じゅーなーな
お昼ご飯本当に美味しかった。
ちゃんと記憶に残る形で食べれて、マジで最高!!
単純に飯が旨いってだけじゃなくて、あのお店で食べれたって事に意味あるんだ。
こっち来てから、ずっと来てみたいとこだったからね。
さて、そんなわけで飯も食べ終え街を散策中です。
あっちへフラフラ、こっちへフラフラ。
気付けば前と同じルートたどってたみたいなんだけど、精神状態の違いか不思議と見え方が違いました。
それにして、『アシュク』も『ハゴイタ』も大盛況だったわ。
王都に作られた遊技場が満員御礼。
外にまで並ぶ列が出来てた程。
まあ、アソコは無料だからお金にはなんないんだけど、民には喜んで貰えてるようでなにより!
てかさ、遊戯場までの道なりに屋台とか露店がめっちゃ並んでんだけど。
元々、遊技場までの道にお店とかなかったから、ちょうどいいっちゃちょうどいいか。
みんな嬉しそうだしね。
問題あればオヤジ殿や義父上が対応するでしょ。
「なぁあ、おっちゃん。これでそれ売ってくれよー。」
「ん? あー、だめだ、だめだ。金が足りてねぇよ。欲しけりゃその倍は持ってきな?」
「じゃー、半分でいいからうってくれよぉ?腹ぺこなんだよぉ。」
「馬鹿野郎! その倍で、半分の値段なんだっての。腹ペコってんなら、詰め所で相談すりゃ助けてくれるぞ?」
「むぅ……。」
ふむ。この会話は珍しいな。
国内にスラムもないし、腹が減るまで金に困ってる子供なんて、いないはずなんだけど。
ボロボロの服着て、髪もボサボサ。妙に浅黒いのは汚れか? 日焼けか?
しかも、腹減ってる、ねぇ?
「おっちゃん、3本貰えるか?」
「おっ! まいど!! って、あんた……」
うん。変装意味なしてないなぁ。面割れすぎたかなぁ。でもね!俺は今商家のボンボンレオ君なのです!
「ん? どうした? 知り合いに似てたか?この街に着いてからよくそんな反応されるんだけど?」
「おっ、おう。うちのレオンハルト様にそっくりで驚いたわ。
にぃーちゃん、そんだけレオンハルト様ににてりゃいいことあんぜ?なんせあのお方は俺達国民の誇りだからな!」
おう? バレてない? つか、ここでも『さすレオ』かいっ!
つか、エルザ! 拍手すな!
「そうなんだ。それは楽しみだわ。」
「おう !ほら、まずはこれな! レオンハルト様に似てるあんちゃんには1本オマケ。」
「おお? いいのかい?」
「かまわねーよ! 似てるあんちゃんが店来たって自慢してやんだよ。」
「それはなにか意味あるのか?」
「わかんねぇ! だけど、それだけ似てるんだ、そのうち本物が来るかも知んねぇだろ。言ってて損はねぇはずさ!」
「あはは、それはなかなか逞しいね。本物が来ること祈ってるよ。
それじゃ、ありがとうね!これお勘定。
またくるよ!」
「おう! いつでも待ってんぜ!」
と、屋台のオヤジにみおくられながら路地裏へ。
「エル、さっきの少年、どこいるかわかる?」
「はい。先導いたしましょうか?」
「頼む。」
エルザさん、『さすレオ』が過ぎなければ完璧なのになぁ。
はぁー。どうしてこう、残念なのか……。
そんなわけで、エルザさんの先導で表通りから少し奥まった住宅街に。
さっきのオヤジと会話してるうちに、いなくなってたんよなぁ、あの子。
まっ、エルザの先導でサクッと再開できたんどけど。
路地裏で這いつくばって、何か見つけて口に入れてた。
って、おいおい、マジかよ。ヤバイレベルで腹すかしてんじゃねーか。
「やぁ!そこの君。」
なるったけフレンドリーに声かけたけど、ビクッて肩震わせて恐る恐るこっちを確認してくる。
なんか野生の猫みたいだわ。
「串焼き有るんだけど、さっき屋台のオッサンに言ってた額で買わないかい?」
「?!いいのか?!」
「いいよ。」
「じゃあ、半分くれ!俺の持ってる額だと半分にもならないって言われたんだ。
それでよけりゃだけどダメか?」
「へぇー、君正直だね。その正直さに免じて1本いいよ。」
「本当か!?
