えぴそーどよんじゅーに
「すみませーーーん!どなたかいませんかー?」
プリメラが飛ばされた木のそばにやってくると、助けを求める彼女の声が聞こえてきましたよ。
てか、ここ学園内でもけっこう端の方だから、人こないのよねー。
だから、ほっとけばこのまま何日も見つからず……。
な~んて怖い想像をしてしまったので、助けに来ました。
いやさ、フラグが折れるのはいいけど後味悪すぎるじゃん?こういう形でフラグ折りとかしたくないし。
それに干からびたプリメラが見つかったら、原因不明の完全犯罪よ?なんでこの子は木の上に?とか、どうやってあそこへ?とかの怪異になるレベルよ?
むしろ、あの速度のアレスにはねられて、まだ生きてる事にも驚いてるんだけどね。
まあ、そこはなんだ、常日頃お付き合いのある運命力さんが守るだろうなぁと変な信頼あったんよ。
で、やってきたらこの通り。
声は聞こえど姿は見えず。
事情が分かってなければ、これもホラーよな。
「ううう……、だれかぁ……」
んー、にしてもどこにいんだ???
全く見えないんだが???
「ううっ……なんでこんなことに……せっかく頑張って学園に来たのに……なにかにぶつかって気づけばこんなところだし……。神様は私のこと、嫌いなんですかねぇ?しぶとくいきんてんじゃねーこの糞虫が!!って感じなんですかねぇ???はぁ~……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。生まれてきてすみません。だから、許して下さい。助けて下さい。お願いしますよぉ〜。」
うん、なんかブツブツ言い始めたな。
つか、全部聞こえてるけど、これ聞こえてたとわかると死ぬほど恥ずかしいやつよなぁ?
さーて、どうするか。
うーーーーん……
「どうせ私なんて…」
あ、また始まった。
声だけでもかけといたほうが良いか。
「誰かいるのか?」
とりあえず、今来たって事で話しかけてりゃ問題ないよね?
「います!助けて下さい!お願いします!!」
「わかった。」
にしても、どこにいるんだ?マジで全く見えねぇ。
「ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。」
おおう?!必死?!
そりゃそうか。あの子の状況考えたら恐怖しかねーわな。
「どこにいる?こちらからはまったく見えぬ。」
「だいぶ上の方ですーーー。えーと…校舎!!学園の校舎が目の前に見えます!!」
学園の校舎がが見える位置???
んーーーと、この辺か?
「見えましたかーーー?」
うん、まったく見えない。
少し離れて上の方を見れば見えるかと思ったけどまったく見えない。
「おーーーい???聞こえてますかー???」
にしても、どこにいんだよ?
あ、別に俺が居場所を把握しなくてもいいじゃん。
「え?居ますよね?立ちは去ってないですよね?見殺しにしないですよね?聞こえてますよね???か弱い娘を一人置いて立ち去ったりしませんよね?私、死んだら呪いますよ?恨みますよ?祟りますよ?ねえ?大丈夫ですよね?そこいますよね?ごめんなさい。ごめんなさい。恨むとか祟るとかウソですから。謝りますから。助けて下さい。お願いします。お願いしますから!!あ!私美人ですよ!お父様にいつも『お前はかわいい。美しい。我領よ宝だ』って言われてますよ?男性は美人なら助けてくれるんですよね?美女なら許されるんですよね?ねぇ?聞いてます?そこいます?ねぇ?ねぇ?おねがいへんじじでよぉ…」
なんか早口で言い出したぞ。
微妙に怖いんだが…。
つか、たしかに美人だけどこの子こんなキャラだったんだな。めっちゃシュッとしてて宝塚感あったのに。
あーでも、とっさの時とかけっこうキョドったり可愛い反応あったな。んー、てことは、かなり頑張って演じてたのかもなぁ。
「エルザ」
「だすげでよぉーーー。お願いだがらおろじでくだざいよぉ」
くはっ!?泣き始めた?!つか、情緒どうなってんだよ。情緒不安定かっ!
「ちゃんと下におる。安心せよ。必ず助けてやる。」
「あぁ~、いてくれたんですね。ありがとうございます。ありがとうございます。助けていただいたお礼は必ずします。辺境伯のお父様の名に誓って必ずお礼します。」
いや、別に礼とかいらんけどな?
まあ、ただここで恩は売っておきたい。
助けてあげるから暗殺とかやめてねと。
「別に礼はいらぬ。困っているものがいれば助ける。それは、何も特別なことではないからな。」
「え?いいんですか?私辺境伯の一人娘ですよ?けっこうなんでもできちゃいますよ?お金とか魔物の素材とか価値のあるものとか、ご用意できますよ?
あっ、なんなら、今流行りのアシュクもご用意できますよ?だから、ちゃんと助けてくださいね?見捨てないでくださいね?」
「わかったわかった。そなたを見捨てぬ。そして、礼をしたいというソナタの気持ちも受け取ろう。しかし、そうよな…。我は金や物には困っておらぬゆえ、ソナタが礼をしたいというなら、困った人を見たらソナタが助けてやってくれ。それを我への礼としよう。」
「えぇ~?!いいんですか?そんな事で?!あなた様は何も得しませんよ?」
「構わぬ。そうやって困った人を助ける繋がりができればこの国はより良くなるであろう?」
「たしかに!それはとても素敵ですね!わかりました、そうします。それにしても、なんて素晴らしい。私感激しました!!」
そんなあなたに命を狙われるレオンハルトさまだけどね!!姿見えてないから、それ言えてるだろえけど会ったらなんて言うんだ、この子?
つか、男装の麗人だよな?普通に女の子じゃねーかよ。私とか娘とか言ってるし。変装してるの忘れてるとかないよな?
「あ、ああ。では、今から木を消す。落ちてくるそなたを従者が受け止めるゆえ安心するとよい。」
「へ?木を消す???」
「エルザいけるな?」
「イェス!マイロード!」
うん。それ好きよね。ちょいちょい使ってくるよね。んじゃま、ぱぱっとやりますか。
ほい、収納!
「へ?ひやぁーーーーーーーーーー!!!」
おおー。男服の女の子が降ってくるねぇ。
って、エルザさん飛び上がったーーーー?!
いやぁ、さすが。
うちのメイドさんが男子生徒の制服に身を包んだ、髪の長い女の子をお姫様抱っこで確保したよ。
んじゃ、木を元の位置に戻してっと。
神護の森開拓してて気づいたんだよねぇ。
抜いた木をそのまま別の場所に植えることができるようになってるって。
なので、今回収納した木も元通り。
まぁ、木を家にしていた鶏の卵とかリスとか降ってきたけど……。エルザがなんとかしてくれたおかげで動物の死者もゼロだしいいよね。
ってそいや、プリメラの髪が長い???
あれ?プリメラって変装してるから髪が短いはずだったような???
あれ?
「あわわわわ、あひがとうごじゃいますぅ……。」
「うむ。無事なようでなによりだ。」
「はい、ありがとうござ……」
あ、ようやく俺がレオンハルトだって気づいたかな?
めっちゃ目を見開いてまん丸になってんもんな。になってんもんな。
本年もよろしくお願いします!
今日も読んでくれてありがとうございます。




