えぴそーどにじゅーさん
エドガーに案内されて来た場所は魔の森と世界のへそと呼ばれる山の麓だった。
山側は崖となり上空からの侵入を妨げ、森側は村を囲うように綺麗にできた深さのわからない裂溝を利用し侵入を阻んでいた。よって村に続くのは一本の吊り橋のみ。また、村側には返しのついた殺意高めな防壁が村を囲んでおり、村だと聞いていなければ要塞だと感じるような場所だ。
しかし、塀の中には建物など小屋が少しあるだけで居住区のようなものはなく、崖側にやたらと豪華な門?家?が設置されていた。
まぁ、これは十中八九あの崖側の建物の中に洞窟があってそこが居住スペースにでもなってんだろな。
つか、ここどこよ?エルザさんやりすぎてねーか?誰がこんなもん作れって言ったよぉ…。
…いや、まさかな…まさか、ほんとに原住民いたとかではないよな?ないよなぁ???
ちなみにそのまま建物の中に入ると予想通り崖の中へと続いており、しっかりと居住スペースがあった。
てかね、洞窟の中なのに明るいのよ。ぼんやり明るくて神秘的なの。なんか、光る苔が自生してるっぽい。
んで、洞窟の奥へと進むとある程度大きな広間へと通された。
「エドガーよ? その者は?」
おう!? これまたイケジジイ! くっそ男前のジーさん座ってたよ。族長とかそんな系か?
つかさ、俺以外誰もいないんだしもう演技よくね? 普通にしててくれていいのに………演者だよな?
そこはかとなく嫌な予感がしてきたんだが…演者なんだよな?
「使徒様の使いの方です。」
「使徒様じゃと?!」
「はい。森の入り口を切り開いた者を、知っていると。」
「なに? あの広場を作ったものを知っていると申すのか?」
うん、なんつかプロなんだなぁ。すごいなぁ~。きっとプロだから手が抜けないんだよなぁ…。きっと…。
不味いだろ!!! これっ!! まじで居たのかよ!
原住民!!! そりゃエルザが焦るわ!
理解しちまったよ。理解したくなかったよ!
えーーーーーーーーっと、どうしよう?
「はい。」
「使者殿。それは真?!」
使者ね。死者かと思ったわ! 消されるかと思ったわ!!
「森を開けるのは事実です。それが使徒かと問われれば私どもにはわかりかねます。」
「使徒ではないと?」
「そのような呼び方はされていないので。単純に伝えられてきた文化の違いかと…。」
うん。使徒なんて初めて聞いたし。なんそれ?って感じだし。
「ふむぅ…外には、国というのがあり多種多様な生き方をしてると聞いたことがある。だからか?」
「わかりませんが森を拓くことが出来るのは確かです。」
やっぱこれ本物だよなぁ…。んー、どうしようか。ほんとにどうすればいいのか?
「お祖父様、使徒様かどうかはわかりませんが森を拓いたのは事実。ここはその方に頼むしか手段はもう…」
ほほぉ? 何かお困りのようで? 一体何を困ってるんだ?
「ふむ、確かに。使者殿、使徒殿は我らの頼みを聞いてもらえるだろうか?」
「どうでしょう?どんなものかによるのでは?」
「ふむ…。実は…」
じーさんの話してくれた内容をまとめると、村人は村の外へ出たがらない。今まで出奔したものは一人もいないらしい。で最近になって人数が限界を超えてきて、森へも山へも拡張できずに洞窟内に人が溢れかえってるらしい。なので、住処が欲しいんだと。てか、ここの拡張して欲しいらしい。
そりゃすし詰めですんでたらいやになるわなぁ。
また、血が濃くなりすぎてるのも問題なんだろう。
ふむ…。これって助けに船なんじゃね?え?運命力さんここでは味方してくれるの?普通に物語を進めてたらぁ………ないな。ここが絡むシナリオはないはず。なら、この幸運は一体?シナリオに戻れよー、お前は死ぬんだよーって死神の鎌ちらつかせていた運命力さんがなんか優さ見せたんだが。
むむーーー、やっぱ運命力なんてないのか?今までのが俺の被害妄想でしかなかったのか?
いや、油断はできないな。
うんうん。
あるにしろないにしろしっかりと準備はしておかないとだ。
さて、そんなじーさんの長ーーーい話を聞いていたらエルガーさんが戻ってきたよ。どうやらレオンハルト様が到着したらしい。
正直どんな役者を使ってるのかすっごく楽しみだ。似てるのかなぁ?似せてきてるのかなぁ?
エドガーに誘われレオンハルトがいる場所へと向かうと砦に入ったところの広間に5人。
え?思ったよりも人数多いんだが?つか、誰だ?
