもりで斬ったら爆発するの!!
爆発したらスケープドールも爆散するの。
ちなみに魔法をそのまま受けてもスケープドールに影響なしよ?
防ごうとしてダメージ大きくなるとか意味不明なんだけど!!
まあまあ、そんな訳で大量のスケープドールを使用しましたよ。ドールが破壊されるたび、見学していたアンセムが嬉々として造り出してくれんの。
おかげでノンストップ。
買うとくっそ高いのに、あんな簡単に作れるなんて反則じゃね?とか思いました。
これ戦争に使えば余裕で勝てるんじゃ?とかも思ったんだけど、既に対策されてるらしいわ。スケープドールの効果を無効化する魔法具がちゃんとあるらしい。何も言ってないのにコソッとエルザさんが教えてくれました。
ホントなんなんだろね?あの能力。心の声が聞こえてるわけではないらしいけど……
聞こえてるようにしか思えんわっ!
まあ、そんな訳で地獄のトレーニングをみっちりやりました。時には魔法の直撃を受けたり、時には手元で爆発して吹き飛ばされたり、時には反射に成功したりとね。
だからこそ、あえて言おう!!
今の私に死角しかないと!!!
え?死角はないじゃないよ?
死角しかないであってる。
だって、実際死角しかないからね!!!
そりゃさ、めっちゃ頑張ったよ?もう、限界超えてるってくらいに頑張った!だからって結果が出る、なんてのは別だと思うんだよね。
ええ、そうですよ。
モノにできませんでした。
今でもバッチリ自爆します!!
成功率?
50%くらいじゃね?理論も理屈もわかんないし、なんとなくでやり続けてようやく50%よ?
最初なんて10%も成功しなかったからね。そう考えるとおやじ殿と訓練した時の成功率は奇跡だと思うわ。
そんな訳で使えません!!!
いやもう、ホント実力で勝つしかないよねー。
あーーー、もうっ!マジで嫌になるわ。
まーあ、救いなのはエキシビジョンマッチが開会式直後だってことかな。長い時間ハラハラしなくて済むし、胃に優しい。
「レディーーースエーーーンジェントルメーーーン!
学生諸君!!ついにこの時がやってきた!!
朝一番からボルテージは最高潮!!
この闘技場に立つは、ただの学生ではない!!
我が国が誇る王子ッ!!
次代を担う稀代の天才!!
レオォォォンハルトォォォ!!!
対するは
神聖王国ロマーニュの威信をその双肩に背負う王太子ッ!!
高潔にして苛烈なる伝説の継承者――
クデェェェェール!!!
さあ、誇りと誇りの激突だァァ!!
一歩も退けぬ王者の矜持!!
譲れぬ未来が、ここにある!!
さあ両雄、中央へ進め!!
開戦のゴングは、今だァァァァァッ!!」
はぁ…現実逃避はやめよう……。
感の良い諸君なら、わかっているのではないだろうか?
長ったらしい式典も終わり、開催宣言がなされ……。
そう! 今ココに、エキシビジョンマッチが開催された只中にいるということを!
あーーーーー!!!めっちゃ憂鬱!!
ま、成功率50%の時点で、この戦いでは使えないし、セカンドプランでやらせてもらいますけどね!
「あの、馬鹿。勝手に開催とか叫んでんなよ。」
そりゃ、ごもっともです。
いきなり始まるのかと思いました。ほんと、紛らわしいアナウンスやめてほしいよね。
つか、審判の先生も大変っすねぇ。
「2人が冷静でよかった。わかってると思うが、まだ開始ではない。これより簡単なルール説明をする。」
「「はい」」
「試合はスケープドールを使用する。
お互いに配布されるスケープドールの数は4個。
先に3個破壊された方の負けとなる。
開始の後はどちらかが降参宣言をするか、ドールを3つ破壊されるまで止めることなく続く。1つ破壊したからと気を抜かず、試合を継続してくれ。」
「「はい」」
「見ての通り会場は壁に囲まれている。場外などはないから、うまく広さを使って戦うように。」
「「はい」」
そう。俺たちが立ってるのは円形闘技場のような場所だ。地面は加工されておらず、観客は壁の上から見下ろすかたちになってる。しかも、観客席に攻撃が届かないよう結界で守られていて、全力がだしやすい安心設計!
てぇ!!!安心設計じゃないっ!!!
全力で魔法を行使できるって事なんだよ!!
俺、くっそ不利じゃねーか!!!ふざけんなっ!
「さて、最後に何か聞いておきたいことはあるか?」
「はい!」
「お?レオンハルト君、何を聞いておきたい?」
「攻撃方法に禁止事項はありますか?」
「基本的な闘技ルールに則ってくれるなら問題はない。ただし、目つぶし、金的、急所狙い等、本来の試合では禁止とさている攻撃が、武芸大会では許可されている。全てスケープドールが肩代わりしてくれるから、安心しろ。
ただ気をつけろ。
通常、致命的なダメージを負えばスケープドールは発動する。しかし、それ以外でも部位欠損を伴う攻撃を食らえばスケープドールは発動する。
逆に言えば3カ所の部位欠損を狙えば致命的なダメージを負わせなくとも勝てると言うことだ。
うまく利用して戦えよ。」
「はい!ありがとうございます。」
ふむ。部位欠損を伴う攻撃でスケープドールが反応するってのは知らなかったな。
まっ、禁止されるような攻撃がないってんなら、なんの憂いもなくセカンドプランを行使できる。それでダメなら50%カウンターでやれるだけやるしかないな。
サードプランなんてねーし。
「もう、質問はないようだな?」
「「はいっ!」」
「では、開始は銅鑼の音で知らせる。まずは双方礼。」
「「よろしくお願いします。」」
うん。なんだろう、この学生感。
試合で「よろしくお願いします。」って礼するの学生の間だけだよなぁ。まっ、相手を打ち負かす事が主題じゃないから、こんな感じになってんだろうけど。
「では、双方白線まで下がり銅鑼の音を持つように!」
先生も主審席まで下がったね。
リングの上には俺とクデールだけ、銅鑼の音を、今か今かと待っているのだけど、俺のやることはとてもシンプ……。
ボォーーーーーーーン
開始の合図と同時にイメージしていたセカンドプランを実行する。
結果……
「…………しょ、勝者、レオンハル「ちょっと待てぇぇぇぇ!!!!」」
くそ!!おやじ殿から待ったがかかったよ。
ルールに則ってるはずなのに解せん!!!
皆さん読んでくれてありがとう!




