えぴそーどさんじゅーいち
う゛ぇぇぇぇーーーっ、はぁはぁ……。
「レオンハルト様……」
ダメだ。吐いても気持ち悪い。
目の前はグルグルしてやがるし……。
そんな心配そうな顔で見るなよ。
ただ気持ち悪いだけだ。何の問題もない。
「大丈夫だ。」
とりあえず、吐いたものを魔法で埋めて、亀裂の底と作り上げた階段を接続……。
うぶっ……ゔぇぇぇ……くそっ!
まだだ、まだダメなんだ。
あいつら助けて、上の奴ら引き上げさせて……早く……早くしないと……。
ゔぇぇぇぇぇぇ……。
……なんとか……繋がったか……。
とりあ…はいた…もの…うめ…て…
「……エ…ルザ……」
「はっ……」
泣きそうな声出してんじゃねーよ。大丈夫だから。
なんか目の前グルグルするし、頭は痛いし、吐き気もするけど、大丈夫だからな。
死にはしない程度だから、たぶん。
エルザが上げた光の玉に呼応するように、光の玉があがる。
思った以上に近い距離で上がって、正直ホッとしたよ。
くっそ遠いとかなると、合流するだけでも大変だったしな。
エルザの念話で全員の無事は聞いている。
フィオナから渡されたエリクサーも、フラグになることもなくマジで助かった。
後は合流して……って、この崖に備え付けられたバカでかい扉……やっぱここだったか。
隠しダンジョンの存在を確認できたのは僥倖だが、このタイミングでここにアクセスできるのは問題でしかない。
誰も門が開けないようにしておかないと……とは言え、今は無理……。
魔力枯渇で俺の意識が確実に飛ぶ。
多分、作業途中の中途半端で気絶する自信がある。
なら、作った階段を塞ぐくらいしかできないか……。
「おにぃーさまぁーーー!!」
おおう! リアーナちゃん!
めっちゃ元気で俺は安心したよ。その声を聞けただけでホッとする。
そして、いつもの超ダッシュ!
なんか一緒に遊んでるうちに、リアーナの身体能力は爆発的に伸びてます。
俺、ダッシュ追いつけるかなぁ……。
「おにぃ…さま……」
こらこら、そんな困った顔しないの。
無事に会えたんだからね?
「従兄弟どの……」
お、アイシャもバトラージュもソレイユも、そんな泣きそうな顔しないの。
みんな無事なんだからね?
「あぁ、レオンハルト様……」
ティアナさん……俺は君の顔を見れただけで十分。
「……本当に無事でよかった……」
あ、つい口から本音が……。
今回のは狙ってやったわけじゃないからな!
本音がポロッとでっちまったいっ!
つかさ、テンション上げてかないと……本当にもう……ポッキリいきそうなんよ。
肉体的にも精神的にも結構限界近くてさ。
ごめんな。
「ほら、みんな早く戻るぞ! 上は地揺れで魔物たちが暴走しちまってんだからな!」
「おにぃさま……その…大丈夫なのですか?」
「ん? 大丈夫大丈夫!! 余裕だ! まったく問題ないぞー!
だから、早く戻ってみんなを拠点側に戻さないと。」
「拠点側とな?」
「ああ。多分、拠点側から亀裂に向けて撃ち落とせば、下にいる俺たちに被害が出ると考えて、亀裂の対岸で戦ってるみたいなんだ。」
「なんとっ! あの者たちには感謝してもしきれんな。」
「ああ、だから、早く戻るぞ。あと、この扉については他言無用だ。」
「レオンハルト様はこれを何かご存知なのですか?!」
バトラージュ、驚いた顔見るの久しぶりだわぁ。
「ご存知じゃないけどな。予想はついてる。かなり危険な封印だ。
不用意に触っていいもんじゃない。ほら、もういいだろ? 戻るぞ?」
そう、早く戻ろう。そろそろオレの空元気も限界なんだよ。
目は回るし吐き気は消えないし……正直、走れるかも分かんね。
だから、頼むこのまま……。
「バトラージュはアイシャを、エルザはティアナを、ソレイユはリアーナを抱えてくれ。
時間に余裕がない。一気に駆け上がるぞ!」
「「「御意!」」」
「待ってください。それではレオンハルト様は?」
「オレか? オレなら大丈夫だ! 一緒に駆け上がる。だから、さっさと戻るぞ?」
「……レオンハルト様。罰は後で受けます。今の貴方をそのままにはしておけません。スリープ。」
なっ、まじかよ?! ここへ来てティアナさん?!