全員がローブで顔を隠しているからわからない。
「おにぁーさまぁーーーー!!!」
一際小さなローブが俺を指差しそう叫んだ……。
はっ?!
えっ?!
はっ?!
あの声あの言葉、どう考えてもリアーナ?!
はっ?!
各々がローブを取るとそこに現れたのは…。
誰だ?!
「おい!貴様!今私を見て誰だとか思っただろう?」
え?いや…え?!
「お兄様、レオ様はそんなお方ではありませんよ。」
て、ティアナぁ?!
「そうだぞ、ジークフリード殿。従兄弟殿はそれはもう素晴らしい御仁に成長されておるよ。」
アイシャぁぁぁぁ?!
はぁ?!なになにちょっと待って?!どゆこと?
あの三人には国でのこと任せたよね?俺任せて来たよね???
なんで?!
「その通りです!ジークフリード様。今回レオンハルト様がジークフリード様を選ばれたと。未来の宰相にとジークフリード様を所望されたと…なんてうらや…。ゲフンゲフン」
あ、エルザだんなんだろ、エルザをみると安心する…。
って。だから何でアイツは俺の心の声がわかんの?安心するとか思った瞬間ニヤニヤし始めやがったよ。
怖いわっ!!
「……ジーク、よく来てくれた。心より感謝する。」
危なかった、エルザがいなければ放心してるとこだった。ってだからニヤニヤすんなっ!!
「んなっ?!お前がそのような?!偽物か?!」
おいおい、大概酷いな。つかさ、この国第一王子とかもう関係ないよね?レオンハルトくん、バカにされすぎやないか?これで王位継承レースの順列が第1位っておかしかねーか?
おかしかねーか…あのライターだし…
って!!!あのライターだしで何でも許されると思うなよ!許されるけど!!!
「はぁ、偽物じゃないよ。わざわざ来てくれてありがとな。で、ティアナとアイシャとリアーナ。なんでここにいんだよ?」
目を丸くするジークフリード。ティアナ、アイシャ、リアーナは嬉しそうな表情だが少し驚いていた。
なんで?
あっ!!
我とかソチとか言ってねぇな。つか、言葉が変な変換入らなかったからほぼ俺の原文ママってやつになってる。
そりゃ驚くわな。
「い、従兄弟殿?その話し方は…」
「ふふふふ!おにぃさまが心を開かれた証拠です!!おにぃさまは心を開かれた方にのみあの話し方をされるのです!」
「え、いや、ちが…」
そんなことはない!断じてそのような理由ではないぞー!そうなるとティアナに心をひらいていなかった事になるからな!!
「そうなのです!レオンハルト様が本当に心を開いてお話される時はあの様にお話なさるのです。今までは私とリアーナちゃん、アイシャさんのみでしたのに…お兄様も認められたということですね。」
ティアナまでぇー?!えーーーーー!!!
「俺が?認められた?」
え?認めるって何?
あのたまたまですから。認めるも何も俺はあなたを知らな…知ってたわ。すまん。男キャラに興味ないし家族間でもジーク推しいなかったからスマン、顔とか忘れてた。
「そうです。お兄様の努力がついに報われたのですよ!」
えーと、ティアナさん盛り上がってるけど俺にはさっぱりなんのことか…。
「うぐぅ…苦節13年。幼い頃よりレオンハルト様をお支えしようと努力を積み重ね、近づけば近づくほどに煙たがられ疎遠にされた、この私が…。ついに…ついに…。お父上から伝えられたあの言葉を今の今まで疑っていた。まさか、レオンハルト様が…ひぐぅ…」
え?マジ泣き?!嘘でしょ?なんで?!嘘だよね?え?え?え?シスコンで妹がレオンハルト様大好きだから嫉妬していじめてたんじゃなくて?
親身になってレオンハルトを諌めてだけってこと?
え?!ええ?!
ジーク君、レオンハルト様が大好きだったってこと?!
好き過ぎて認めてもらえなくて反発して出てったの?
嘘だろ?!
あー、えーと…これどうしよ?
「あーと、ジーク?悪いんだけどその…これからは俺の支えになってくれないか?」
クワッと目を見開くジーフリード。いや、怖いて。
「望外の喜び!身を粉にして働かせていただきます。」
「お、おう。体壊さない程度にな?お前がいないと大変なことになりそうだし…頼むな?」
「喜んでぇぇぇぇぇ」
あー、ちゃ。顔を隠して泣き始めたよ。嬉しかったなら良かったんだけど…。なんかごめん。
つか、それはいい!!それはいいとして!あとの三人!!
