えぴそーどさん
公開告白の悪夢から、はや一ヶ月。
あれから何をしてたのかと問われたら、普通の学生生活をしていただけだ。毎日のようにティアナと学園で顔を合わすが会話にならず、挨拶だけの日々が続いている。
ちなみに、あの日俺の元に駆けつけようとしていた執事のブライは、あの一件で腰を痛めて療養中。
なんかホント申し訳ない。
あっ!そうそう!定例のお茶会は何度かしてる。約束してたしね!
なんつかある意味地獄のお茶会……。王城の室外テラスでバラ園を眺めながら。二人でウフフなお茶会をした。穏やかな陽気に食器の音だけが響くほぼ会話のないお茶会……。
まさにディストピア!
たしかに、ティアナは俺の最推しよ?
攻略するために何度もやった!
というか…やらされた……。
レオンハルト様と一番絡みが多いから、やらされるうちに最推しになったんだった…はは…
あれ?なんか涙が?
って!!今はそうじゃないっ!ディアナは最推し!
俺の嫁!
リアルに叶いそうだけど…え?
リアルじゃん!
うっわ!めちゃアガる!!
てわけで、プレイヤーってアレスなんよ!
アレスとしてティアナの事を知ってることは多いんだけど、それをレオンハルトが知ってるのかわかんないんよ。
となると、下手に話せなくて……。
結果無言。
『天気がいいな』とか『バラがきれいだ』とか『そなたより美しい花など無い』とか捻り出して言ってみたけどさ。
終始貼り付けた笑顔!
俺の会心の『そなたより美しい(以下略)』にも『アリガトウゴザイマス』だぜ?
表情一つ変えない張り付いた笑顔だから、言葉が響いてるかどうかもわかんない。
ゲームの中だとくっそチョロインなのに!
……あれはアレスだから許されたんだろうな。
主人公補正恐るべしだわ。
ちなみに『そたなより(以下略)』はアレスのセリフをパクったもんなんだよ?
アレスが言うとティアナさん顔真っ赤にして『嬉しい……。そのようなことを言われたのは初めてです……。』とかいって好感度爆上がりすんのよ?
で、現実どうかってと……。
作り笑顔でニッコニコー『アリガトウゴザイマス』
心折れそうになったわ!!!
とまぁ、そんな不毛なお茶会を過ごしたわけだが……。
このままだと、ひっじょーーーーにまずいのよ!
会話が成り立たなければ認められる事も無く、アレスにかっさらわれたあげく俺死んじゃう!
次のお茶会までに会話出来るようになりたいんだけどなぁ。つか、レオンハルトとしての記憶もないから不利すぎる!
なので、いっろいろ考えてようやく考えがまとまったのがつい昨日。
まず関係を1からつくる!
その為にネタを集める!
これが今の俺の行動方針。
てことで、現在お忍びで城下町までやってきましたよ。貴族街を抜けて平民街までやって来た感じ。
レオンハルト様と気づかれてはいけないから、変装をしてね!
もちろんエルザも伴って。
ちょっと裕福なお坊ちゃまとメイドに見えるように変装してる。
まぁ、エルザは元々メイドだけど。
姉弟設定で出かけようとエルザに持ちかけたらさぁ、エルザが鼻息荒くして『私が……レオンハルト様の姉……姉……レオンハルト様が弟……ハスハスしても赦される?!』とか、怖い壊れ方したからメイドにしておいた。
いやぁー、ここにきてエルザが重度の変態でレオンハルト様フェチってどうでもいい裏設定知っちまったよ。
やっぱメイドでって、いったら血の涙流してたけど見てないことにしたわ。
で、だ。今日まで一ヶ月で行ったのって、学園、学園寮、王城だったわけで、俺としては初めての城下なんだよねぇ。
貴族街ですら学園と王城までの道しか知らなかったし、しかも、馬車だから厳密には道も知らない。学園寮は学園の敷地内にあるしで、ほとんど外を見ることなかったしさ。
そもそも、レオンハルト様自身が城下町に降りることがなかったみたいで、エルザに平民街まで行くと伝えたらとても驚かれた。
レオンハルト様めちゃくちゃ貴族主義だったから下々の生活なんて興味なかったんだろうね。
で、やってきました、平民街!ぶっちゃけ感動した!
中世ヨーロッパ風の世界観なのに上下水道完備してるのっ!だから街がやたら衛生的!なので、臭くない!ついでに紙も水も豊富なのよ!
だから、トイレがとても綺麗!!
