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えぴそーどよんじゅーはっつ!

ふぅ…、なんて日なんだ。


アレスとクデールの戦いのはずが、なぜか俺に飛び火した。


はぁ……。


朝起きたらプリメラが黒装束に馬乗りでいて、登校したらアレス事変が起こり、なぜだか俺が戦うことに……。


ぶっちゃけ、勝てるかどうか不安だ。

武芸大会のルールに則りとか言わなきゃ良かった。


え?なんでかって?


武芸大会のルールだと魔法有りなんだわ。


剣術のみとかなら、勝てる可能性はあったんだけどね。

攻撃魔法も補助魔法も回復魔法も使えないレオンハルト様には不利すぎるのよ。


まあ、泣き事ばかり言ってらんないので、いつもやってる剣聖様のトレーニングを武芸大会用に調整してもらおうと、王城に来たんだけどね。


で、もっかい言うね。


なんて日なんだ…。


王城に来ただけなんだ。いつものトレーニングをちょっとテコ入れしてもらうだけだったんだ……。


で!!

なんで、練兵所におやじ殿いんの?


意味不明!謎なんだけど!!


この時間帯執務でしょが!!こんなとこで油売ってちゃいけないでしょが!!!


はぁ~、そこはかとなく漂う嫌な予感。そこはかとではないな。確実に嫌な予感しかしねーよ!!


だってさ、トレーニング用の服に着替えて出てきたらいんのよ?

完全武装のおやじ殿が……。

「よっ!」とか軽い感じでいんの。


たまったもんじゃないっての。

なんでいんだよ!と言いそうなったわ。


「父上、執務はよろしいのですか?」


「ん?おう!ヒースクリフに許可は取ってあるから気にすんな。」


……そうじゃない!俺の意図はそういう意図じゃない!!つかこのオヤジ、わかってて言ってるよな。


「そうですか…。では、私は訓練がありますのでこれで。」


「おうおう!あんま時間もねーし、さっさとやるか!」


はぁ〜、やっぱそうなるよねぇ……。


あー、嫌な予感しかしねぇー。

おやじ殿ゲームには登場なかったけど、絶対強いと思うんだよねぇ…。あのハゴイタ動きとか、レオンハルト様の身体でも無理だもん。


嫌な予感しかしねー。


「……お相手よろしくお願いします。」


「おう!て、わけだ、ドレイク。」


「わかりました。ご無理はなさらないように。」


剣聖ドレイク。齢70を超える老兵だ。ゲームプレイ時にも名前だけは度々目にしていたんだけど、こんなナイスグランパなんて思ってもみなかったよ。


でもって、超絶スパルタ!!

くっそトレーニングキツイの!!

俺がへっとへとで限界ギリギリ状態だってのに、このじぃ~さん余裕でこなすのよ?俺の隣で若干煽ってきやがんの!バトラージュといい、ドレイクといい、現役退いた猛者多くてマジビビんどけど。


「では、両者見合って!

 

 はじめっ!!」


おう?!なんて言うことでしょう、パパンの武器は大剣ですがな。身の丈程ある巨大な剣。


つか、木刀でもそれで殴られたら死ぬ気がするんだけど?


かたやこちらは片手剣。

俺が始めてドレイクの稽古を受ける時に、二刀流したいと言ったらめっちゃ怒られた。基礎ができてきたからと奢ってはいけないってさ。


いや、ゲーム感覚で装備的な何かで、どうにかなんないかなぁ?とか思っただけなんだけど。そんなとこはやたらと現実的だったよ……。


まあ、なんだ、そんななまっちょろい片手剣でおやじ殿の大剣なんて受け止められるわけは無いだろうし、当たらないように避ける一択ですがな。


でもね、それって守る選択肢であって、こちらから攻めりゃいいわけよ!


木製だと言ってもあれだけデカければ重くて動きも緩慢になるでしょ!


そう思って、おやじ殿の懐に飛び込もうとした直前、不意に嫌な予感がして横へ受け身を取った。


するとさ、ズドンって、音と共に俺が飛び込もうとしてた地面が爆ぜたの!!


