えぴそーどじゅーく!
流民の集落に援助を始めて早一ヶ月。援助は順調につづいてます。大きな事件もなく、変わらぬ日々を暮らしているのだけど……。
集落の人口10倍になってしまったorz
つか、増えるとか考えてなかった。噂が人を呼んで真実だと知って定住。安息の日々を得られてるようです。
ちなみに定期的にレオ様として視察してたんだけど、行く度に増えた人達の代表から挨拶と感謝を頂いていました。
もぉーね、増えないでくれってめっちゃ思ってたんだけど、増えたね。300人くらいになったよ。屋台に出す金額とか増やして対応して貰ったけど屋台の数も倍以上になってんだよねぇ。
ただ、おっちゃんたち面白いことしてた。屋台をトール王国の人達に任せて、自分達は監修してたんだよ。給料はその日稼げた分だって。旨くやったなぁって思った。ちなみにどういう取り決めしてるかはしらん。支払われるモノがちゃんと支払われて、雇う側、雇われる側が満足してたらそれでいいしね。
まっ、そのおかげか王国内で流民による犯罪や被害はまったく出てない。むしろ大変な仕事を変わってやってくれてるようで、いっこうに進まなかった整備や拡張が一気に進んだらしい。
そんなわけで多少の想定外はあったものの一応安定してて平和な感じです。
とはいえ、オヤジ殿から呼び出しくらったから問題になってきたんだろうけどね。
あーーー、やだわぁー。
てなわけで、王城執務室です。いつも通り義父上もいらっしゃいますよ。つか、十中八九流民の事なので憂鬱です。わかってます。増えすぎたんですよね?
「おう!レオンハルトやってくれたなぁ。お前のおかげで類を見ない好景気だわ。」
お?お褒め頂ける?『アシュク』と『ハゴイタ』の件か?整備が進んだ事で景気よくなってるからか?
「にしても、今回のはちぃーといただけねーわ。お前、流民増やして何する気だ?市井の英雄レオ様?」
はいきたーーーー!やっぱそれよねぇ。
「父上、からかわないでください。」
ちなみに市井では『王国の賢雄レオンハルト様』で『市井の英雄レオ様』らしく『王国の傑物にはレオがつく』ということになり、子供達の名前に『レオ』を含ませるのが秘かなブームらしいです。『レオパルト』とか『アレオ』とかって感じらしい。
「で、どうすんだ、これ?30人定度なら知らぬ存ぜぬで通ったが、ここまで増えると庇いようがねーぞ。」
まぁ、たしかにそうですよねぇ。オヤジ殿達が流民に手を出さなかったのって外交絡むからだろうし。
「なんで炊き出しなんてした?いや違うなあの規模の炊き出しなんて炊き出しじゃねーな。あれだけやれば人が増えてあたりまえだろ。わかってやったんだよな?」
はい、そこまで考えてませんでした!!!
ごめんなさいっ!
とはいかないよねぇ。だから、この一ヶ月で手をうたなかったわけでもないのよ。人が増えてきていよいよヤバイなぁって思ってたから、一応プランを練って下調べもしてあんだよねぇ。ただその案をオヤジ殿が聞いてくれるかどうかだけど。
てなわけて、実は今すっごく正念場なのよね。
「もちろん考えております。このひと月で可能な限りの調査を行っておりました。」
「ほぉ?どんな考えだ?」
「父上、カラッサ王国までの直通の道が欲しくないですか?」
おお!オヤジ殿も義父上もええ反応。そんな道あるなら欲しいよね。
「欲しいにきまってんだろ。しかし、それとどう関係する?」
「はい。説明します。エルザ!」
いつも頼りにしてます、エルザさん。
今にやけんなよ?わかってるよな?
危なかった。頼りにしてるとか思った瞬間顔蕩けそうになりやがった。エルザさん、心の声聞こえてるの?
