44/45
ある物語のおわり
“ゆびでこしらえた、小さな窓の中には、白いきつねのすがたが見えるのでした。それは、みごとな、母ぎつねでした。〔中略〕
「こ、こりゃいったい……。」
ぼくはあんまりびっくりして、もう声もでませんでした。きつねは、ぽつりといいました。
「これ、ぼくのかあさんです。」
「……。」
「ずうっとまえに、だーんとやられたんです。」
「だーんと? 鉄砲で?」
「そう。鉄砲で。」
〔中略〕
きつねは、両手をのばして、また、窓をつくってみせました。
「ぼくはもう、さびしくなくなりました。この窓から、いつでも、かあさんのすがたを見ることができるんだから。」”
(文・安房直子『きつねの窓』ポプラ社,1977,16-18頁)
少しでも楽しんでいただけましたら、☆☆☆☆☆にお好きな分だけ色をつけていただければ、とても励みになります。
お読みいただき、ありがとうございました。




