06 燈球探索
「ここだ」
周りには、バッジを付けた炎狩人らしき人が群がっている。
「お前らは、あっちを探してきてくれ」
先輩らしき人が人が指を指す。
「おい、行くぞ」
端夜と迅斗が、早くしろとせかす。
「分かりましたよ」
億劫だ。
「今回は、危険な場所ではないから、人員は少しでも多い方がいいから、手伝ってくれ」
「はーい」
と、言いながらも、ボールくらいの大きさと言うから、探る必要はないし、見て回っとけばいいんだよね。
「もし、見つけても触らないこと、な」
後ろから、端夜が言う。
「分かってますよ」
と言うか、真面目に探すと思っているのか。
プル。
端夜が探査機を確認して、「見つかったようだ」と告げた。
「じゃあ、今日は解散だな」
そう、呟かれたときに、空に赤く燃えた球が上がった。
「あれが、燈の玉だ」
その燈の玉は、まるで空気を切り裂くかのように天高く駆け上がっていく。
その後を無数の火花が追いかける。
「俺も見つけてみてえな」
「そう、だな」
燈の玉に赤く顔を照らされて、羨ましそうに空を見つめる。
「まだ俺らは、見つけられたことはないがな」
「それを言うなよ。格好がつかないじゃないか」
「でも、事実だろ」
「そうだけどさ」
沈黙が流れる。
「なあ、端夜。いつか絶対、燈の玉を自分の手で見つけてやろうぜ」
「ああ。そうだな」
二人の赤く照らされた誇らしげな顔に、なぜか自分の顔までも火照った。