第十三話
あとがきにお知らせと宣伝があります!
決闘が終わり、俺たちは元の場所に戻された。戻ってきたリクラースたちは完全に俺に対して恐怖心を持ったようで、俺が視線を合わせようとすると、ものすごい勢いで顔を逸らす。
「さて、決闘は俺の勝ちでいいんだよね?」
「あ、あぁ……」
「んじゃあ、報酬なんだけど……」
俺はルナさんたちの方を横目で一瞬だけ見た後、リクラースたちに向き直り、言い放った。
「いらないや」
「な?!」
俺のその発言を聞いてリクラースたちは驚いた。俺は気にも留めず続きを口にした。
「だって別に装備も金も困ってないし……その代わり、一つ約束してもらおうか」
「ど、どんな約束だ……」
ゴクリとリクラースが生唾を飲み込む音がした。
「ルナさんとアルフィストさんへの謝罪及び、金輪際二人との接触をしないでくれ」
「わ、分かった。 その要求を受け入れよう……」
俺の要求を受け入れたリクラースたちは、ルナさんとアルフィストさんの方に向かっていくと、二人の目の前で歩みを止めて、体を九十度に曲げて謝罪をした。
「今までの無礼な行為、大変失礼しました!!」
「「「「「「「失礼しました!!」」」」」」」
「わ、私はもう大丈夫です。 今後、気を付けてくだされば」
「私もルナと同じ意見っす」
こうして平和的にこの騒ぎは終わりを迎える……はずだった。
「な、なんだこれは?!」
後からやってきたリクラースたちよりもさらに豪華な装備に身を包んだ青年が大声を上げた。
「ギルドランキング五位の上位ギルド、【鬼者】の傘下ギルドである【赤鬼】の者が、なぜ頭を下げているのだぁ?!」
リクラースたちの装備に刻まれていたギルドのエンブレム、どっかで似たようなもの見たことあるなぁと思っていたけど、【鬼者】の傘下ギルドだったのか。
「貴様が先ほどの決闘で戦っていたものだな?! あのような鬼畜の所業に飽き足らず、上位ギルド【鬼者】の傘下ギルドである【赤鬼】に恥をかかせるとは……その性根、どこまで腐っているんだ?!」
先ほどの決闘を見ていたようで、俺を見つけるとまくしたてながら近寄ってきた。俺の反応はというと、
「はぁ? お前何言ってんの? てかお前誰だよ」
だった。
「貴様……天下の上位ギルドである……」
「【鬼者】の傘下ギルドなのは分かったから、まず名乗れよ」
「ふん、聞いて驚け。 俺はあの天下の上位ギルド【鬼者】の傘下ギルド、【赤鬼】のサブギルドマスター、火月だ!」
自信満々に言い放った。てか、聞いて驚けって本当に言う人いたんだ。俺が呆気にとられていると、その様子を驚いていると勘違いしたのか、見下すような口調で話を続けてきた。
「俺が誰だかわかったようだな。ならさっさと俺たちのギルド【赤鬼】及び【鬼者】のメンツに泥を塗ったことの詫びとして今すぐ土下座するんだな! 土・下・座!」
周りはみんな、何言ってんだこいつと思っているだろう。だが火月は周りの反応を理解していないようだ。俺はめんどくさいからフレンド欄から、ちょうどオンラインだったある人に通話をかけた。
「あ、もしもし。 急に悪いな。 うん、申し訳ないんだけど今すぐ俺のいるところに転移してこれる? んじゃまってるわ。 うん、それじゃ」
「貴様、何をしているのだ?!」
「いや、通話だけど?」
「よくもこの俺を目の前にしてそんなことができたな?!」
「え、逆になんでダメなの?」
「貴様大目に見ていれば……」
俺が土下座せず、通話をしたことにさらに腹を立てた火月の顔はそれはもうすごかった。ごめんよリクラース。こいつのほうが機関車だったかもしれん。
「貴様は上位ギルド【鬼者】の傘下ギルドである……」
「俺のクランがなんだって?」
「お、来た。悪いな急に呼んじまって」
「それはいいが……これはどういう状況だ?」
俺たちの後ろから、一人の男が人混みをかき分けながら近寄ってきた。
「あ、あなたは【鬼者】のギルドマスターである童子様?!」
そう、俺が呼んだのはほかでもないさっきからこいつが事あるごとに言っていたギルド、【鬼者】のギルドマスターの童子だ。
「ん? お前誰だっけ?」
「は! 私はあなた様の傘下ギルド【赤鬼】にてサブギルドマスターを務めさせていただいております、火月と申します!」