ブルータスお前もかっ!! って叫びたくなるじゃないか!
くっそ! そんなに俺やばいか? ヤバそうに見えたのか?
いや、実際やばいからな、なんともいえねーけど……。
「ティアナ……そなた……くっ……。わかった。後はティアナに任せる……。
だが、これだけはしておかねばならんのだ!!
エルザ!!」
「はっ!!」
「皆を階段のところへ! 急げ! 我意識がある内に必ず間に合わせよ!!」
「御意!」
ほら、大丈夫だから泣くなよ。
泣かなくても無事に帰れるからな?
みんな泣かなくていいから、死ぬわけでもないんだし………。
あー、やべぇ。意識朦朧とする。
スリープで余計にポヤポヤするわ。
「ティアナさん、笑ってよ……」
おおう?! ハッとした顔して泣きながら笑顔とか……超レア表情じゃん……。
「レア表情ゲットぉーーー……はは、俺得だわぁ……最高すぎ……」
あれ? 今声に出てたような???
「まっ、いいか。うん……やっぱティアナめっちゃ好きだわ。
美しすぎる……性格も最高かよ……俺すきすぎて死にそそぉだわ……」
誰かに抱えられてるのわかるけど……めっちゃええにおいすんなぁ……。
ああぁ、安心するなぁ……。
「いつもありがと……この香りはエルザだよなぁ……」
『レオンハルト様しっかり』って、いろんな声聞こえらぁ。
なんか笑える。
めっちゃみんなに思われてんじゃん。
「……俺、幸せすぎんか……?」
「レオンハルト様! レオンハルト様! 到着しました!
レオンハルト様がお作りになられた階段です!」
おっ?! おおう! 現実?!
ちょいと寝てた?! どこまで現実?!
あ……ダメだ……また眠気が……やばい……これもう無理なんじゃね?
「レオンハルト様!」
「階段……登って……三階くらいまで……」
「御意!!」
あぁ、揺れが気持ちいい。
フワフワするわぁ~。
いい匂いだし……。
「ここは天国か?」
「レオンハルトしゃまぁーーーーー!! ありがとうございます!ありがとうございます!
エルザここで死んでも悔いはありません!!」
って、エルザか?! びっくりしたぁ!!
はぁー、やべぇマジで眠気やべえ。
スリープ、ヤバない?!
ここから覚醒させる気付け薬ってどんなもんなんだ?!
ぶっちゃけやばくね?
「レオンハルト様、三階ほどの位置まで登りました。下には誰もおりません。」
バトラージュ? おお、マジ助かる。
ぶっちゃけほとんど目が見えてなくてさ。
眠気もあって結構やばくて……。
「下り……どこ……?」
「コチラです……」
あ、ティアナさんの手だ……。
「ここから下は階段となります。」
「ありがとう……」
とりま、言われた方に手をかざして……放出……。
俺の魔力がつづく限り……。
これで階段埋まったかな?…やべぇ見えね。確認できねーじゃん……はは…あ…やべ……意識……飛ぶ……。
「おにぃさま?!?!」
「レオンハルト様!!」
「従兄弟殿!!」
「「「レオンハルト様!!」」」
あー、みんな心配しなくて大丈夫。
ただの気絶だから………。
たぶん!!
毎日更新されてる方まじすげぇなぁ。
と思う今日このごろです。
いつも読んでくれてありがとうございます。
明日から11月!!
もう冬なのに、連休とても熱いらしいですね。




