のろいのアプリ
呪いのアプリというものがある、機能としてはBLUETOOTHを使って携帯同志の画像の転送が簡単にできるというものだ。
ただ、バグがあるらしく、時折同じアプリを入れている携帯が近づいた時に、勝手に画像が転送されてしまう事があるらしい、個人情報とか関係なさそうな、風景とかならまだいいが、自分や友人の顔写真や、人には見せられないような写真がそんな事になったら、たまったものではない。
しかも、他端末の検索をし続けたりするので、バックグラウンドで動作し続けるのだが、それを回避する設定がない上、メモリーリークまで起こして、端末の動作がどんどん遅くなってくる。
それで、ノロいのアプリだとか?言われているらしい。
いや、そんな事で、納得してはいけない、私の端末にそのアプリが入って居た頃に、他人の写真が勝手に転送されたらしいのだが、その見知らぬ人達の笑顔の団体写真の足下には、血まみれの私の姿が映っていたのだ。とんでもない加工をするアプリだと思った。
こんな心霊写真みたいのが、アプリで転送されたとSNSでアップしたのが間違いだった。転送された写真に満面の笑みで映っていたのは半グレの連中で、すっかり目を付けられた私は、人気の無い山中の小屋に拉致され、全身をぶったたかれ、まさに血の海に浮かんでいるような状況だった。
私は、今ふわりふわりと浮かんでいる。抜け殻となった自身の体をながめ、ため息をついた。
あれは、やはり呪いのアプリだったのだろうか?