一枚の写真
ミシェラは心底驚いた。
何の前触れもなく、健が倒れたからである。
何かの糸が切れたかのように。
「どうしたの!?」
ミシェラの声と並行して、子供たちが健に近づいていく。
そのうちの何人かが健の前で屈みこみ、観察する。
そして、すぐにそれに気づく。
「寝てるよー、寝不足なのかな?」
確認する。
というより、胸の上下運動ですぐに理解する。
こいつは寝ている。
間違いないと。
とりあえず、ベットの方に体を移動させる。
その最中にも疑問は膨れ上がる。
会話の途中で眠るなんて。
余程のことがないとあり得ないだろう。
やはり、この人は普通じゃない。
何かが違うんだ。
****
ブルームウッドは屋敷の奥深くに案内される。
不機嫌だった従者に先導されながら。
続く扉。
その中でもひときわ大きな扉の前で立ち止まる。
「こちらです。中で主がお待ちです。」
「、、、」
従者が扉を開く。
内部へ足を踏み入れる。
従者は中へは入ってこないようだ。
「やぁ。久しぶりだね。ブルームウッド。」
「は。ご無沙汰しております。殿下。」
「よい。もう殿下ではない。ただの老いぼれじゃ。」
「いえ、、決してそんなことは。」
「まぁ、いい。それで頼みがあってここに来たのだろう?」
「はい、単刀直入に申しますと、私は謀反をしました。」
「ほう?どんな謀反だ?」
「アレウス様の命令に背き、対象者とコンタクトしたうえ、同盟を結びました。」
「アレウス、、今はあ奴が、、、なるほど。」
「ですが、これは私の作戦の内であります。」
「つまり、前々からこの作戦を温めていたというわけだな?狙いはさしづめ、、、」
「ユーランドの破壊、ひいては平等権の確立です。」
「それに協力しろと?」
「はい、まさしく。」
「話は早い方がいいだろう、机の上を見たまえ。」
木製の豪奢な机。
資料が散乱しており、嵐の後のような様子を見せていた。
そこに額に入った写真が一つ。
家族写真。
母。
父。
息子。
その三人が写っていた。
所々見にくい。
しかし、その文字だけは見えた。
「紅林」
読み方は分からないが、そこにはその様に書かれていた。
少し前の二人の協力者辺りからの繋がりです。
今後も時系列が分かりにくい場合はここに説明していきます。
読んでいただきありがとうございました。