嘘じゃねーよな?……からかいだったり騙してたらただじゃおかないぞ!!」
あー、そんな感じに受け取っちゃうか。
んー、今までこんな感じでからかわれたりもあったかもしれんしな。
先に渡してやるか。
「ほら、受け取れよ。金は後でいい。」
「ほんとうか?!……お前、俺が金払わずに逃げたらとか考えないのか?」
「考えないよ。逃げないだろ?
それに逃げられたら逃げられたで、少し俺の心が傷つくだけの話だよ。」
「むぅ……にぃちゃん、ありがと。」
串を受け取りぱっと金を支払ってくる。
うん、真面目だ。声質的に男の子かな?年はリアーナくらいか?にしてもどこの子だ?このレベルまで汚れていたりすると国から何かしらのテコ入れ有るはずだが?
とりあえず、1本をエルザに渡しもう一本を食べ始める。
「?!よろしいのですか?!」
ぬおっ?!なんか感極まったエルザさんの声が……。やべぇ!ただの串焼きを神々しい物を見るかのように目が逝っとる。
「もちろんだ。共に食え。」
食えって言っとかないとそのまま懐に忍ばせそうでの怖い。
てか、食ったら食ったで『これぞ至高の味です!』ってな感じの蕩けた表情されても困るんだが……。
あっ、涙まで流し始めた。ポンコツ化ヤバくないか?!
ちなみにお味は普通でした。美味しいなぁーってくらいだね。
おっちゃんには悪いが涙するレベルの代物じゃーない!
てか気付けばこの子食べてねーじゃん。
「……これ、持って帰っていいか?」
「ん?食わないのか?」
「ねーちゃんに食わしてやりてーんだ。」
「それならこれやるよ。オマケ貰ったんだ。」
「いっ?!いいのかっ?!」
「ああ、いいよ。ほら、食え。」
もう一本串焼きを渡してやると凄い勢いでかじりつく。
「うんめぇーなぁ。すんごくうめー。まともに味が付いた物なんて、何日ぶりかわかんねーよ。」
って、こっちも泣き出した!!つか、味が付いた物を食べてないのか?!どういう環境?!ネグレストか?!
「ふむ。お前も姉もまともに食えてないのか?詰め所に相談すれば保護して貰えるぞ?」
「あー、それ、ダメなんだよ。俺達王国民じゃないから。」
「ん?国民じゃない?」
「うん。流民っての?住んでた国が戦争おっぱじめて住むとこ無くしてここまできたんだ。」
「マジか。それは、なかなかハードだな。」
「うん。戦争なんて望んじゃなかったのによ!
あいつら勝手に仕掛けやがって!
止めに入った父上まで巻き込んで……くそっ!!
戦争なんてなきゃ、今頃父上や母上と……。」
えーーー?!これどうしよ。なんもいえねぇ。
辛かったな。頑張ったな。大変だったな。
なんて言ってやりゃいいの?
つか、親いないの?お亡くなりになったの?!ちょっとディープ過ぎるんだが……。
「そうか。」
「あっ、にぃーちゃんすまねぇ。余計なこと聞かせちまったよ。」
大人かっ!!!対応大人すぎて俺が恥ずかしいわ!!!
「いや、状況が把握できた。話しづらい事を話させたな。すまない。
それで、お前は姉と二人でここまで来たのか?」
「グレン!お前じゃなくてグレン!」
「おお、すまない。グレンだな。俺はレオだ。よろしくな。」
「おう!レオにぃなんな。ありがとな!
