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えぴそーどじゅーしー

ようやく年末年始の一番忙しい公務が終わりました。


年始の貴族達による挨拶行脚が終わり、今日は一日通しての祝賀会です。


朝会から始まり昼会、そして夜会へと続きます。


俺とティアナ、リアーナはセットになって行動するように言いつけられましたので、朝会、昼会は三人仲良く出席し頃合いをみて退席。夜会はリアーナの睡眠時間が過ぎてしまうので別行動。


『おやすみ』の時間になりねむそうな顔で手を振り退室していくリアーナは今日もマジ天使!!


ちなみにティアナさん、本来婚約者の立場であれば絶対参加なのですが婚約破棄がなっているため、今回は侯爵令嬢として参加して貰ってます。


というか、参加して貰えるように頼みました。『アシュク』を宣伝したおかげで大量の見合いは引き下げられたのですが……。それでもね、まだあんのよ見合い。


この祝賀会、国内貴族だけでなく属国や同盟国の主要人物あるいはその代理が集まります。その他国要人からの見合いがわんさかと。


つことで、ティアナさんが側にいてくれる事で防衛線を張ったって訳なんだよね。


ホント申し訳ない!ティアナさんに感謝しかないわ。


国内に関して言うと『アシュク』が発売され、逸話が語られたおかげで、婦人方から『若いわねー』『青春ねー』と『婚約破棄』自体が二人の愛を深めるスパイスなのねって認識になりました。


つかね、その中でね、母上主催の茶会に参加してたご婦人がね、『二人はアシュクをしてるのよっ!』って声高に主張したせいでね、それは面白そうと悪乗りした母上がガンガン広めてくれました。


はぁー…まったく、なんてことしてくれんだよ…。


愛を深めるスパイスって認識だけでも恥ずかしいってのに周囲が二人のやりとりに興味津々で大変です。リアル恋愛アクティビティーみたいな感じなんだろうね。


見られてる方は大変だっての!


そんなわけで国内貴族からの見合いはなくなりました。もし、相手方の父親が勝手に見合いを申し込んだら、空気が読めてないと嫁に怒られ愛想を尽かされて一家離散するぞ!とまでいわれてるらしいです。奥方様方からの言いつけで、そっとしとけってことなんだろうね。


てかさ、このティアナとの既定路線って運命力がゆるっと働いてるんじゃね?そう思うと中々強力な運命力で恐怖でしかないんだけど……。


大丈夫だよな?これって大丈夫なんよな?!

決闘なんないよな?!


すっげーーーーー!不安だっての!


ま、今は公務!と貼り付けた笑顔でニッコニコー。


他国要人にご挨拶して歓談を楽し……楽しんでるわけねー!苦痛でしかない!


「久しいな、従兄殿、ティアナ!」


右手にカクテルをもち胸元が大胆に開いた魅惑的なイブニングドレスに身を包んだ褐色紫髪の妖艶な美女。第二王妃の姪でレオンハルトの血の繫がらない従姉妹にあたるアイシャ王女だ。


それにしてもけしからん!豊満に実った二つの果実を惜しげも無く晒している。本当にけしからん!!!たしか同い年だったよな?そんなに成長するもんなの?!けしからんっ!


「い、従兄殿。そのようにマジマジと見られてはさすがに妾も恥ずかしいのだが……」


ぬおっ!!!気付いてるーーーー!めっちゃ目がいってた!!


「ぬ。すまぬな。ソナタの魅力が未熟な我にはいささか強すぎたようだ。許せ、アイシャ王女。」


はいっ!すみませんっ!

まじで、ごめんなさいっ!

だから、許して!本気で謝るから、もうないから!!


後ろにいるのに気付くレベルの不穏なオーラまき散らさないで。まじですんませんでした!許してください!


ティアナ様!!!


「ぷっははは。その様子を見ておると噂は噂でしか無かったということなのだな。仲睦まじくて安心したぞ。」


『安心した』ねぇ。その割にはなんか寂しそうだけど?アイシャ王女ってレオンハルト様のことを好きだったとか?んー、相当な美人だけどゲームに出てきてないキャラだし。そのへんわかんねな。つか、昨日の謁見時に10年ぶりとか言ってたように思うが……。んーーーん、わかんね。


「噂とは『婚約破棄』の件か?」


「ああ、知っていたか。どこから流れてきたかは知らぬが方々で噂されておるぞ。」


「ふむ、そうか。たしかに婚約破棄はしておる。ただ、正しく話は伝わっていないようだがな。」


「なに?どう言うことだ?」


おおう、アイシャ王女、胸見てたときより視線が険しいよ。獲物を狙う目ってよりは憤り?ティアナを哀れんでる???


