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えぴそーどよんじゅーさん

「あ…あな…あ、君は?」


あー、変装解けてんだけどなぁ。

つか、散々辺境伯の一人娘とか私は美女だとか言ってたのに男性のフリするかねぇ?


無理やりすぎん?


まあ、いいんだけどさ。それにあわせるから。


「ふむ。無事なようだな。何よりだ。我の名はレオンハルト。ソナタは?」


「レオン…ハルト…?」


さっと膝を折り頭を下げるプリメラ。


んー、髪が長くなってること、これで気づいてくんないかなぁ?


あー、でも変装解けてるって気づいたほうが面倒だったりするかもな。


「そのような礼をとらずともよい。学園では身分などないのだからな。ソナタも早く慣れるとよい。」


「はい…。」


「して、ソナタの名は?先ほど聞き取りにくかったのだが、辺境伯がどうのと言っていたな?縁のある者なのか?」


縁もゆかりもなにも、娘だってめっちゃ聞こえてたけど聞こえてなかったことにしときます。


いやだって、面倒そうじゃん?

聞こえてたってなると面倒の極みになりそうじゃん?


「あ、わた…僕の名はプリメ…プリウスです。殿下。」


ボッロボロじゃねーか!!!隠す気あんのかってくらいボロボロじゃねーか。

つか、ほとんど本名、名乗ってるじゃん。


しかたないからプリウスってことにしといてやるけどさ。


にしても、ふって湧いたこの機会にプリメラ嬢の殺意をどうにか懐柔できねーかね?


「プリウスか。ふむ…。そう言えばスレード辺境伯の娘にプリメラと言う令嬢がいたと思うが知り合いか?」


はい!めっちゃ目を見開いてます。

この子、素直すぎんか?!

驚くと目を見開く人なの?


「ああああ、あの、ププププリメラはわたわたわたしのえーっと…その…従姉妹!!そう従姉妹なんです。」


……キョドり過ぎでしょ。


てかもうね、ここまで挙動不審だと「私がプリメラですっ!」って言ってるのと変りないよね。


従姉妹ってことにしたげるけど。

だって、本人だってわかったら面倒そうじゃん?


もうこのくだりもいいわ!

天丼すぎるっての。


「従姉妹か。ふむ。彼女も入学を?」


「はい。あっ?!いや、えーと、プリメラは、べ、別の学園に…。」


別の学園あるんだ。知らなかった。

いや、でもとっさについた嘘感もあるから、他にないかもしらんけど。


それはどっちでもいいか。


「そうか。」


「……なぜですか?」


「ん?」


「なぜプリメラの事を気にかけるのです?」


「あ、ああ。ソナタは聞いておらぬか?我が幼少の頃プリメラ嬢に大変な迷惑をかけたことを。」


「……存じ上げてます。」


「…そうか。ならば、話は早い。あの愚行を詫びたいと当時何度か足を運んだんだが、会うことは叶わなくてな。その内に我の婚約者が決まり、別の女性の元に通うのは、外聞が悪いと訪ねることもできなくなったのだ。


なので、謝罪もまだできておらぬ。

ゆえに謝罪をと思ったのだが、別の学園なのであれば仕方がない。」


「え?……何度か訪ねてきた?」


「うむ。数度訪ねたが門前で払われたよ。我のしたことを考えればそうなるのは当たり前だがな。」


て、え?

何この反応?

レオンハルト様クソだけど、まだその当時は腐ってなかったから謝罪には行ってたよ?


てか、ねーちゃんそう言ってた。

え?あれって夢小説的な感じなのか?!

そういやソース不明なレオンハルト様情報集も集めてたもんな。

ん?てことは、偽情報というかファンの誰かが捏造、あるいはねーちゃんが捏造した…いや、妄想した情報だったとか?!


「大丈夫です。レオンハルト様は何度もプリメラ様のもとを訪ねておられました。」


おお、ありがとう。エルザのこういうとこほんと有能!!ありがとう!