で、二人じゃねーよ?街の大人と一緒。」
「街?何人くらいいるんだ?」
「さぁ?30人位じゃね?途中で増えたり減ったりしたからわかんね。
城壁内で住む金ないから城壁の外に集落作ったんだ。
この国の王様が許可してくれたんだと。大人達はありがたがってたけどさ。
にぃーちゃん、中に入れてくれてもいいだろっておもわね?」
「グレンの言いたいことはわかるけど、王様の判断が王としてかなり頑張ってくれたものだと思うよ。
下手に保護すると戦争に巻き込まれてしまうかも知れないからね?」
「えっ?!そうなのか?!」
「うん。流民の人達を保護しましたって言うと『その国の者を庇うのか』って攻めてくるかもしんないからね。」
「そうなんだ。俺達が理由で戦争になるのはやだな……」
「まっ、他にも理由はあるだろうけどね。それにしても30人かぁ。ご飯はほとんど食べれてないの?」
「大人達が頑張ってくれて1食は食べれてる。味付けのない草の汁なんだけどな。俺達みたいな子供は城壁の中で少しだけ仕事貰ってて、その金で他の食材買ってきて食べてんだよ。
ねーちゃんくらいなると俺の倍くらいは貰えるみたいなんだ。でも、調味料は高くて手がでないんだと。
だから、味の付いたモンなんてほとんど食って無くてさ。そんで、今日はちょっとボーナス貰えたから、ねーちゃんにうまいもん食わせてやろうと思ったんだけど買えなくて。
金が落ちてないかなって探してた。金の代わりに途中でバッタ見つけたから、食っちまった。」
あははと笑うグレン少年。なんでバッタ見つけたからって食べんの?!
『ひっ』てなったわ。
とはいえ、育ち盛りだろうしまったく足りてないんだろうな。昆虫食には抵抗有るけど栄養価高いんだっけか?
つか、バッタ生で食べて大丈夫なの?!
「ふむ。調味料か。食材自体も足りてないと。エル、塩を1タル用意してくれ。」
「はっ。しかし、よろしいので?」
「ん、ああ。」
とはいえ、根本的な改善にならんよなぁ。これだとその場しのぎでしか無いか。
だからって、知ってしまったからにはほっとけないしなぁ。死亡フラグに関係ないんけどさ……。
あれ?いや、待てよ?戦争に流民?
え?なになに?なんか引っかかる。なんかあったような???
はっ!!!
決闘と別のレオンハルト死亡イベントやん!戦闘とか演出もなくサラッと言葉だけで終わる、ナレ死パターン!
あっ、そうだ!集落だ!
オヤジ殿が認めた集落に人が集まりすぎて流民が大量発生するあれじゃねーか!
思い出した!めっちゃ思い出したぞ!!
レオンハルト様の別件死亡イベント!
レオンハルト様、なぜか流民が許せなくて討伐するとか言い出し、部下引き連れて独断で出撃。
ティアナがアレス君に止めてくれと頼んでアレスが止めに行った時にはすでに死んでるっていうオチ。
レオンハルト様のあまりの横暴に正義感溢れる近衛にサクッと後ろから刺されんのよ。
でもって、近衛は責任とってその場で自決。貴族派の部下が、レオンハルト様の殺害自体をそのまま流民の仕業にして、流民も全滅。
責任の取り方自殺ってなんなのよ!しかも、結局流民全滅してるし!
やるせないパターンだったよなぁ。
ムービーも何もなくナレーションだけっていうヒドい扱い。
で、その後、喪に服すってなったティアナがヒロインから抜けて、他のヒロインとのハーレムエンドになる、特殊パターン!!
つか、このイベント確率よ?起こるときと起こらないときあるのよ?なんでそっち引くかなぁー?
まさか、これが運命力なのか?!
ゆるっとレオンハルト様を殺そうとする運命力なのか!!!
となればだ、やっぱ放置はまずい。
城壁の外に集落を維持するのもまずいが、討伐なんてもってのほかだ。
えーと、アレスはどうした?このイベント突入したときにティアナがヒロイン脱却回避する方法有ったはず。
なにやったっけなぁ???
「レオにぃ、大丈夫か?どうかしたか?」
「ん?あ。すまん。考え事していた。とりあえず、考えてても仕方ない。先程の屋台へ向かうぞ。
エルは後で合流してくれ。」
「かしこまりました。」
「えっ?はっ?なんで屋台に行くんだ?」
「ん?串焼きを買いに行くんだよ。みんなで食った方がうまいだろう?
まっ、そんなわけだから、その串もくっちまえ。
これからみんなにも買いに行くから。」
「まじか!!いいのか?!」
「まじだ。いいんだ。」
「ありがとう!!!」
うん、良い笑顔だ。
さって、こっからどうすっかなぁ?
とりあえず、流民の皆さんに腹を満たして貰うかね。
「やぁ!おっちゃん。また来たよ。」
「おう!さっきのあんちゃんじゃねーか。俺の焼いた串は、旨かったろ?」
うん!旨かった。普通に旨かったよ。
「あお、とても。えっと、まだある?」
「おう!まだまだあるぜ?何本いるよ?」
「あるだけ全部ってたら、いくらなる?」
「おいおい、にーちゃん。そんな食えねーだろ?
