第二十八話
解説があります。
「「「だーーーーーー! 疲れた!」」」
俺とサーナとバトはボスラッシュが終わり、拠点に戻ってから大声を上げる。俺たちは致命的な傷はないも、小さな傷がたくさんできている。
「お、お疲れ様です……」
「何もできなくてすみません」
俺たちに続くように、ルナさんとリラが戻ってくる。二人に至っては全身ボロボロだ。
「や、よく死ななかったよ。 な?」
「そうね」
「そうだな」
「でも、本当に良かったんですか……?」
「ん? 何が?」
「例の、あれです……」
「あー……」
例のアレとは何か、話は少し巻き戻る。
「んじゃ、次のボス行きますか」
金策蛇ドラさんを秒殺した俺たちは再度転移した。一瞬で転移が終わり、景色が変わった。あたりの景色は、まるでどこかの城の中のような景色だ。ド○クエの魔王の間といえば分かりやすいかな?
「なぁ、この景色って……」
「あぁ、やな予感がするな」
「ははは、まさかねぇ?」
俺とバトとサーナの顔が引き攣る。ここにいるボスは、おそらく全上位プレイヤーから嫌われている。そんなことを知らないルナさんとリラは辺りをキョロキョロと見回している。
「あのここって……」
「見たことがない……」
「そりゃそうだよな……なんせ……」
俺が言い切る前に目の前にポリゴンが集まっていき、ボスの姿が現れる。
「あーーーーー! やっぱこいつだよ!」
「トゥルー、恨むわよ!」
「なんでだよ!」
俺たちは阿鼻叫喚していた。目の前にいるモンスターは、死ぬほど戦いにくいのだ。グラトニースライムのめんどくさを十とするなら、こいつは多分三万ぐらいある。いや、マジで、本当なんだって
「あの、ここはどこなんですか?!」
リラが焦ったように聞いてくる。あぁ、そう言えば答えきれてなかったか。
「こいつは今のところ、一番最後に追加されたエリア、魔剣城だよ」」
「そして、目の前にいるのがそのエリアのボスで……」
「私たちが二度負けたボスよ」
【魔剣帝皇ソロモン Lv.8300】
グラトニースライムと同じぐらいの高さを持ち、その両手には布に包まれ、鎖の巻きついた二本の剣を持つ、いかついモンスターの姿がある。
完全にボスが生み出されたと思うと、タイマーが作動を始めた。
「マジかよ?!」
「トゥルー?! 二人を遠くに!」
「おう!」
俺は翼を出して二人の手をとって即座にその場から三十メートルほど離れる。その瞬間、俺の背中を魔人の剣が僅かに掠る。
「な?!」
「あ、ありがとうございます」
「いいから、離れてて! こいつは手加減とかできないから!」
俺は二人の返事を聞く前にバトとサーナがいうところに戻る。
「戻った!」
「おう!」
「さて、やるわよ」
俺が戻ると、魔人はその両手に持つ剣を地面にブッ刺した。
「頼むから、変なのやめろよ!」
魔剣の布がだんだんと消失していき、剣身に刻まれている数字が露わになる。
「だぁぁぁぁあ!」
最悪だ、思いっきり最悪なやつ、クソほどめんどくさいこいつをさらにめんどくさくする番号を引いてしまった。なんでだよ、蛇ドラか?! 蛇ドラなのか?! 瞬殺は良くなかったのか?!
【魔剣71:ダンタリオン】
【魔剣58:アミー】
右手には71と書かれた魔剣が、左手には58と書かれた魔剣が現れる。そしてその直後、ソロモンの姿がブレ、ソロモンの姿が三つに増えている。
「ダンタリオンかよ! ふざけんな!」
魔剣帝皇ソロモンがめんどくさい理由、それは両の手に持つ魔剣が八割を占めている。名前の通り、このモンスターはソロモン72柱が元になっている。そして、その両手に持つ魔剣はそれぞれ番号とソロモンの悪魔が対応しており、その悪魔に対応した能力を持っている。
ちなみに右手で選ばれた魔剣が左手の魔剣に選ばれることもある。普通にクソだよね!
そんな初見殺し的な性能のこいつの中で最も嫌われている魔剣。それが、71番の魔剣、ダンタリオンだ。見て貰えばわかる通り、その効果は『分体』。実体を持つ分身を二体生み出す魔剣だ。
これだけでも嫌われるには十分だが、この程度では終わらない。
「お前ら、一人一体な」
「はぁ、なんの地獄だよ」
「ほんと、そうね」
分身したソロモンがそれぞれ自身の持つ魔剣を地にさす。
【魔剣70:セーレ】
【魔剣21:モラクス】
【魔剣22:イポス】
【魔剣5:マルバス】
なんと、分身した奴らもそれぞれ別の魔剣を扱うのだ。一言で言うなら、まさに地獄絵図だ。
魔剣71:ダンタリオン
顕現と同時に持ち主の分体を二体まで生み出す。
魔剣58:アミー
顕現すると同時に、炎を刀身に纏い、数体の炎でできた獣を生み出す。
魔剣70:セーレ
様々なものを転移させる能力。自身やプレイヤーは転移できない
魔剣21:モラクス
岩や石を創造する魔剣。
魔剣22:イポス
二秒先を行動予測する魔剣
魔剣5:マルバス
所有者を癒す、治癒の効果を持つ魔剣