「そんな…」


んー、この感じを見るに訪ねてきてたこと知らなかった?てことは、家の方に追い返されてた的な感じか?

たしかに、娘に暴力振るった相手を近づけたくはないか。


んーーーー、とは言えレオンハルト様王子だしなぁ。

そんな感じに追い返されるものか?


わからん。が、謝罪がまだだというのは確実なわけだし、それはちゃんとしといた方がいいよなぁ。

つか、それで暗殺やめてください。お願いします!!


無理かなぁー?

ダメかなぁ???


「そうだ。こうしてソナタとか知り合えたのも何かの縁。もし、叶うのならプリメラ嬢への謝罪の場を用意してくれないか?


もし彼女がそれを望まないと言うなら、無理にとは言わない。ソナタが難しいと思うなら断ってくれても構わない。


どうだろうか?」


「レオンハルト様、申し訳ありません。その面会は必要ありません。」


なーーーーーー?!断られた……。

いや、断られても仕方ないとか思ってたけど、思ってたけど……意外とダメージでかい!!


えー、やっぱダメなの?許してくんないの?


「そっ…そう…」


「ですが!!」


あ、はい。言葉まだ続いてたのね。

ごめん。断られて終わりかと思った。


「レオンハルト様のお気持ちはプリメラにちゃんと伝えておきます。そして、そのお気持ちはちゃんとプリメラへと届くでしょう。」


おっおう。

なんかやけにヅカっぽい立ち振る舞いだな。


「レオンハルト様は怪我を負わせたプリメラのことを片時もお忘れになることはなく、ずっと覚えていらしたのですね?」


え?いや、そこまでは……。

つか、レオンハルト本人は確実に忘れてると思うけど……。否定はできない!!

否定するとなんかヤバイ気がするんだよ。


「そ、そうだな。ソナタの言う通りだ。」


「あぁなんてこと……。では、レオンハルト様はプリメラの事は覚えているのですね?」


「う、うむ。」


「レオンハルト様。プリメラとはどんな少女でしたか?お教え願えますか?」


なんそれーー?!つか、それ必要?

なんなの?何が目的なの?!

ちぃーと意味がわからん!!!


「そう…だな。とても髪の美しい美少女であった。そう言えば、そなたと同じ澄んだ空を彷彿させる清らかな青い髪だったな。」


「澄んだ空…。」


一気に耳まで赤くなるプリウス。

そしてブツブツと言い始める。


なんかエルザを見てるみたいですんごく怖い。


「レオンハルト様、同類に思わないでください。」


そうだな。エルザの方が気持ち悪い壊れ方するもんな。


「はうっ!!しどいっ!!」


今度鏡で見せてやるよ。


「なんて恥辱!でも、私はそれすら嬉しく思えますけどね!」


こわっ!!!怖いわっ!!!


「ふふふ、レオンハルト様が私を覚えてくれてた。澄んだ空のような美しい髪だと褒めてくださった。ふふふ。ふふふふふ。美少女?私が?美しいって?うふふふふふふ。婚約者ができてもずっと私を思ってくださってたなんて……。うふふふ。うふ。うふふふ。私は私という存在をレオンハルト様に刻んでいたんだ。うふふふふ。嬉しい…。」


ってーーー?!何いってんの?!やばいよ。こっちも怖いよ。むしろこっちのが怖すぎる!!


てか、なんでこんなになっちゃってんのよ?!

もう、ちょっと発想が斜め上過ぎてヤバいよ。


「ぷ、プリウス殿?どうなされた?大丈夫か?」


「はっ!!!すみません。レオンハルト様。少し昔を思い出していただけで大丈夫です。」


「そうか。なら良いのだが……


それはそうとソナタ、そろそろ儀礼場に向かわぬか?入学式であろう?鐘は鳴ったが今ならまだ間に合うと思うが?」


「入学式?…はっ!!!入学式!!!

