第十四話
お久しぶりの更新
俺は学校が終わるといつものようにコネクトを起動し、DTIOにログインした。
「ん~、今日は何するかな」
俺はログインした後、体を伸ばしながら今日は何か約束がないかを確認した。
「今日は特に予定はなしっと。 さて、何しようかな」
素材集めでもいいけど別に今緊急でほしい素材とかはないしな……う~ん、何しよう。
「たまには始まりの街にでも行ってみるか」
始まりの街とは初期のリスポーン地点であり、初心者から中級者なりたての人が良くいる街のことだ。俺は暇なときにたまに変装してそこに向かっている。そこにいるプレイヤーを見るとはいじめたての頃を思い出せるからだ。俺は始めて半年ぐらいのときに使用していた装備を取り出し、その装備に着替えた。
「これなら割と初心者っぽく見えるかな」
今の俺は青と白を基調にした袴となぜか持っていた狐面を被り、腰にはNPCから買った特に大した効果のない日本刀を一振り刺した。髪の色は変えようか迷ったが、俺のおかげかキャラビルドの際に俺と同じ色の髪色を選ぶ人が大勢いるので俺本人だとは思われないだろう。
「いざ、始まりの街へ!」
俺は嬉々として始まりの街に向かった。
「おぉ~、相変わらずにぎわっているねぇ」
俺は額に手を当てながらあたりをきょろきょろと見渡した。今俺は始まりの街の象徴とも言われている大きな広場の噴水の前にいる。あたりからはいろいろな会話が聞こえてくる。
「いや~、あのモンスター強くない?」
「装備の強化ってできたっけ?」
「あ、私素材が足りないや」
「じゃあまずは素材回収だな」
「そこのお兄さんお姉さん! 回復薬は買っていかないかい?!」
「ここがDTIOかぁ~」
「なぁ、この武器なんだけど安くできないか?」
「じゃあこの素材をとってきてくれよ」
「おっけ、今から行ってくるわ」
「あ、このアクセサリーかわいい!」
「お嬢ちゃん、買っていくかい?」
俺が街を適当に歩いていると、いろいろな会話が聞こえてくる。俺はその会話を聞きながら心の中で懐かしんでいた。いやぁ、俺も昔はこんな感じだったな……懐かしい懐かしい。
「みんなそれぞれのやり方でDTIOを楽しんでいるねぇ」
俺が歩いていると、少し先でなにやら説教しているような声が聞こえた。俺は気になったのでさりげなく近づいて話を聞くことにした。どうやら青紙のの青年が黒髪の少年に説教らしきことをしていたみたいだ。
「ったく、いつになったらそのスキルを使いこなせるんだよ!」
「ご、ごめん……」
「お前がレアスキル持ちだからってパーティ組んでたのにとんだお荷物かよ!」
「で、でも……」
「なんだよ?」
「いくら何でもトゥルーさんみたいにしろって言われてもそんなの無理だよ」
「知るかよ! それを何とかしろよ!」
「血液操作のスキルは扱うのが難しいんだよ」
「なんだよ。 今度はレアスキル持ってない俺にはわからないって言いたいのかよ?!」
「そうじゃないけど……」
「はぁ……もういいわ」
「え?」
「お前とパーティ組むのやめるわ。 じゃあな足手まとい」
「え、ちょっと!」
終始言いたいことばっか言っていた青年は勝手にキレて、勝手に決めつけてどっかに行ってしまった。まぁ、一言でいうなら屑だな。それよりも途中で聞こえたワードが俺の興味を強く引いた。
「間違いじゃなければあの子は血液操作が使えるんだよな」
血液操作のスキルは真祖吸血鬼のスキルだ。本来真祖吸血鬼になるためにはβテスターの選考選択、もしくは吸血鬼が条件をこなすことで進化が可能となる。だが俺は一度も新たに真祖吸血鬼なったプレイヤーがいるとは聞いたことがない。
「つまり、レア発現を引き当てたという事か」
レア発現とは名の通り極低確率で進化先のスキルが発現することを指す。言葉にすると簡潔だが、その確率はとても低く、噂では適当に買った宝くじで一等を当てるよりも確率は低いといわれている。
「俺と同じスキルを持つレア発現者か」
俺は少し考えると残された少年に近づいた。
「はぁ……僕も早く使いこなせるようになりたいよ……」
「少しいいか少年」
「僕、ですか?」
「そうだ」
「何の用ですか?」
「君がよければ少しレクチャーしようか?」
「……え?」
俺は少年に声をかけた。




