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☆13 燈球探索5 収穫祭2

 燈の玉が見つかった、その報告を受けたとき、時刻は五時五十分。


 木に引っかかっていたらしい。


「どうぞお進みください」


 立ち入り禁止のテープをはがして、中に人を促す。


 雷火公園が、一気に活気に満ちていく。


 ざわめきが波のように、段々と飲み込まれていくように、広く広く広がる。



 この空気はなんだか、懐かしい。


 去年の学園祭が、思い出されてしまう。


 静海と回って、本当に楽しかった。


 楽しかった、な。



 静海のことを心から恨んでいるつもりだった。


 だけど、静海のことを思い出すと、楽しいことばかりだった。


 恨んでいるはずなのに、静海が隣にいないことを寂しく感じている。



 本当は全然恨み切れていない。


 そう思えてしまうのは、あの状況から離れられているから。


 今が苦しくないから。


 それだけなのかもしれないけれど。


 また、あの状況に戻ったら、静海のことを恨むのかもしれない。



「どうした?収穫祭、行かないのか?」


 小さく震える私は、端夜の声で我に返った。


 そうだな。


 今は、収穫祭を楽しもう。



 提灯がほのかに揺れる。


 そんな夜の町並みは、夢のようにふわふわとした雰囲気で、美しい。


 赤や金の灯りが、浴衣姿の人々の笑顔を柔らかく照らしてる。


 心がほのかに温まるよう。


 金魚すくいの水面がゆらゆらと揺れて、かすかに漂う綿菓子の甘い香りが鼻をくすぐぐった。


 遠くから太鼓の音が響いて、祭りの熱気を肌で感じる。



「お前は、どこ行きたい?」


「ヨーヨー釣り行きたいです」


 釣るのが好きというわけではない。


 中指にゴムを嵌めて、バスケットボールみたくドリブルする感覚が好きだから。



「お。誰が一番早く釣れるか勝負だな」


 迅斗が、張り切っている姿を見て、頬が緩む。


「勝負するようなもんじゃないだろ」


 そう言いながら、一番乗りで釣り具を取っている端夜。


 取るヨーヨーに目星をつけている端夜のもとに、迅斗が駆けていく。



 楽しかった。


 この時間が終わってほしくない。


 ずっと続いてほしい。


 そう、願ってしまうくらいには。



 迅斗が行きたいと言っていた射的は、二人が百発百中と言えるくらいに上手だった。


 それを見に、ワラワラと人が群がってきていた。


 比べて、射的なんてほとんどやったことのない私は一つもあたらず、隣に並ぶのがすごく恥ずかしかった。


 人が去ってくれて、ほっと一息ついていた私に、端夜がとった景品を全てくれた。


 その中になったお菓子を、三人で楽しく食べたり、面白そうなおもちゃの箱を開けて、遊んだり。



「そろそろメインの花火だな」


 屋台から人が少なくなってきた頃に、時計を見上げて端夜が言った。


 その隣には青錆びがついた銅像があった。


 青の瞳に、信念の強さみたいなものがあふれている、そんな気がした。



 暗い夜空に、花火の光が鋭く舞台の幕を開けた。


 シュッと鋭い音が立って、光が空を一直線に上っていき、「ドン!」という衝撃音とともに、花が開く。


 燃えるような赤、深い青、煌めく金色。


 それぞれの色が混ざり合って、美しく夜空を彩っていく。


 光の粒は星のように散らばっていき、見上げる人々に喜びと驚きを与えていく。


 花火の儚さ。


 一瞬で圧倒する美しさは魔法のようだった。


 自然と「綺麗」という声が漏れてしまう。


 花火に、照らされた二人の横顔。


 その顔は豊かな希望に満ちている。


 私の顔にも、希望があるといいな。


 微かな親しみと憧れの気持ちを心に包み込みながら、私は微笑んだ。



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