変換、その方法
健の後ろに現れた三人目の男。
少し離れた位置に立っていて、こちらを見ている。
その位置からも、はっきり届く声。
非常に重みがあって、時代を感じさせた。
「時が来た。再び3人の家族に戻るんだ。」
「さぁ。」
その男は手を差し出す。
健は、その手を見つめる。
いや、それよりも。
「誰だ?」
一つの疑問。
当然のことだ。
いきなり出てきて、その発言。
意味が分からない。
体の向きを変える。
「ミシェ、、、蒼井、、どっちで呼べばいい?」
「今は、京子でいいわ。何?」
「この男が誰か分かるか?」
即答。
「知らない、誰そいつ?」
京子も知らないようだ。
だが、俺の名前を知っていた。
何故、、、
「母さんは、どうした?」
健の後ろの男が発する。
「早く連れて来い、3人で。」
母さん?
この男。
まさか。
「父さん、、、?」
「さっきからそう言ってるだろう。」
父さんは、もういないはず。
この場にいるはずがない。
それに、母さんは。
「母さんは、いない。もう、、、」
「どういうことだ。何を言っている?」
「アレウスが、母さんだった。正確には、夢の中では。そこで、ブルームウッドが、アレウスを殺害した。その時にノイズが走って、その位置に母さんが倒れていた。周囲が点滅する中、母さんだけがそこにいた。もう冷たかった。もう母さんはいない。」
今の状況を一息で口に出す。
冷汗が出て、口が乾燥する。
「、、、、分かった。いい。あれを使う。」
「変換だ。」
「そこの女を犠牲にして、蘇生をかける。」
「、、、何言ってんだよ。急に。」
「いないはずの私が、お前の夢の中にいるのと同義だ。それと同じことを母さんにする。その女を使えば、母さんは戻ってくる。私のように。だから、、、」
こちらに一歩近づき、見上げて。
「よこせ、その女。」