「ティアナ、国のことは任せてたと思うけど…えっと、これは?」
「はい!お兄様が戻られて差配をお願いしたら、半年ほど戻らなくても大丈夫な状態になりましたので、みなで罷り越しました!」
嘘やろ?!有能すぎんか?!ティアナもアイシャもリアーナもエルザも皆んな有能だけど、そこに輪をかけてこの人有能なの?!すごすぎやしないか?
「いえ、私でもそれくらいなら…」
え?エルザもできんの?え?頼まなくても連れてこれるくらいにできたって事?
「はい…」
コイツらやばすぎるな。つかもう、エルザが俺の心の声と会話しても不思議に思わなくなってきたわ。さすがだよエルザ。
「これも"愛"のなせる技です」
あー。はいはい。ありがとね。
「みんな、すまないね。わざわざここまで来てくれるなんてとてもうれ……ちょっと待ってリアーナ大丈夫なの?!」
「はい!お父様にちゃんと許可を得てきました!こちらに赴く際にもバトラージュから許可を得てます!ね?エルザ?」
「はい。リアーナ様をお守りする約束で連れてまいりました。レオンハルト様がお喜びになるかと思いまして。」
ちらっとアイシャとティアナを、見るとさっと視線をそらして頬を掻いていた。
あー、これはなんかあったよねぇ。あったんだよねぇ?
リアーナちゃんわがまま通しちゃったかなぁ?でもどうやって?てか、あのエルザが俺以外の護衛を引き受けるって何かがあったの?!
「わかった。で、何したの?リアーナ?」
「なっ?!何もしていませんよ?おにぃさまのお顔を記したイラスト集など私作っておりませんよ?そのためだけの魔法を皆さんにお伝えしたりなんかしてませんよ?」
ほぉー、丸わかりです。うちの妹は正直かわいいな。
「わかった。リアーナ、そういう魔道具を戻ったら一緒に作ろうな?」
「はいっ!おにぃ様!魔法の概論はできているので簡単に…あっ…。」
ハッとした顔になるリアーナ。さて泣く前に抱き上げて頭をなでる。
「リアーナはほんとすごいな。俺の自慢の妹だよ。」
「はいっ!」
そしてこっそりとリアーナに伝える。
「今度ティアナの分を作ってちょうだいね?」
「かしこまりました!お安い御用です!」
とお願いしたのだが後日出来上がったものを頂いた結果。
6割ティアナ、1.5割エルザ、1割リアーナとアイシャ0.5割でなぜかジークフリードとアレスが入ってた。いや、最後の2人はいらんて!できたらアイシャのははう…ゲフンゲフン。
俺はティアナ一筋だっ!!!!
「すまぬが使者殿。使徒殿はどなたにあたるのか教えていただけないだろうか?」
「あー、うん。……」
「おにぃ様何を話してらっしゃるのです?」
「え?何をって使徒殿の話だけど、正直どうしょうか困っててねぇ。そのまま伝えるか否か…」
「へ?使徒?あのおにぃ様はその方の言ってることがわかるのですか?」
えっ?!
まじ?
嘘でしょ?!
あ、嘘じゃないね。周りの人たちがウンウンしてる。まじか、ここにきてまじか!
普通に話してたから気づいてなかったけど別言語なのか?!
「もしかしてだけど、言葉分からない?」
「はい!普通に話せてるおにぃ様はやはりすごいです!」
むぅわぁーーーーじかぁーーーーー!!!
ここにきて言語が違うとか一番やばいじゃねーか!俺はわかる俺はわかるよ?ただ言語が違えば相互理解なんて…。ちょっと待ってマジで大問題なんだが!!
「使者殿、彼らはなんと?」
「あー。うん。ごめん。使徒はオレだから。森拓くのね。分かってるし引き受けるからちょっと待ってね?」
「なんですと?!?!」
エドガー君めっちゃ混乱してるけどムシムシ。そんなことよりだ。ホントどうすんのよ、これ?ここに街を開いたとして住民うまくやれんの?言葉違うんでしょ?え?オレ通訳し続けるとか無理よ?
どうするどうするどうする?!
「レオンハルト様、どうされました?」
ん?ジークフリード…長すぎるわっ!!ジークでいいや。
「あ、ああ、言語が違うとなるどうするか考えつかなくてな。俺だけなら何とかなるんだが街の人々となると…」
「なんと…なんて素晴らしい!レオンハルト様が民のために心を砕かれているなんて…」
「お兄様、レオンハルト様はとても素敵な方なのです。以前、民とは触れ合うなと申されたのも何か深いお考えがあってのこと…今では積極的に民の英雄となられていらっしゃるのです!」
あ、なんか、超全肯定してくれてるけどごめんよ…。そこまでのもんじゃないです。前がひどかっただけだからね?
