第三十四話
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「終わったぞ〜」
俺は左右の手に持った黒銀と白金をそれぞれインベントリにしまう。ついでにインベントリで持っていた機械系の素材の数を見る。
「うわ、300も使ってるじゃん。 また集め直しかぁ」
意外と素材のドロップ渋いんだよなぁ……。まぁ仕方ないか。
「お疲れさん」
「あんたのあれ、ほんとバカみたいな強さしてるわね」
「そんなこと言うが、お前らも似たようなもんだろ?」
「まぁね」
「とりあえず一旦俺たちのことは後回しでいいから」
「そうね。 さっきから私の後ろでソワソワしている二人の相手になってあげなさい」
「何様だよ」
「何よ、文句ある?」
「イエ、アリマセン」
「よろしい」
満足そうにサーナが頷いた後、横に一歩ズレる。そこには全身に傷を負いながらもキラキラとした目で俺のことを見ているルナさんとリラの姿があった。
「お、お疲れ様です!」
「す、すごかったです!」
「ありがとうね。 それで、何が聞きたいの? そんなにソワソワしなくても逃げないよ?」
俺がニヤニヤしながら聞くと、二人はまるで示し合わせたかのように同じ質問を同じタイミングでしてきた。
「「あの武器はなんですか?!」」
同じ質問をしたことに気づいた二人は顔を見合わせて小さく笑った。
「まぁ、気になるよねぇ」
「は、はい! あれはなんですか?!」
「私も気になります!」
「あれはね、特殊なクエストをクリアすることで入手できるDTIO内にて唯一無二の存在【神器】だよ」
「【神器】ですか?」
「そ。 見てもらった通り、他の武器とは圧倒的に性能が違う武器のことだよ。 同じものは二つと存在せず、P Kされても所有権が移ることもない。 ま、正真正銘俺の奥の手で、切り札みたいなもんだよ。 あんま見せびらかしたりしないから、秘密な?」
「はい!」
「あ、でも」
「どうしました? ルナさん」
「あの、お二方はいいんですか?」
「あ、え、えと私たち?」
唐突に話を振られて、油断していたバトとサーナは、一瞬ビクッとしてから答える。
「わ、私たちはいいのよ。 ね?」
「そ、ソウだな。 一緒に取りに行ったぐらいだしな」
そうなのだ。俺はバトとサーナと三人で特殊なクエストをクリアし、その果てに俺は神器を手に入れたのだ。
「そうだったんですね」
「おう。 なんならこいつらの分はちゃんと手伝ったしな」
「え?!」
「はぁ……なんであんたがバラすのよ」
「ハハハ、まぁいいじゃないか」
「別に、神器を持ってるって言うぐらい問題ないだろ?」
「まぁそうだけど……」
「俺だけ手の内晒すのは納得いかない!」
「どーせそんなことだと思ったわよ!」
「さて、一旦戻ろうぜ?」
俺が指を刺した先には一つの扉があった。俺たちは無言で頷き合い、扉を潜る。眩い光に一瞬視界が支配されたかと思うと、すぐに先ほど見た光景が広がっていた。
「まぁ、二人なら他言しないだろ?」
「も、もちろんです!」
「は、はい!」
「じゃあいいよ。 それより、戦利品確認しようぜ!」
俺は戦闘ログのタブを開いて、戦利品の確認を行う。みんなもそれぞれ、自身の戦闘ログを開いている。
「ソロモンって強さの割にもらえる素材の【不可思議な鉱石】がいまだに使い道わからないから困るのよね」
「確かにな。 トゥルーはどうだ?」
「……」
「おーい、どうかしたのか?」
「み、みんな……こ、これを見てくれ……」
俺はインベントリからアイテムを取り出す。それをサーナが手に取り、残りのみんながそれをまじまじと見る。
「何って、【不可思議な鉱石】じゃないの?」
「鑑定、したか……?」
「いや、してないけど」
「いいからしてみろっ!」
「わ、わかったわよ……」
サーナは自分が手に持っている鉱石に対して鑑定をかける。
「は、はぁ?!」
「な?! やばいだろ?!」
「ちょ、どう言うことよ?!」
「あ、あの……どうしたんですか?」
「俺にも見せてくれ」
サーナから鉱石を受け取りるバト。バトは二人が見やすいようにしゃがみながら鑑定をかける。
そんな様子を横目にサーナが俺の肩を掴み、前後に揺らしながら問い詰めてくる。
「ちょっとこれどう言うことなのよ?!」
「お、俺にもわからないんだってっぇえええぇえぇ」
「い、今まで見たことないのよ?!魔剣の素なんて!」
そう、俺たちが驚いている理由は、普段なら何に使うかわからないゴミアイテムと名高い【不可思議な鉱石】が、俺だけ【魔剣の素】という新たな素材になっていたのだ。
「何か、何かないの?!」
「わ、わわわかったから、揺らすのをやめろぉぉおぉぉぉお」
「あ、つい……」
「よ、酔う……」
俺はフラフラと千鳥足になりながら、なんとかその場に胡座をかき座る。そして何か変わった点がないか見ていると、ある欄に新規獲得を示す赤い丸がついていた。
「アチーブメントが増えている……」
「な?!」
「なになに……『決して折れず屈せず抗う者』だって。 効果が……新たにソロモンの魔剣シリーズのレシピ解放と、魔剣を作るのに必要な素材を獲得できるようになるだって?!」
「そ、そんな情報どのサイトにも載ってないぞ?!」
「つまり、これ隠しアチーブメントだ……」
「しゅ、取得条件は?!」
「お、落ち着けって! ……取得条件は、魔剣帝皇ソロモンを一体以上、一人で討伐する。 だってよ」
一体以上って書き方をされているということは、おそらくダンタリオンでの分身体も独立した個体と考えているのだろう。
そんなことより、これは一大発見だ。特に戦力を伸び悩んでいる中堅以上の人たちからしたら、魔剣なんて、喉から手が出るほど欲しいだろう。そしてその素材が手に入るとなれば……
「回るしかないよな……」
「そうだな」
「そうね」
俺とバト、サーナは違いに顔を見合わせた後に、頷きあってから作戦会議を始めた。
「なぁ、機械系武具の素材を少し譲ってくれないか?」
「あぁ、いいぞ。 その代わりあれを」
「あいよ。 サーナは?」
「私も良いわよ」
「りょーかい。 ならバフアイテム代わりに送っとくわ。 何系が良いとかあるか?」
「魔法の威力が上がればなんでも」
俺たちは数分程度でアイテムの受け渡しを終えた。
「じゃあ二人も行こうか」
「え?!」
「私たちもですか?!」
「もちろん」
「誘っといて放っておくなんてしないさ」
「そうね、一緒にやりましょ」
俺がリラの、サーナがルナさんの手を取り、俺たちはイベント周回を始め……
「あ、先に掲示板に書いてくるわ」
るのはもう少し後だった。
次に初めての掲示板系を書きます。見にくかったりしたら教えてください!