わからんけど。


「たしかに婚約破棄はした。しかし、婚約を破棄したのは、我がティアナにそぐわぬからだ。民を導く王として未熟すぎたためだ。


我はこの学園を卒業する時に再度ティアナに婚約を申し込む。いや、卒業となると結婚になるのか?


まぁ、それはいい。我はそれまで己を磨く。ティアナに相応しく民を導く王となるために研鑽を続ける。


もちろんティアナに認められ、婚約を受け入れられたあとも研鑽は続けるつもりだ。


この国をより良き国に、ティアナにより相応しい伴侶になる!そのための婚約破棄だ。


すまぬが、この噂を聞いたらそう伝えて貰えぬか?正直、見合いなどにかまけてる暇などないのだよ。」


と、静まり返る会場。声高に響くレオンハルトの声。まばらに起きる拍手。


つか、拍手はお前らかっ!!エルザ!ソレイユ!


裏切られた気分だ。って、まてぇぇぇ!!

婦人方の盛り上がり方がおかしい!顔真っ赤にしてる!泣いてるの?!尊いの?!何言ってんの?!


「アリガトウゴザイマス。」


んなっ!?ティアナさん久しぶりに機能停止モードじゃねーか!!!つか!アイシャ王女目がまん丸で口開いてるよ!お姉さん系美人もこんな顔すんのなぁ。


「そのような幸せな『婚約破棄』もあるのだな。……そなたらの関係が妾のようなもので無くてよかった……。」


と、アイシャ王女の表情がみるみる暗くなって目が死んでく。さっきの顔と大違いだ。


あー、なんとなく察してしまったよ。つか、婚約破棄ってこんなぽんぽこおこるもんか?!ないだろさすがに。


いや、まて、これはあのライターの描いた世界だ。それならあっても不思議じゃない!!


それにしてもこの子けっこうヤバくないか?かなり無理して表面繕ってた感しかねーぞ。


「レオンハルト様、会場はすこしあつくなってまいりました。すこし外に出たいのですがよろしいでしょうか。」


おおう!ティアナさん復旧してたのね!ナイスフォロー!


「そうだな。すこし外に出ようか。アリシャ王女も一緒にどうだ?」


派手な衣装で大人びた雰囲気にそぐわないほど弱々しい相槌を打つ。


エルザにバルコニーへと先導して貰い会場の外に出てみると、そこから見下ろす庭はライティングの魔法で装飾され幻想的で美しかった。


エルザによって用意された椅子に座り暖かいお茶を飲む。


「あの噂は本当だったのですね。」


アイシャ王女は躊躇いがちに聞くティアナの声にビクリと体を震わせた。


「先日の秋の舞踏会でな、クデール王子が真実の愛を見つけたと婚約破棄を申し出た。


それだけではなく、その後断罪裁判なるものを言い出してな。


そもそも、断罪裁判なんぞ初耳ぞ?それが何か問う前に妾の罪状が並べ立てられたわ。


どうやら妾はその『真実の愛をもつ者』に嫉妬して様々な嫌がらせをしていたらしい。


彼女の教科書を焼き、鞄を泉に捨て、果ては魔物の住まう危険なダンジョンに閉じ込め命まで奪おうとしたとか。妾としては何一つとして心当たりがないというのに……。全て妾のやったことだとのたまいよった。」


おおう!これやってたら典型的な悪役令嬢やないっすか!乙女ゲーのテンプレやないっすか。


にしても、断罪裁判って三学年の卒業間近とかにすんじゃねの?まぁ、ゲームじゃないからこんなもんなのか???てか、断罪裁判って俺らの世界の認識なんじゃねーか???アリシャ王女も初耳とか言ってるし。


とはいえ、あのライターだしなぁ。

このゲーム『あのライターだし』って魔法の言葉で大概なんとかなるからなぁ……。


「監督者はなにもいわなかったのですか?」


と、お前こんなタイミングででてくるんかーーーい!存在忘れてたわ!ということで、いつもやらかし系ポンコツエルザさんです。さっきの怨みは覚えてるからな!!余計な拍手しやがって!