そんな気に入ったのか?」
「あー、うん。
気にいったからコイツらにも食わせてやろうと思って。」
屋台からぐいっと覗くおっちゃん。
「ん?さっきの流民のガキか?良いけどよ。そいつがいても食える量じゃねーぞ?
えーと、まだ半分くらい残ってっからぁー…えーと…金額かにして、銀貨25枚分位残ってるな。」
銀貨25枚かぁ。それで半分くらいって事は最大50枚くらいって感じかな。
まぁ、全部売れるなんて稀だろうけど。すでに銀25枚分売れてるのは凄いことかもなぁ。
「城壁の外にさ、集落があるんだって。出来たら残りをそこで焼いて欲しいんだ。
流民達とはまだ話を通してないからどうなるかわかんないけどおっちゃんが良ければ金一枚支払うよ。」
「はっ?金一枚?本気か?!もし、断られたらどうなんだ?」
「んー、その場合は半額の銀50でどう?」
「……衛兵連れてって良いか?身ぐるみ剥がされて殺されたらたまんねぇ。」
「あー、そりゃそうか。うまい話になんとやらだよね。構わないよ。騙す気はないから。
だだ今日限り一回だけの契約ね?」
「お、おう。」
「ちょっとまって!
うちのところはダメかい?!うちのスープも美味しいよ?って?!えぇ?!レオンハルト様?!」
あー、隣の屋台のおねぇさんまで釣れちまった。
「あはは、さっきこのおっちゃんにも言われたけど俺ってそんなにてるの?
俺は商家の長男でレオってんだ。よろしくね。」
「レオンハルト様じゃない???商家の長男???あんた、似すぎってもんじゃないよ。
正直、本人だって言われても信じたくらいさ。」
別人だって言っても信じてくれるのね。ありがたい。ってか、うちの国民大丈夫か?騙されやすすぎないか?!
「はは、で、スープね。うん。良いよ。どれくらい出せる?」
「何杯出せばいい?足りなきゃ作るよ。」
「んー、じゃ銀貨25枚で作れる分としようか。それに対して金貨一枚支払うよ。こうすればおっちゃんと同じ条件だろ?」
「おお!あんたそれでいいのかい?!うちとしてはとても嬉しいけどさ。
アンタの儲けにゃならないだろう?」
「かまわないよ。これをきっかけに成果は出すから無駄にはならないんだ。」
「へー、商家のボンとなると、私らと見えてる世界が違うのかね?」
「さあ?どうだろ?とりあえず、契約書ね。エル」
いつの間にかサクッと戻ってきていたエルザが契約書を取り出す。
これまたさくっとおっちゃんとおねぇさんが契約書にサインして俺もサインして完成。
「これ、商業ギルド通してるからね。法的な魔力契約完了だよ。
まずは前払いで50振り込んでおくから、残りは終わった後に。じゃ準備が出来たら呼びに来るから……」
うん、めっちゃ注目集めてるよねぇー。金一枚は多すぎたかも。
さてと、どうしたもんか。
規模が膨らみすぎてもいかんしなぁ。肉とスープがあるなら次はパンと飲み物くらい有ると良いか。
ちなみにグレン君さっきからずっと目をぱちくりさせて成り行き眺めてる。
「おっちゃん」
「お、おう。」
「呆けてるけど大丈夫?」
「あっ、ああ!大丈夫だ!任せてくれ。」
「そっかそか。なら良かった。」
「じゃあ、俺が戻ってくるまでに、一軒ずつパン屋と飲物屋決めといて。
おねぇさんと話し合っても良いし、その辺は好きにやってよ。
後で来たときに決まってなかったら、パン屋と飲物やは無しね。条件は同じで良いからね。」
「へ?!俺がとりまとめんのか?!」
「うん。期待してるよ。」
「お、おう!」
「それじゃ、また後でね!」
と、呆けたまんまのグレン君回収して城壁の外まで行きますかね。
にしても、流民の方々に直接金貨渡しても良かったかもなぁ。
あー、でも、それも解決にはならないか。
んー、どうしたもんやら。とりあえず、このスタイルで動き出したしこのまま行くとしますかね。
そろそろストックが…ストックがああああ
今日も読んでくれてありがとうございます。




