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俺だけの、時止め機  作者: 永峪侑
1/2

ぷろろーぐ(1)

 

≪ぷろろーぐ≫


 ※


 ――時間を自由に止めらるならば――

 俺がそんな事を思ったある日ことだった。

 偶然にも願いが叶ってしまったかのように、それを見つけてしまった――否、見つけたのではなく、自分に宿る()()()()と交換してもらってから手に入れることができたのである。


 その名も『時止め機(ときどめき)』――通称、タイムストッパーである。


 まあ文字通り、『時間』という不可逆変化物質を一時的に、自由気ままに、手動で止めることができる、この世界において最も万能なマシーンだ。

 例えば、親から「ゲーム止めろ!」だの言われた時に、【時止め機】を使って時間空間を停止させ、それでもってゲームの続きをプレイすることができる。

 え? 時が止まってしまえば、当然ながらゲーム機の動作も止まるでしょって?

 いやいや大丈夫、その心配は全くない! だって【時止め機】をONにさせた際に、勿論のこと自分は動けるけれど、それと同時に【コマンド:一部再生】という特殊な機能を使えば、自分の動かしたい物質だけが動けるようになる。それはゲーム機とかの機械に限ったことではなく、この世に存在するありとあらゆる物質――人間だって、動物だって、生き物だって――稼動することができる。

 だから俺はこの機械を『万能』などと表現しているのだ。

 この世で最も万能にして優秀な、人の望みを全て叶えてくれる、それが【時止め機】である。

 時を止めれば何でもできる――人を窮地から救うことも、ゲームを散々やることも、眠くなったら寝ることも、宿題を終わらすのも、テスト中に誰かの解答用紙を見るのも、()()()()()()()――実はできてしまう。

 でも俺は一つだけ、大事なことを完全に忘れていた……。

 それは、時間を止めるだけでは解決しない、そんな物もこの世にはあるということ――

 それを知ることになるのは、今から数日前に遡る。


 ※



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