「そうなのか、ティアナ。なんと素晴らしいことだ。これぞ私が思い描いた王。仕えるべき王はやはりここにおられたのだな…。」
「お兄様…」
あのー、2人でなんかいい感じになってるけど問題解決できてないからね?
これどうしろってのよ?つか、アイシャもリアーナもなんでそんなことよりだ期待のこもった目で俺を見てるのよ?何も浮かんでないよ?浮かんでないからね?
「レオンハルト様、この件は私に任せていただけないでしょうか?」
ん?ジークに?任せていいの?いいなら任せるけどいいの?
「任せていいのか?」
「もちろんでございます!」
「わかった。任せるとする。だけど、まずはこの話を固めねばな。ジークフリード、案はあるのか?」
「いくつかの思いついております。」
「ふむ…俺がやるべきことは?」
「はっ!街をつくる旨をそちらの族長と取りまとめていただき、少しの間……3日…3日猶予をください。」
「3日の猶予?」
「はい。レオンハルト様に通訳をお願いするのは忍びないのですが3日だけお願いできないでしょうか?」
「構わないが…まさか、覚えるのか?」
「はい。3日でどうにか言葉をマスター致します。ですので…」
「わかった。ジークフリードが優秀なのはわかったが、街をつくるんだ。そこはちゃんと時間を取りたい。言語の習得は3日でなくて良い。オレについて、時間をかけて言葉を学んでくれ。分からないことのがあれば聞いてくれ。それだけなら教えてやれる。」
「はっ!望外の喜びにてございます。」
えーと、これでいいのかしら?てか、3日で言語習得ってどんな脳みそしてるのよ?すごすぎるでしょが。
さてと、フリーズしちまってるエドガー君叩き起こしてみんなで長老のとこ戻りますかね。とりあえず、街の案を受け入れてくれればあとはジークに丸投げでいいや。うまくやってくれると思う、たぶん!
てなわけで、さて…
「あー、エドガー君。そろそろこっちは纏まったからいいかな?」
完全に放心状態の彼に声を掛けると驚いたように飛び上がり…土下座…
おいおいまじかよ。望んでないってそれ…
「なんと?!レオンハルト様の御威光があの瞬間に伝わったのか…」
ジーク…よくわからないこと口走らない。あとエルザ?拍手しない。喜ばない。……あれ?なんだ?喜ぶエルザが少しかわいく…見えてない!!!
一瞬喜ぶ表情を見せたエルザが絶望した。
これ、結構楽しいな。
「で、エドガー、わかったから。早くおじいちゃんとこ連れって?」
「ハッ!!!使徒様とは知らず数々のご無礼…」
「そういうのいいから。使徒かとどうかはちゃんと事をなしてから判断してくれればいいからね?今俺が嘘ついてるかも知んないよ?できると言ってできないかもしれないだろ?だから、大仰にしないでくれ。」
「た、たしかに!ですがその言を聞いて私は…」
「わかったから。けど、ちゃんとそれは確認してから?わかった?」
「ハッ!では、こちらでございます!」
ふぅ。まぁ、できるけど。少しは疑いを持ってほしいよ。なんてか純粋すぎるんよ。頼むよまじで。
そんな訳でササッとじぃさんとこ戻ってきて同じように伝えたら同じような反応したからエドガーと同じように注意した。この砦の人間こんなんしかいないんか?排他的すぎたせいか中に入ると超純粋でちょっと困るんだけど…。
「というわけで、街を興したい。内容はさっき話した通りだ。君たちにはこの街をおれの思うように仕切ってもらう。その代わり君たちの住む権利を保障しよう。どうだい?」
「よろしくお願い致します。」
深々と頭を下げる族長。ラドガーという名前らしい。
んなわけで、原住民の王族ラドガー爆誕ですわ!まっ、お披露目やらなんやらはまだまだ先だけどねー。
まずは森を拓ける証明と街作りに村人総出で寄与してもらわないと。それはそれとしてまずはこの拠点をもう少し住めるように改良しようかね。
んー、いや、ここをそのまま街にするか?
だが、なぜ洞窟に住んでる?耕地面積の確保のためか?
「使徒様。宴の準備が整いましたのでそち…」
ちょっと待てお前ら!!!言ってる傍から照明もしてないのに宴の準備してんじゃねー!!!
てか、そのへんの手回しよすぎじゃねーか?まずは俺ができる証明をしてからにしろいっ!!!