オヤジ殿の執務机に地図を広げ、書き込みながら説明していく。
「まず、ここに拠点を作ろうと考えています。」
このクライン王国とカラッサ王朝まで直通で繋ごうとすると『魔の森』と呼ばれる深い森を通らなければならないため直通路が存在しない。その為、一旦東に抜けて他国を経由してカラッサ王朝へと向かう形を取っている。
その為、税金やらなんやらでカラッサ王朝と取引するだけで無駄なお金がめっちゃかかるんよ。それでも魔の森を越えるリスクと費用の方がかかるから迂回してるんだけどね。そこの安全が確保されればクライン王国としてはかなりいい話なはずなんよ。
そんなわけで魔の森に道を通し拠点を建てようと思いました。
「お前、なぜ魔の森が開発されていないかわかってるのか?」
「わかっているつもりです。」
「魔物が大量に出没するからじゃねーんだぞ?」
「ええ。もちろん、把握しております。魔の森の魔物は厄介ではありますが王国が開発に着手できないレベルの魔物は生息していないでしょ?森の北東にあるバベルの山なら別でしょうが。」
「ふむ。それを理解していて開発するってことか?」
「私なら可能でした。」
「なんだと!?あの硬い木々を切り倒し土地を拓けるというのか?あそこの木は王国の剣であるランスロットですら切れないんだぞ?」
王国最強武力。一騎当千のランスロット。書いて字の如く本当に一騎当千なんだよなぁ。ゲームの世界ならではのぶっ壊れ人間ですわ。ちなみにコイツに模擬戦でアレス君が勝つと『武の誉れ』って実績解除とランスロットの持つ武器を貰えます。
ギャルゲにその要素いるか?って思いました!
「はい。理解しておりますが木を切ること、土地を拓くことに成功しました。それなりに深い所まで調べましたが可能です。」
「どうやったんだ?」
「私の魔法特性なら可能でした。」
「土木魔法か?そんなことが出来るのか?」
「戦闘利用は出来ませんがこう言った利用は幅広く可能だと思います。」
まぁ、戦争利用も可能なんだけどね。道なき場所に道作れるから戦略的な意味はかなり大きいとおもう。特にこの文化レベルなら価値は大きいはず。戦争利用されたくないから言わないけど。
「ふむぅ。」
「そこで父上にお願いが。」
「なんだ?」
「まずはジークフリードを私の部下にしてください。」
「ジークフリードをか?お前、アイツと相性悪いだろう?」
そうなんです。ジークフリード、ティアナの兄でフーレル家長男。シスコンを拗らせた彼は貴族主義のレオンハルト様を毛嫌いして唯一エンディングでアレスと出奔する男キャラ。てなわけでレオンハルトとの相性は最悪です!だけど、能力半端なく高いの。優秀なの!
レオンハルト様と相性悪すぎて神聖王国に留学させられてたんだけど、ティアナの兄なんで年齢が一つ上なワケですよ。実は最近卒業して帰ってきました。
「以前はそうでした。ですが、これより関係を築きなおしますよ。彼は優秀ですから。それにまだ国務に携わっていない。ならば、引き抜いても他に迷惑はかからないでしょ?色々と条件がいいんです。懸念があるとすれば私との確執のみ。ただそれだけの理由で捨て置くには勿体ない人材ですから縁をむすびなおします。」
「はぁー、ホントお前変わったなぁ。学園いかせて正解だったわ。わかった。ジークフリード
はお前につかせよう。ヒース、いいよな?」
「もちろん。レオンハルト君の成長が著しくて私は嬉しく思う。息子のこともよろしく頼むよ。」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。ジークフリードにはかなり助けて貰う事になると思いますので。次に頃合いを見て魔の森を保護する準備、根回しをお願いします。」
「保護?大義名分は用意してのか?」
「可能かどうかわかりませんので、皆様で可能な策へ落とし込んでください。私が考えたものは流民を連れて拠点を作りそこからカラッサ王朝へと直通させることです。流民が各地に散らばっている現状よりも一所に集めた方が管理もしやすいでしょう。それに、流民が散らばったままだと間者を招きかねませんし。流民をドンドン迎え入れる流民の街とすれば良いかと考えております。そこに知られて良い情報を知られたくないように蒔けば情報の操作もしやすいのではないですか?」
「ふむ。あそこは空白地帯だし、トール王国から国民を攫ったとか言われかねーな。しかし、保護するとなると他になにかかんがえはあんのか?」
「はい、市井の英雄と呼ばれて浮かれた馬鹿者が新天地を築くと流民を引き連れて魔の森に向かったとし、魔の森に住む原住民と遭遇。彼らだけではどうすることも出来ず王国に泣きついたのを一斉検挙の名目で出撃していた私とジークフリードが仲介し和解。世界情勢にうとい現地民を保護し後ろ盾になることを決定。流民の話を聞いた原住民の長が慈悲を示して流民の受け入れを表明。流民の受け入れに対する不利益をいくら語っても文明のレベルが違いすぎて意思疎通が難しいってストーリーで後は知らぬ存ぜぬではダメですか?」
「ぶっは!なんだその嘘丸出しの三文芝居はっ!」
三文芝居とはヒドい!寝ずに考えたストーリーなのに!!!