いやね、そんなもんくらったら死ぬっての!!

つか、剣筋見えなかったよ!


「父上!!殺す気ですか!」


あまりの威力に思わず文句が出ちまった。


「ん?ちゃんとスケープドール使ってんだから死ぬわけねーだろ。」


え?なにそれ?使ってるなんて聞いてないけど?

つか、なにそれ?初めて聞くんだけど。なんとなく効果はわかるけどさ。


「初耳なのですが…」


「ん?言ってなかったか?

 そう言えば、言ってなかったか気もするな。

 まっ、言ってなくてもドレイクの横に人形並べてあったらわかんだろ?」


たしかに、ドレイクの方を見るとなんだかわかんない人形が置いてあるけどさ。わなんないよ。見たこともないのに。


「たしかに、変な人形が置いてありますね。」


「ん?スケープドール見るのは初めてか?訓練の時に使ってんだろ?」


「え?そうなのですか?」


おやじ殿の言葉につられてドレイクの方を見ると首を横に2回フリフリと…。


やっぱ使ってないよね?


「ん?使ってねーのか?今までどんな訓練してたんだ?」


「陛下、スケープドールを使えば痛みを覚えません。それにより、受けの勘所が鈍るのです。痛み、恐怖、それらの感覚を覚えた上でしっかりとした見切りを覚えなければ、勝てる戦いも勝てなくなりまゆえ。」


「ほぉ~、だからさっきのも避けられたってわけか?」


「その通りかと。」


「ほかの奴らもか?」


「いえ、この訓練はレオンハルト様のみとなります。レオンハルト様は元々勘所が良いのでそこを強みにとより伸ばす教育を施しております。」


うんうん。知られざる新事実!!


いやさ、訓練でけっこう骨折れたりなんやかんやと怪我多かったのよ。その度に治癒魔法で治されて何もなかったかのようにまた、骨折られるの。

うんうん、軽くホラーだよね。


で、そのおかげもあってか、最近の訓練ではめっきり怪我しなくなった。つか、受けるか流すか避けるかしないと容赦なく骨折られるんだぜ?なので、ガッツリ避けるのはうまくなりましたよ!


てかね、よく考えればアレスと決闘イベントでもレオンハルト様めっちゃ避けるの。物理で攻めるとミスとパリィのオンパレード。そこにカウンターがなかったから避けられるだけなんだけど、ほぼ物理は当たらないの。


まあ、魔法使えば瞬殺なんだけどね。

状態異常も攻撃魔法も全部当たってくれるから。


よくよく考えたらグラハムとアレスの戦いでとんでくる破片を片っ端から弾くことできたしさ。


ん?


物理のみの戦いなら最強なんじゃね?

いやいや、グラハム戦も目で追うこともできなかったしムリムリ。でも、避けれんじゃね?


いやいや、ムリムリムリムリ。


無理だと思っとく!努力を怠ったらその時点で死亡確定ルートになりそうだし、最後の瞬間まで気は抜けないって!うんうん。今後も頑張ろう。


「ほぉ!そいつはおもしれーな!よし、レオンハルト!魔法は使わないでおいてやる。どこまでやりあえるか、実力を見せてみやがれ!」


やっべ!!おやじ殿と剣聖の会話聞いてなかった!

何の話してたんだ?!面白いって何よ?


そう言った瞬間におやじ殿がとんでもないスピードで迫ってくる。


あのクソデカい大剣を片手で悠々と持ち上げ、重さなど感じさせない動きで斬り掛かってくるもんだから、恐怖でしかないっての!!


つか、必死で避けて弾いてた受け流して…。

こっちから斬りかかる隙なんてありゃしない。てかね、受け流しておやじ殿の剣が地面を撃つとそこが爆ぜるの。なんか、よくわかんないけど地面が陥没して爆散すんの!!


普通にスケープドールあっても死の恐怖が半端ないっての!