「まぁ、いいか。 んで、これどういう状況だ?」
「は! この者が……」
「いや、お前に聞いてない」
「な?!」
「俺が説明するよ童子」
そして俺は手短に起こったことを話した。俺の話を静かに聞いていた童子は話が終わるとすぐに頭を下げた。
「すまねぇ! 俺の監督不届きでこんな問題を起こしちまったみたいだ! どうか許してはもらえねぇだろうか?!」
「童子様?!」
「うるせぇ、お前は少し黙ってろ!」
「な……?!」
「それで、許してもらえるだろうか?」
「そうだな……ここは童子の顔を立てて許すとするか。 あとでしっかり言い聞かせといてくれよ?」
「あぁ、それはもちろんだ」
「じゃあこの話はこれで終わりだな」
「助かる! …… にしても、お前もいじわるだよな」
「は?」
「お前が名前とか姿隠さなければそもそも問題にならなかっただろうに」
「まぁ、そうかもしれないけど……いろいろとあれなんだよ」
「それもそうか。 すまねぇな」
「あ、あの童子様」
「あ?」
「ひぃ!」
「何の用だよ」
「そ、その輩と随分と親しい様子ですが、一体何なんですかそのものは」
「だってよ」
火月に俺が誰かを聞かれた童子は、いたずらっ子のような笑みを浮かべながら俺に話しかけてきた。
「はぁ~……仕方ない。 本当は嫌だったんだけどなぁ……」
俺は設定画面を開き、服装と名前の非公開設定を変更した。俺の格好は黒い軍服からいつもの服装ではなく、大会などでよく使っている装備のうちの一つである貴族のような服装に変化し、俺の頭上にはしっかりと
【真なる頂点】トゥルー
と記載されている。
「ったく、これで満足か、童子?」
「おう。 んでそこのお前」
「は、は、はい!」
「もう何も言わなくてもわかんだろ?」
「も、もちろんです!」
俺の姿を見た火月をはじめとした、俺と決闘したリクラースたちは顔をゲームなのに見てわかるほど青くし、やじ馬たちはざわざわとしだした。
「あ~、火月だったか?」
「そ、そうです! あ、あのトゥルーさんとはつ、つゆ知らず……」
「あ~、そういうの良いから」
「す、すみません!」
「今回は童子に免じて許してやるから、二度ともうこんなことするなよ」
「も、もちろんです!」
「あと周りにいる方々、今回の件は解決したので、彼らに対する誹謗中傷などは控えてほしい。 このとおりだ」
「俺からも頼む」
俺と童子はやじ馬たちに向けて頭を下げた。皆うなずいてくれていたのでわかってくれただろう。
「んじゃ童子。 俺はもう行くからあと頼むわ」
「任せとけ。 おいおまえら!」
「「「「「「「「「はい!」」」」」」」」」
「とりあえず……ついてこい。 いいな?!」
「さて、ルナさんにアルフィストさん。 俺たちもお開きにしましょうか」
「そ、そうですね」
「りょ、了解っす!」
「最後までご迷惑かけて申し訳ない」
「いえいえ?! そんなことないですよ!」
「また機会あればぜひ!」
「こ、こちらこそよろしくお願いします!」
「ではお先に失礼いたしますね」
俺は自分の拠点までテレポートし、その後ログアウトして今回の騒ぎは幕を閉じた。
ちなみに余談にはなるが、今回の件はネット上で話題にはなったものの、俺たちが頭を下げたことで火月やリクラースたちに誹謗中傷等のメッセージが送られてはいないらしい。よかったよかった。
完全に私事ではありますが、十一月は今後更新は不可となります。理由といたしましては大学受験と、その後に期末試験が控えているからです。なので、十一月は更新がしたくてもできない状態になります。大変申し訳ございません。
そこで、宣伝にはなりますが、私には弟弟子がおりまして、代わりと言ってはあれですが更新が停止している間だけでも、彼の作品を読んでくださるとうれしいです。
名前:単細胞(敬称略)
作品名:ユグドラシル転生記〜創られた歴史の中で劣等精神の俺は〜
URL:https://ncode.syosetu.com/n5968hg/
もしお読みになってくださった方は、コメントで私の作品から飛んできましたと一言コメントしてくださると、彼も喜ぶと思います!
以上宣伝とお知らせでした。




