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頭の中には世界が広がっている  作者: 真っ赤なゴミ箱
第2章 不穏な影
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必ず守る、もう繰り返しはしない

思い出すのは、あの日の光景。

何度も忘れようとしたけれど、頭にこびりついて離れない。

皆の顔が、声が。

何もできなかった。

一目散に逃げた僕は、物陰に隠れ、息を潜めた。

剣を振るうのは、熟練の戦士たち。

それに対するは、何の力も持たない貧民たち。

かつての僕もその一人。

僕の家族は皆一夜にして殺害された。

父は、生きたままで首を切断され、そのまま放置された。

母と姉は、欲に飢えた兵士たちに犯され、汚された。

ひとしきり己の欲を吐き出した兵士の一人が、用済みとばかりに、母と姉を向かい合わせにし、こう言った。




「お前たちの父ちゃんは、死んじまったなー。かわいそうにかわいそうに。よくあんなことが出来る奴がいたもんだ。でも、僕は違うだろう?現に、君たちには優しくした。女としての喜びが分かったんじゃないか?二人とも良かったよ。そこで提案だ。今から、二人ここで殺しあえ。残った方は生かしてやるよ。さぁ!」




その一部始終を僕は見ていた。

後ろで父が倒れ、その前で母と姉が兵士たちにいいように犯される。

そして、今度はなぜか母と姉が向かい合わせになり、手には兵士たちからナイフを握らされていた。

もう。

無理だ。

これ以上は。

もう。

やめてくれ。

今度は、何をさせる気だ?



「カリーナ、ごめんね。こんなことになって。でも、しょうがないわよね。きっと私達こうなる運命だったんだわ。生きてるだけで、酸素を無駄にしてる。王族には、別の世界があるのよ。私達とは相いれない。同じ人間だけど、根本的に違う。」



「お母さん、、でも、でも。私のこの気持ちは本当なんだよ。私は彼を愛している。心の底から。誰よりも。この気持ちに変わりはない。たとえ、ここで死ぬことになったとしても。」



「死ぬのよ?それもこれも全部あなたのせい!そんなものなければ、私達まだ幸せでいたかもしれなかったのに!いい?私はまだ死にたくなんかないの!生きるためだったらなんだってする。カリーナ、貴方を殺すわ。」



「お母さん、、、」



先に母の方が、ナイフ片手に駆け出した。

姉の方はまだ踏ん切りがついていない。

穴の体にナイフが刺さる、その瞬間に。


周りにいた男たちが、一斉に銃を構え、掃射。

一瞬にして、母と姉だったものが砕け散った。

残ったのは、兵士たちの笑い声。



「なわけねーだろ?馬鹿が。」



これは、夢だ。

きっとそうだ。

僕はたまらず駆け出した。

光景だけは、忘れない。

あの兵士たち。

王家直属。

泣いてはいられない。

人間は、ここで二つに分かれるだろう。

逃げる人間と立ち向かう人間。

僕は、立ち向かった。

日々鍛錬し、復讐に向けて。

そして、今に至る。



今監視している二人は、あの時の姉と同じ構図だろう。

まだぎこちないが、彼らはより深く惹かれていくはずだ。

もう繰り返さない。

二人には、指一本触れさせない。

これが最終段階。

鍛錬し、鍛錬し、王家に注目されるレベルにまで至る。

自身が直属となり、近い位置に。

誰にも知られてはならない。

目的を遂げるまで。



彼、ブルームウッドの真の目的は王家の壊滅。

ユーランドを破壊する。





彼は味方だった。

彼の過去とともに、そこに至るまでの過程を書きました。

熱が入りすぎて、本当の主人公を一時忘れてしまうくらいです。

気を付けます。

また次回。

読んでいただきありがとうございました。

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