にしても、何合も何合も鬱陶しい!!!

なんで、へばらないの?疲れてないの?つか、時間経過とともにどんどん速くなってきてるし。受けてばかりいるのもなんか釈然としねぇ!!


そうやって何度も捌いていると唐突な感覚が頭に響く。言葉には表しにくいなんとなく、切り返せるような感覚。その後も何度か打ち合っているとその感覚が強くなる。


なんとなくだったものが、確信へと変わっていく。そして、その感覚に合わせて剣を振ってみる。


ズシリと腕に重い感覚が走る。


先程までと違った音が響く。


おやじ殿の驚いた顔。


しかし、その一撃はしっかりと大剣に阻まれており、おやじ殿にまで届いてはいなかった。


「ほぉ!やるじゃねーか!いいぞ!レオンハルト!」


そう声を上げながら攻撃の手を激しくするおやじ殿。その猛攻を何とか受け止め、流し、弾き、切り返す。

五回に一度の切り返しが三回に一度となり、2回に一度となったが、その全てをしっかりとおやじ殿の大剣に阻まれ、互いに一撃もきめられないでいた。


てかさ!カウンター受け止めるってどんなチートだよ!!パリィ決めたら体勢崩せよ!カウンターは確定ヒットにしとけよ!!!


だぁーーーーー!めんどい!いつなったら終わんだよ!!くっそ!!


つか、俺そろそろ限界なんだが!!あんな、バカでかい剣で殴られるとかマジで嫌なんだが!!

とはいえ、こちらの攻撃は止められるし……。


反撃が来るのがわかるから受け止められるのか?


なら、わからないタイミングを狙う?

いや、それをどうすんだって話よな?

カウンター自体は弾いた時しかできてないような…

。なら、おやじ殿もそれが分かってるから受けやすいってことか?


だったら!!


おやじ殿の攻撃を受け流した瞬間にわざと体勢を崩し、おやじ殿の剣方向へと体を流す。


そう!


剣が地面を打った瞬間に爆散する爆心地へ向かうことになる。そして、その体勢から体をひねり浮いた足の踵をおやじ殿の顎めがけて蹴り込む。


変則型後ろ回し蹴り!


地面から爆ぜた土砂を剣で受け止め、カカトはおやじ殿の顎へと吸い込まれ鈍い音と共にスケープドールが爆ぜる。


おやじ殿は蹴られた反動を逃がすように、回転しながら距離を取り、手の甲で口元を拭った。


「やってくれんじゃねーか!クソガキぃ!!!」


え?!


なんか、ガチギレしてね?


え?


「国王の顔を足蹴にするとは良い度胸だ!!」


んなぁーーーー!!!


マジギレじゃねーか!


「ファイアボール!!」


ぬおっ!!!

魔法使わないって言ってたんじゃねーのかよ!!

何とか、ギリギリかわしたけど、ふざけんな!!


「避けてんじゃねー!!ファイアボール!!」


避けるなとか理不尽だろ!!


避けるに決まって……


「ファイアボール!」


くそ!!避ける方に狙ってくるとか!!


食らってたまるかぁーーーーー!!!

うお!剣で弾くことができ…


「小癪な!!ファイアブリッツ、ヘキサ!!」


んなぁーーーーー!!

同時に六発とかふざけんなよ!!


うおおおおおおおおおおお!!!


全部、弾けるかもなんて甘い考えをしていました。

六発全部を剣でふれたと思います。


気づけば目の前は真っ白に染まり、凄まじい爆発音が3つ。熱さも痛みもなく、あったのは浮遊感。


一瞬、止まったような感覚がした後、どこかへ吸い寄せられていくような感覚。グシャっと音と共に肩に広がる激痛。


「あ、やべ。やりすぎた…」


急速に暗転していく意識の中でおやじ殿のこの言葉だけが妙にはっきりと耳に残りました……。


はぁ…なんて日だ…

めっちゃ寒いーー!!風邪に気をつけて!

今日も読んでくれてありがとうございました!

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