トイレが綺麗な国って多くないのよねぇ。先進国とかでもトイレが汚いとこ、けっこう多いんだぜ?あれって水と紙が豊富でないと維持できないんだとぉー、しらんけどぉ。
街にカフェはあるし商店も充実してる!酒場はいくつもあるし歓楽街もちゃんと備わってんのにスラムなんてもんないんだぜ?それから一番胸熱だったのが、各種ギルドがある事!冒険者や商業ギルドなどなど!すごくね?それ目の当たりにしておもったね。『やっぱゲームの世界なんだな』って。
てっか、色々謎発展な時点でファンタジーなんだけどさ。
ちなみに、マヨネーズや醤油なんて異世界転生あるある調味料はすでに存在してる!なので、食文化は超豊か!ギャルゲー定番のスイーツ類はもちろんありますよ!
そんな世界な訳で、世界の発展の仕方が『好感度アップはここでしてねー』って感じのご都合主義というかなんというか……。まあ、そんな感じなワケよ。
でぇ、今俺は王都一の商会『トマス商会』の応接室にいる。もちろんここではレオンハルトだと明かしているから超好待遇よ。
トマス商会本店は平民街にある。もちろん貴族街にも店舗はあるんだけど本店は平民街から移さないんだって。
これも、アレス君の拠点が平民街だからっていう世界設定に準拠してるみたいなんだけどねぇ。まぁ、ゲームのシナリオに関わるからって事。
リアルになってもそこが変わらないのは運命力の強さ凄まじいわ。つか、それが自分に向いてたらと思うとホント怖い。
てなわけで、目の前に座る商会長トマスさんは茶色髪とカイゼル髭がチャームポイントのイケオジ。基本的にこの世界、アレス君と関わりのある人物は『イケメン』『イケジョ』ですわ。
関わらないくせに父上も義父上もイケメンだったけど……そう考えると顔面偏差値普通に高いだけかもしんね。
で、ここに俺が何しに来たかというと……この世界は文明の発展がめちゃくちゃだからそれなりにあんのよ、無いものが。てことで、ティアナとの話題作り+小遣い稼ぎできないかと思ってきたんだよねぇ。
「これはこれは、レオンハルト様。ご来店誠にありがとうございます。」
もみてもみて。
って、初めて見たわ!リアルもみて!
「して、本日は何をお求めに?」
もみもみ
「ふむ、まずは時間を作ってくれたことに感謝する。」
「いえいえ!そのようなことは!」
やたらと驚いた顔してるよ……。レオンハルト様日頃の行いクソ悪いから…。
「そうか?では、その気づかいしかと受け取ったとしておこう。して、今日の話だがこういった玩具を見たことはあるか?」
エルザに指示を出し紙で自作したオセロ(リバーシ)を披露する。
「これは一体???」
おっ?これは見たことなさそうじゃん!
ええ感じや!
「盤上遊戯の一種だ。」
「はぁ?すみません。無学故このような物は初めて拝見いたします。」
おっし!やっぱりここの文化はいびつだ!ゲーム上に設定されてないものは存在してない可能性がたかい!
「ふむ、1度やってみるか?」
ルールを説明しながら1局指してみる。
まぁ、俺の楽勝だよねぇー。
これで負けたら情けなすぎる。
「我の勝ちだな。」
「ほぉーーー、これは……。」
「もし良ければウチのエルザと何局か指してみてはいかがか?」
「よろしいので?」
あーあー、トマスさん、良い表情してくれるよ。これは期待できそうだ。
「かまわん。我は対局を眺めさせて貰う。」
こうして二人の対局は始まったのだが、なかなか良い具合だ。狙った以上の反応で二人とも楽しんでいる。対外的にいつも硬いエルザが砕けた話し方に変わっているし、トマスさんも俺のことを忘れてんじゃないかと思うくらいに熱中してる。
この世界、娯楽が少ないのよね。つか、運営の独りよがりと言われた、ミニゲームとは思えないほど力の入ったミニゲームは存在する。複雑なルールで四面チェスみたい物なんだが、そこに力を入れすぎたのか、他に娯楽が一切無い。
ちなみにこの世界に来てわかった事なんだがトランプやダイスですら無い。しかも、四面チェスもどきはあるのにチェスはない。演劇や歌は貴族の嗜みで庶民には縁遠い。
よって庶民の娯楽は極端に少ない。本屋は平民街にもあるのだが、平民の識字率は低く字が読めない、字をかけない者が多くこれも娯楽になり得ない。よって、庶民の娯楽と言えば年に四度行われる季節祭や国が主体の武芸大会、あるいは親から子に受け継がれる寝物語くらいになる。
そんな娯楽に飢えた人々に餌を与えると、どうなると思う?
と、カッコつけてみたが凡人な俺にそんな反応を読み切れる訳もなく、なろう系あるあるやってみたらバッチリヒットしたってだけだけどねー!
トマスさんの反応見てたらこれは、成功したっぽい。さていくらで買ってくれるか、楽しみすぎる。
かなり字数にばらつきががががが…。
読んでくれてありがとう(*´ω`*)