レレレレオンハルト様、私、退学ですか?!入学式に出れなくて退学なんですか?!」


……私って言っちゃってるよ。もぉ、ちゃんと演じきってよ。困るじゃん。


「まだ、間に合う。不安なら我についてくると良い。」


「レオンハルト様に?」


「我に呼び止められていたとすれば咎は受けまい。」


「よ?!よろしいのですか?!」


「かまわん。」


「このご恩は必ず!!末代までお返しし続けます!」


「わかった。感謝を受け取ろう。では、儀礼所へと向かうぞ。」


「はいっ!」


って、えーーーー?!簡単にそんなこと言っちゃダメでしょー!つか、かってに一族の道すじ決めちゃダメでしょが!とはいえ、俺も受け入れちゃったけど。

いやだって、この感じなら暗殺されないかなぁって思えるじゃん?

殺意より感謝つよいよね?

これでこの子クリアだよね???


そんな事をうだうだ考えてたら儀礼場についたんどけど。


あれ?このまま、この子連れて行ったらまずくない?

変装解けてるって気づくよね?

気づいてないふりしてたってわかっちゃうよね?


え?


どうしよ……。


ヤバいよ。リミット迫ってきた。

どうするよ?


て、あの門の前にいるのは。


「お待ちしておりました。レオンハルト様。」


ティアナさーーーーん!!


「レオンハルト様、何かありましたか?」


「今朝新入生の登校をみていたら彼がアレスに吹き飛ばされるところをみてしまってな。そのまま放っておくこともできず救助していた。」


「そのようなことが。」


「して、式はどこまで進んでおる?」


「先ほど学園長のお話が始まったところでございます。」


「そうか、まだ始まったところだな。ふむ。プリウス殿安心すると良い。まだ、式は始まったばかり。十分間に合ってるぞ。」


「あ!はいっ!ありがとうございます。」


「ティアナ、彼はプリウス殿だ。」


紹介した瞬間、ティアナが僅かに目を見開く。

うん。知ってる。どう考えても女性だもんね。

いや、この子、魔法で男性のフリしてるタイプなんだけど、魔法解けちゃってるからめちゃくちゃ女性なんよねぇ。


「ティアナ、ソナタに彼を頼めるか?今年は警護の都合上、魔法解除の結界が張られているのだろう?ならば、彼をソナタに託しても危険は少なく思うのだが、どうだろうか?」


魔法解除って言葉にプリメラさんビクってなったよ。分かり易すぎるよ。つか、どっからどう見ても今プリメラさんなんだけどね。解除されちゃってるからね。


つか、そんな結界張られてないから、アドリブの嘘なんだけどさ。


にしてもさすがティアナさん。

しっかり意図を察したのか、頼りがいのある頷きをいただきましたよ。


「かしこまりました。後のことは私にお任せください。レオンハルト様はこのまま壇上へ。」


「すまぬが、任せる。我は祝辞があるゆえ、先に壇上へと上がらせてもらう。


ティアナ、彼は木の上に飛ばされていたせいか少し汚れてしまっている。せっかくの式にその格好では可哀想であろう。儀礼場にある部屋を使って構わぬ。

身を正させてやってくれ。」


「かしこまりました。レオンハルト様の御心のままに。」


頭を下げるティアナに礼を言い、そのまま場内へと入ると壇上へと上がった。


背中にプリメラが戸惑う声が聞こえていたが、後のことは全てティアナさんに丸投げですわ。


ちなみにその後式場に入ってきたプリメラを見れば、しっかりプリウス君に変身してました。


つかさ、魔法使って変身してもやっぱプリメラはプリメラにしか見えないんだが!!


髪が短いか長いか胸があるかないかくらいの変化しかねーよ。


これで暗殺フラグが折れたのかはわかんないけど、プリメラとはそれなりに良い出会いになったんじゃないだろうか?


いやまぁ、このままフラグ折れて欲しいんだけどね。


運命力さん仕事するからなぁ……。


はぁ、マジ勘弁だわ。

少しサボってくれたらいいのに……。

いつも読んでくれてありがとうございます

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