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『光球を放出できる権利』の対策

 それから俺の取った行動は酷いものであった。

 

 「今、俺の持っている宝石の数はきっとこの会場にあったもののうちのほとんどだ。てことは、試験終了の時間までずっとこの空間でのんびりしていればいいのだ!」


 俺の特権で作ったこの空間には誰一人として立ち入ることはできないから、そんなことが実現できてしまう。なんてこの試験に都合の良い特権なのだろう。

 そんなことを俺は山積みの宝石を背にしながら、前にこの空間に入れておいたお菓子をバリバリと食べてくつろぐのだった。


―――――


 「テル、なんだかすごいことをしてたな。いつの間にあんなことできるようになったんだろう」


 テル・プレミアの幼なじみのキュアナ・リヴェレカは、大量の受験者を返り討ちにしたテルの姿を見て、そんなことを思っていた。

 

 彼女は半年前にテルに助けられてから、何か火がついて、より強くなろうと努力をしていた。

 おかげで彼女の『手から斬撃を出せる権利』はより強い斬撃を放てるように成長。そして特権だけでなく、彼女自身の身体能力も向上していた。

 これにより彼女はあの時から大幅に強くなっていた。のだが、半年ぶりに見たテルはさらに成長している。

 さらに差をつけられたような気さえするほどに。


 「うう……なんだかモヤモヤする。悔しいとか、そういう感情で……。って、誰!?」

   

 彼女が自身の感情について考えていると、背後から足音が聞こえた。

 すぐに彼女が振り向くと、そこには黒髪の男の姿があった。


 男は瞬時に構えを取る。

 

 「チッ……テメェみてえな、試験中にごちゃごちゃ喋ってるヤツなんざ奇襲でやれちまうと思ってたんだがな。耳だけは良かったみてえだ」

 「ごめんね。こんなでも、油断はしてないつもり——っ!!」

 

 

 男が彼女の言葉を遮るように、手から光の球を放出した。もちろん、それはキュアナに向けてだ。

 

 「くっ……!」

 ダッと横に跳んでキュアナはそれを回避した。


 (光球を放出できる権利……とかかな。あれ)

 

 キュアナは相手の特権が何であるかを考える。

 彼女は見たままのものを特権として考えた。


 「さあ! この攻撃で終わらせてやるッ! 俺は雑魚に時間を取られるのは嫌いなんでなッ!」

 「……っ!」


 男がそんなことを言うので、キュアナは身構える。

 

 彼の背後に六つの光球が現れた。

 それは、彼が手を前に突き出すと同時にキュアナに迫り始める。


 (光球を放出できる権利。それであってるのならきっとこの方法でどうにかなる……違ったらマズイから、念のため距離をとって——)


 キュアナはそれを前にして、一つの策を実行する。


 「やあっ!!」

 「な、何っ……!? 斬撃だと!?」

 

 キュアナはその六つの球に向けて、自身の特権で六つの斬撃を放った。


 「あなたの特権がもし、球を放出できる権利なのだとしたら——」

 「な、なぜそれを……!?」


 正解だったようだ。

 わりと、こうも簡単に特権を当てられることは少ないため今回は運が良かったと言える。


 「その“球”が“球でなくなった”時、球を放出できる権利で生み出されたそれは効果を失うはず!」

 「斬撃ッ……!! くそ、そういうことかよッ!」


 キュアナの六つの斬撃は六つの光球を一つずつ半分に斬っていく。

 そして、斬られた光球は球でなくなったため、特権の力で維持されなくなり、そこから消え去るのだった。

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