ん?なんだでろ?言葉に出してないのにエルザさんめちゃくちゃ涙目になっとる。


ざまぁ!


「監督者?ああ、王位継承の採点者のことか。彼らはそのようなことには関わらぬよ。素行をみてそれを評価するだけだ。国が本気で調べれば妾の所業でないと証明出来たであろうが……。正直、そこまで頭がまわらなんだ。なにを言ってるのか理解できぬままに神聖王国を追われ、気付けば母国に戻っておったわ。」


アリシャ王女が自虐的に鼻でわらう。


まだ、心の傷は癒えてないんだろうな。本人が傷ついていることを自覚できてるかどうかも怪しいが、あの笑い方は良くないな。


「クデールと順調に愛を育んでいると思っていたのだが。妾の独りよがりだったらしい。」


アイシャ王女、持ってたカクテル一気飲みだよ。あれ度数強くなかったか?つか、この飲み方もほんと大丈夫か?めちゃくちゃまいってるじゃねーか。


「……従兄殿、ティアナ。二人に頼みたいことがある。」


あー、うん。面倒事な予感しかしねぇ。とはいえ、こういうの見てほっとけない性分でもあるんよなぁ。


「申すが良い。」


「……妾を従兄殿の側に入れては貰えぬだろうか?子をなせと、申すなら子をなそう。子をなすなと申すなら子はなさん。愛して欲しいとも望まぬ。正直、愛だの恋だのもう疲れた。このまま誰ともわからぬ者の元に嫁ぎ、仮初めの愛を語るのは辛い……。妾の我が侭でしかないということは重々承知している。どうか……どうか、助けてくれぬだろうか?」


あー、これはみてらんねー。泣き笑いの表情ってのかなぁ。無理だとわかっていても言わずにはいれなかったって感じなんよなぁ。助けてやりたいと思うけど……。思うけど……。


気付いたらティアナさんの方見てたよ。情けないなぁ、俺。


「私は構いません。レオンハルト様の御心のままに。」


ティアナさんの許可出ちゃったよ。つか、ティアナさんの方見てる時点で許可待ちとかダサいよなぁ。


はぁーーーー、そうなればだ。なんとか出来るかわかんないけどやるだけやってみるか。


「アリシャ王女よ、すまぬがソナタを側に迎えることは出来ぬ。状況が許してくれる最後のギリギリまで我はティアナ一人を妻としたい。」


目を見開いて驚くティアナ嬢に、元より想定していた返事だったのかそれ程驚くこともないアイシャ王女。


「うむ。いらぬ事を言った。忘れてくれ。そなたら二人の幸せを祈っている。」


「いや、忘れてはやらぬ。アイシャ王女、ソナタの望みは叶えられる範囲で叶えよう。側にはいれられぬが我がやれる最大限をなそう。ゆえに、ここで期待せずにしばし待っておれ。」


「それはどういう?」


「ティアナが願った。ならば、我は全力でそれを叶える。今より父上と叔母上に会ってくる。」


「?!ティアナ殿はそのようなとこ一言も言っておらぬではないか?」


驚き期待、罪悪感?様々な感情をにじませた表情を浮かべるアイシャ王女。器用だなっ!


「ティアナはソナタを側に迎えることを認めた。我の思うようにしていいとも言っていた。しかし、我は側をとるつもりはない。ならば、我の思うようにソナタに手を差し伸べるだけだ。ティアナ、アイシャ王女を頼む。」


「はい、かしこまりました。」


くはっ!ティアナ嬢の笑顔がまぶしい!!会心の笑みじゃねーか。笑顔だけで萌え死ぬって!


表情が緩みそうになるのを全力でこらえて。


「ソレイユ、二人の護衛を!」


「はっ!」


「エルザ、父上の元まで頼む。」


「イェス!マイロード!」


おおう、二人とも気合い入ったばかでかい返事。なんかよくわからんスイッチ、またおしたらしい。


にしても、どすっかなぁ?ノープランだよ。大見得切ったけどまったく何も考えてねーっての。とりまぶっつけでやるしかねーべ。


後ろでアイシャ王女がまだなんか言ってたけど、ティアナに任せてバルコニーを後にした。

朝夜涼しいを超えて寒いなと感じる事もしばしば…。


昼間との気温差で自律神経が乱れる時期ですね。


でも、お風呂がすごく気持ちいい時期ですね!


今日も読んでくれてありがとうございます。

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