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03 屋上自殺
私は屋上にいた。
教室に入るのが、怖かった。
屋上から見える景色は、青一色染まった空で、恨みたくなるほど、美しい。
自分が壊れていく。
どうせ、人間なんて、長いものに巻かれていくだけ。
正義やら善悪は綺麗事。
現に、私もいじめられている子を守ろうなんて、思いもしなかったし、静海だって、最終的にはあっち側に回っていった。
そんな、この世界を恨みたくなる。
悔しいなって、涙が込み上げてきてしまう。
「ねえ、青空。助けろよ」
フェンスの上に乗って、青空に手を伸ばした。
こんな世界なら、死んでもいいか。
生きてたって、どうせ苦しいだけ。
それに、がむしゃらに生きるなんて、無理だ。
バタ。
視界が公転し、私は屋上から落下した。