「待てラドガー!まずは俺がこの地を拓くことができると証明するのが先だ!宴はその後だ?いいな?」
「なんと…」
なんと…じゃないよ全く!
「さて、拓くとして手頃なところは何かあるか?」
「では、この洞窟を拡張して頂けないでしょうか?」
「ここをか?構わないがなぜ洞窟に?」
「外は稀に山から魔物が降ってきますので…。」
おいおいまじかよ。晴れときどき魔獣とかシャレなってねーじゃんよ!
「里の戦士達がいればどうにかなるのですが戦えないものも多くいますゆえ…」
安全確保に洞窟だったわけか…。
ふむぅ。
洞窟の街…いや、良くないな。山の中の構造が分かんない。万が一変なとこにぶち当たってお陀仏なんてシャレにならねぇ。なら、やっぱ森を拓いたほうがいいとして…。ここは仮設住宅として使わせてもらうか?
とりあえず、外に置いたままの流浪の民も危険だし安全の確保は必要だもんな…。
「ラドガー、この中を拡張する。だが、それに合わせて俺の民をここにつれてきてもいいか?」
「使徒様の民ですか?」
「ああ、さっき話したやつらだ。たぶん言葉は通じないから最初は色々と2つに分けるがこの中を使わせてほしい。」
「それはもちろん使徒様の御心のままに。」
“御心のままに“この世界来てこれ何回聞いたことが。していいなら助かるけどいいのかよ。
まっ、いいってんだからいいんでしょ。なのでぱぱっと拡張した。この中に500人くらいで済んでたらしい。つか、もうぎゅうぎゅう。300人間界のところを500人で済むってやばいでしょ?酸素足りてたのか謎すぎるわ。
しかも、そのうち戦士団250…。人口の半分戦士ってやばくね?普通ないからね?
なので、洞窟を倍以上の広さにしました。上に上げるのはきついから舌奥横へと広げた感じ。ぶっちゃけかなり広い。まぁこっちも300人ほどいるしね…。
ちなみにこれ、1日でやれてしまったよ。
俺たち用の部屋を先に作ってエドガーにうちの子たち護衛してもらってるうちにぱぱっとラドガーと拡張していった。
朝になると倍以上の広さの拠点が出来上がり!いやぁ途中やばめのガスとかマグマとかあったんだけもそういうのもスパッと回収できて驚いたよ。
マグマやガスなんて触れてもないのに土にくっついてたら一緒に回収できるみたい。安心安全な土木魔法ってチートすぎんか?あ、ちなみにその要領で地下水もゲットした。とんでもない量の水が手に入って変な落とし始めたから速攻水だけ戻したら音も止まって…。たぶん大丈夫だと思うのだけど…。怖かったから水が取れた範囲を指定してその周辺を強化しておいたよ。まっ、ガッツリ魔力もってかれたから今日はここまでってなったんだけどそれでも十分すぎる面積を確保してたみたい。
まぁ、あとはラドガーに丸投げよ。丸投げ。
ちなみに取得物がさぁ…神護の土とか神水とか神護のマグマとか、オリハルコンやミスリル、緋緋色金やらアダマンタイトやらなんやらヤバそうなのいっぱい手に入ったんだけど…あ、あと神鉄もあったな。これ価値基準どうなってんだろ?
ちなみに神護の土って普通なら掘削できないんだって。
ストレージにあった土を出したら小山を作って手でもショベルでもツルハシもなーも動かせない不動のものになってた。やばいよねぇ…。なので、俺の魔法でしっかり回収しておきましたよ。
ラドガーが。使徒様と拝み始めたからめんどくさかったけど。
で、朝になったわけなんだけどいやほらもうね、おれは疲れたのよ。宴って気分じゃないのよ?
ラドガーのじーさんが元気すぎてビビるんだけどね。宴し始めたから。朝から。なので、オレとエルザは徹夜で宴に参加してますよ?
リアーナが嬉しそうなのが救いだけど。
まっ。そんな訳でティアナの護衛につけていたソレイユをバルバロの元に走らせ、エドガーに迎えを頼んだんよ。彼らをさっさと拠点に囲わないと不安で仕方ないからね。
ジーク達が見繕った王国騎士が護衛してると思うけど…。大丈夫だよな?
そんな感じで宴に参加してた俺もさすがに限界。
眠くて仕方ないから途中で退場しようと思ったらなんだか綺麗なお姉さん達に付き添われ…。
エルザが止めてくれた。
心底助かったよ。
ありがとうな…エルザ。
意識が朦朧として部屋に着くなり俺はそのまま眠りに就いてしまった。
いつも読んでくれてありがとう!




