第四話
「お、これはこれは珍しいな」
「相席よろしいですか?」
「おう、いいぞ」
俺は横にずれると俺の横にそのプレイヤーは座った。
「なんか飲むか?」
「えぇ、いただきます」
そのプレイヤーは慣れた手つきで店員NPCに飲み物を注文した。
「にしても何でここにいるんだ?」
「たまたまですよ」
「本当か、【大いなる毒蛇】?」
「その二つ名はやめてくださいといつも言っているでしょうトゥルーさん。 私もあなたを二つ名で呼びますよ?」
「すまんなラール」
「まったくもう」
俺の横に来た水色の髪に銀色に瞳をした青年ラールは、人間族と妖精王のハーフだ。そして二つ名で【大いなる毒蛇】を運営から与えられたソロランキング八位でありながら、ラールのギルド【大樹の枝木】はギルドランキング十一位の正真正銘の上位プレイヤーだ。
ちなみにバトはソロランキング二位で二つ名は【戦場の覇者】で、運営するギルド【戦場の覇者】はギルドランキング九位だったはずだ。
そしてサーナはソロランク三位で二つ名は【精霊女王】で、彼女のギルド【木漏れ日の陽だまり】はギルドランキング十三位の上位ギルドだ。
「それで、これは何の集まりですか」
「俺の相談」
「詳しく聞いても?」
「サーナ説明頼んだ」
「なんで私が……」
そういいながらもサーナはしぶしぶといった様子で話を簡潔にラールに話してくれた。俺たちはその間に頼んでいた飲み物を飲んでいた。
「なるほど、状況は理解しましたが……ソロランキングトップスリーが集まって何をお話しているのかと思えばなんてくだらないことを」
「今その話題を持ち出すんじゃない」
「ほんと何してるんですか【真なる頂点】」
ラールの口から不意に俺の二つ名が飛び出した。
「お前さてはさっきのこと根に持っているな?!」
「いえいえそんなことはありませんよ【真なる頂点】?」
「おまっ……やめろって言ってるだろ【大いなる毒蛇】!」
「また言いましたね?! もう許しませんよ?!」
「うるせぇ、こっちのセリフだ!」
俺とラールはギャーギャーと言い合っていた。するとそこにワナワナと震えているサーナが口を開いた。
「あなたたち静かにしなさい!」
「あ~あ、怒られちったよ」
「くっ、なんで私まで……」
「それでラールは何か思いついた?」
「えぇ。 というか至極簡単なことですよ」
「何々どんな方法?」
ラールは頼んだ紅茶を一口飲んだ後、言い放った。
「トゥルーさんがギルドを作ればいいんですよ」