灰頭(シンデレラ)
ある所に1人の商人が居ました。商人は、とても忙しくそして楽しく仕事をしていました。
ある時商人は、跡取りが欲しいと思い妻を持ちました。けれど、妻は、娘を生んで亡くなってしまいました。跡取りが欲しかった商人は、娘にあまり関心が無く仕事が忙しくて育てる時間もありません。そこで商人は、また妻を娶りました。
今度は、子もちの妻が来ました。今度の妻は、金持ちだったので大きな家に引っ越しました。
金持ちの妻が出来資金と伝手が出来た商人は、ますます忙しくなり家の事は、妻に任せ帰って来なくなりました。
そして…
「出かけるの?」この屋敷の女主がぼろぼろの服の薄汚れた娘に声をかけると「はい継母さま」娘は、にっこり答えました。
「ハァ…足元を見なさい!アナタが歩いた跡が付いて床が汚れてるわ」「エ、あ!申し訳在りません!」娘は、どうしていいか分からずオロオロとする。「もうソコで良いわ、灰をある程度落としてしまいなさい。」こめかみを押さえて継母が言うと娘は、その場でぱたぱたと頭を叩くと「行って参ります」と言って出かけて行った。
「まったく!あんな姿の娘を外に出さないとイケナイなんて!」継母は、自分の連れ子である2人の娘に愚痴ると「でも、最初に、あの格好させたのお母様ですよ?」「確か普段着のままあそこに行くと危ないからって」娘達は、顔を見合わせウンウンと「まあ、あの子の前に住んで居た場所がココより治安が悪いのは、確か…でも」「あんな格好させる必要あったの?」娘達は、母の方をみる。
「甘いわ!!あの子は、わたくしが丹念に磨き上げたのよ!お肌ツルツル髪は、つやつや!そんな娘がその辺歩いてたら攫ってくれって言ってる様なモノじゃない!」継母は、テーブルの上のナプキンを引き絞りながら唸る。
娘達は、コソコソと「そう言えばボロを着てもその髪を見れば育ちが丸わかりって、それで灰を出してきたのよね」「あの子が!ネ」「絶対お母様の顔見て楽しんでたよね?」「まあ、分かるけど」密かに娘達は、(義妹も)大好きなお母様をからかうのが大好物だった。
ちなみに娘が出かける先は生みの母の墓なので行くなとは、言えない。
その後娘が住んで居た辺りでー継母でいじめられた娘が王子様に見初められて結婚したというお伽話が出来たとか……