ある男の宣言
その日の夜は、眠れなかった。
寝すぎていたせいもあるかもしれないが、大部分は別のこと。
元々は、これでいいと決めていたことだ。
母からの助言ももらった。
俺は、あの世界を救う。
そして、朝がやってくる。
階下から聞こえる母の声。
そのタイミングで、急に睡魔が襲ってきた。
廊下に出ようとした手は、宙を切り、落ちる。
そのまま意識も夢の世界へ落ちていく。
寝すぎもよくないが、寝なさすぎもよくない。
それが招いたものだろう。
まぁ、きっと皆も同じことを経験しているだろう。
徹夜した後の翌日とか。
一回寝て、また起きてそこですぐには起きられなかったりとか。
「あと、、、まだ色、、、々、、、」
思考は停止し、静かになる。
次に目が覚めた時は、既にあの場所に戻ってきていた。
「よし。」
誰に言われるまでもなく、足は動き始める。
城の方にではなく、下層の方へ。
全ては、この世界のルールを変えるために。
人間が皆、平等に生活できるように。
希望を求めて。
歩いてすぐにアスタ市場に入る。
相変わらずの賑わいで、皆楽しんでいる。
「これはこれは、王様ではないですか。」
「光栄です。」
「僕、将来あの人みたいになるんだ。」
聞き飽きた言葉。
あれは、皆取り繕っているだけなんだ。
きっと。
きっと。
心の底では、脱却したがっているはず。
僕が、皆を助けるんだ。
アスタ市場を下って、すぐに着く。
前は、ミシェラに案内?
いや違うか。
勝手について行って、ここのことを知った。
あの後、他の人たちが出てきて、それから、、、
、、、、
あまり思いだしたくはない。
前のことは考えないで、今から始めていこう。
まずは、ミシェラに。
確かここの裏だったかな。
声がする。
何人かのにぎやかな声。
「次は、あんたの番よ!」
「次は、ミシェラが来るぞ!みんな逃げろ!」
「何よ!その反応!私は、普通の人間だって!」
「さすがは、ミシェラだぜ、、、能力値が高すぎて、直視できない!」
一言で言うと、何だろう。
想像と違いすぎて。
整理が追い付かない。
皆、現代で言う鬼ごっことか、かくれんぼ的なもので遊んでいた。
その中心にいたのがミシェラ。
容姿で分かったが、あの時とはまるで別人。
あの笑顔とは無縁だし、声もあんなに大きくなかった。
そうこう考えているうちに、ミシェラがこちらに気づく。
「あんた、何でまた?何で来たの?分かるでしょ?ここは、あんたがいていい世界じゃない。あんたの世界は、あそこ。あの大きなお城。こことは、別なの。早く帰って。見つかったらまた、、、、」
ミシェラが話している最中、彼女の姿を観察する。
顔に残る痣。
乱れた髪。
元の色が分からない上下の衣服。
足には、靴。
よく見たら、両足で違うものを履いていた。
ほら。
これだ。
こんなのは、あんまりだろう?
人間なら人間らしく。
もっといい生活をすべきだ。
考えを巡らせつつ、それは口をついて出た。
「俺が、この世界を変える!」
静まり返る周囲の人間。
唖然としている。
ミシェラも疑問符を浮かべている。
傍から見たら、訳が分からないと言われても仕方がないだろう。
でも、それは。
大きな一歩。
睡眠によってこの世界に導かれた男が世界を変える。
その宣言だった。
割と執筆は順調なように思います。
前作よりも、分量、速度共に向上しています。
この調子で頑張っていきたい。
前も言ったけど、できれば毎日投稿。
引き続きお願い致します。
読んでいただきありがとうございました。