「まぁ、それなら無理矢理通せるな。嘘だとわかっていてもそれを証明できねーだろーし。そこまで言うなら証拠出せで突っぱねられる。んー、めちゃくちゃだけど悪くはないな。ヒースどう思うよ?」
「いかにもギリアム好みですね。やってみていいんじゃないですか?何かあればフォロー出来るような態勢さえ整えておけば、無理な話ではないかと。ただ、すでに間者は紛れているだろうから少し梃子入れはさせてもらうよ?」
!!
完全に失念してた。そりゃそうだよな。300人も流民いたら間者混じっててもおかしかないわなぁ。
「レオンハルト君。間者の間引きはこちらでやる。タイミングはまだわからないけれど、君たちが森を拓く頃には終わっていると思ってくれていい。場合によって間者は現地で家族を持つ。伴侶がいれば子がいる可能性もある。あとは高齢夫婦の子になりすましてることもあるかな。間引きはこちらでやるけれど、あとには残された人達がいてそんな彼らも導かなければならないと言うことを覚悟しておくんだよ。」
「ご忠言ありがとうございます。肝に銘じておきます。」
「うん。僕からは以上だ。君が作る都を楽しみにしてるよ。」
「おう!そういうこった。こっちはアイツも使って上手くやってやる。土台は作ってやるんだ、あとはお前次第って事だな。じゃま、明日から一週間後に一斉に検挙にしようか。それまでにまとめ上げろ。必要なら検挙の情報を流してもいいぜ。できたら、検挙なんてしたくねーしな。捕まえて送り返したところで絶望する生活しか残ってないなんてのは不憫すぎるからな。」
「ああ、そうだ。後ひとつ。息子のジークフリードのことだけど、あれと縁を結び治すにしても時間がなさ過ぎるだろ?本格的な縁の結び直しは現地で行って貰うとして、君の替え玉と一緒に出撃させるのはこちらで段取りさせて貰えるかな?」
ああ!そうか!そうだよな。流民と一緒に俺が出たら王国から出るレオンハルト様は別人になるわな。それに一週間で溝なんて埋まらんし。
えーと、替え玉とかそこまでなーんも考えてませんでした!
オヤジ殿、義父上殿めっちゃ助かります!ホントありがとう!
「父上、義父上。本当にありがとうございます。」
「かまわん。気にするな。なにせ、国益になる話しだしな。それに、罪もない民を罰せずに済むのは気持ちがいい。だから、お前は気にせず励め。そして、必ず成功させろ。わかったな?」
「はいっ!必ず!それでは、事をなして参ります。失礼!」
オヤジ殿はしっしと手を振りながらニヤニヤ。義父上はやたらといい笑顔。
なんとかなりそでホントよかったー!!
でもって、颯爽と廊下に出るなりサクッとエルザに確認してみました。「間者はどのくらいいる?」ってね。
流石というかなんというかちゃーんと把握してました。確定5人、未確定3人。内既婚者3名。子供有り1名ですって。しかも、流民の中にエルザの部下も紛れ込ませてるらしい。
マジ驚いたね!間者のことも部下のことも把握してなかったし。
ただ、オヤジ殿達が把握してる人数はもう少し正確で多いかもって。王国の専門機関は凄いらしい。
まっ、どれくらい間引かれるのかわかんないけど、残された人達の事は考えておかないといけないなぁ。
とりあえず、流民の一斉検挙を噂としてばら撒いて貰わないとね。
「エルザ、噂は一日でどうにかなるものか?」
「……レオンハルト様が組織された部隊を使ってよければ可能です。」
「わかっと。使えるものは使って広めてくれ。明日、バルバロッサと話す。準備を頼む。」
「はっ!」
サッと消えて王城を出るまえに戻ってくるエルザさん。ホントこの人凄すぎなんだけど。
この短時間で指示出して戻ってきたみたい。
そんなわけで、今日のノルマはクリア!順調でなによりですわ。
いつも読んでくれてありがとう!




